本基金は1998年7月20日、国連タジキスタン監視団の政務官として活動中に凶弾に倒れた故秋野豊氏の事件をきっかけに、同氏の平和と紛争解決への情熱やその生きざまに共感を覚える人々によって設立された。
冷戦が終わり東西対立がなくなったことで、平和に対する期待は大きく高まった。しかし現実にはバルカン、中東、中央アジアなど各地でかえって地域紛争が勃発し、多くの犠牲者を生み出している。ところがこうした状況を直視し、紛争現場に根ざした研究を志す若者や国際貢献を行う若者はまだ少ない上に、経済的にも厳しい状況に置かれている。またそもそも一般にも冷戦後の紛争に対する理解が不足しているのが現状である。
故秋野豊氏は国際政治学者として筑波大学で約12年間教鞭をとり、多くの若者を指導したのみならず、自らすすんで紛争現場に赴き紛争研究・安全保障研究を行った。さらに研究者の枠を越えて、一人の人間としていかにして平和のための国際貢献を果たすかをも模索した。最後となった国連タジキスタン監視団での活動も、そうした同氏の実践の現れであった。
本基金は行動する国際政治学者として紛争の解決に尽力した故秋野豊氏の精神を継承し、ユーラシア大陸の紛争現場に根ざした形で安全保障研究を志す若い人々、あるいはユーラシア大陸の紛争現場において国際貢献をしようとする若い人々に対して支援を行い、平和に資することを目的とする。
事業内容
故秋野豊氏が研究者であったと同時に現場に根ざした実践家であったことを踏まえて、事業内容は大きく三つの柱を置く。
1.調査・研究助成
2.国際交流・国際理解教育
3.啓蒙・普及
1.ユーラシア紛争調査研究プロジェクト 「秋野豊賞」
ユーラシア大陸の紛争現場に根ざした研究、調査、ないしNGOなどで国際貢献をしようとする熱意のある若者への旅費およびそれに伴う調査費・研究費等の助成を行う。
大学院生部門(オーバードクターを含む、常勤職についてないことを条件とする)
毎年 1名(助成額 50万円)
一般部門(大学生を含む) 毎年 1名(助成額 50万円)
2.国際交流・国際理解教育
中・長期的な目標として本基金の助成を受けて活動する人々を中心としたシンポジウムや国際交流の支援を行い、国際理解の深化に努める。
3.啓蒙・普及
助成を受けた人々の報告書など著作物の刊行を通して、ユーラシア大陸の紛争や国際貢献への認識を深め、理解を広げる。
会員 上記の趣旨および目的に賛同する個人および団体 年会費 5000円
口座
郵便振替 秋野豊ユーラシア基金
02740−2−3000
役員
代 表 | 秋野洋子 | |
事務局長 | 広瀬佳一 | 防衛大学校 |
理 事 | 四十物実 | 全日本空輸 |
伊東孝之 | 早稲田大学 | |
岩下明裕 | 山口県立大学 | |
川初美穂 | 筑波大学(院生) | |
袴田茂樹 | 青山学院大学 | |
細野昭雄 | 筑波大学 | |
吉岡 亨 | 札幌市役所 | |
監 事 | 秋野詔夫 |
ユーラシア紛争調査研究プロジェクト
第一回「秋野豊賞」募集要項
秋野豊ユーラシア基金は、 1998年7月20日、国連タジキスタン監視団の政務官として活動中に凶弾に倒れた故秋野豊氏の事件をきっかけに、同氏の平和と紛争解決への情熱やその生きざまに共感を覚える人々によって一周忌にあたる1999年7月20日に設立された。
冷戦が終わり東西対立がなくなったことで、平和に対する期待は大きく高まった。しかし現実にはバルカン、中東、中央アジアなど各地でかえって地域紛争が勃発し、多くの犠牲者を生み出している。ところがこうした状況を直視し、紛争現場に根ざした研究を志す若者や国際貢献を行う若者はまだ少ない上に、経済的にも厳しい状況に置かれている。またそもそも一般にも冷戦後の紛争に対する理解が不足しているのが現状である。
故秋野豊氏は国際政治学者として筑波大学で約12年間教鞭をとり、多くの若者を指導したのみならず、自らすすんで紛争現場に赴き紛争研究・安全保障研究を行った。さらに研究者の枠を越えて、一人の人間としていかにして平和のための国際貢献を果たすかをも模索した。最後となった国連タジキスタン監視団での活動も、そうした同氏の実践の現れであった。
「秋野豊」賞はこのような故秋野豊氏の精神を継承し、ユーラシア大陸の地域紛争現場に根ざした調査・研究や国際貢献を行うような若者を一人でも多く支援しようとする研究助成プログラムである。
対象 ユーラシア大陸の地域紛争の現場に赴き、その地で調査研究活動を行ったり、NGOなどを通して国際貢献をしようとする熱意を持った人(日本国籍を持つ者または日本での永住資格を持つ者)
募集人員
大学院生部門(オーバードクターを含む、常勤職についていないこと)
毎年 1名
一般部門(大学生を含む) 毎年 1名
助成金額
1名につき50万円(旅費およびそれに伴う調査費・研究費など)
採用後の義務
採用された場合は、提出済みの調査・研究プロジェクト計画書に基づき翌年9月末までに完了するような調査・研究活動を実施する。帰国後直ちに会計報告書を提出し、3ヶ月以内に調査報告書を提出する。
応募書類
応募者は次の書類を下記の事務局宛に送って下さい。
1.履歴書(市販のもので結構です)
2.調査・研究プロジェクト計画書 A4版の用紙にワープロにて次のような点を含めた調査・研究プロジェクト計画書 を作成して下さい。分量は自由です。
(1)どの地域紛争に関心を持っているか
(2)具体的に何をやりたいのか
(3)それをどのような方法で実現しようとするのか
(4)どのような効果・成果が期待できるのか
3.これまでの活動実績を示すものがあれば添付して下さい。
締め切り
1999年10月末日
採用決定日
1999年11月末日予定
応募先
〒151-0061
東京都渋谷区初台2-24-1-205
秋野豊ユーラシア基金事務局 広瀬佳一宛
※秋野豊ユーラシア基金事務局だけでは届かない場合がありますのでご注意下さい。
※頂いた書類は採用の可否にかかわらず返却いたしません。
※審査結果は12月中旬までに通知します。
問い合わせ先
問い合わせはEメールまたはファックスで秋野豊ユーラシア基金事務局・広瀬宛てにお願いします。
E-mail: CXJ15250@nifty.ne.jp
ファクス: 03-5350-3932
頂いた応募書類は次の方々による厳正な書類審査を経て採用が決定されます。
柴 宜弘 東京大学教授
木村 汎 国際日本文化研究センター教授
立山良司 防衛大学校教授
袴田茂樹 青山学院大学教授
村井友秀 防衛大学校教授