シンポジウム「国境としての小笠原を考える」開催される

岩 下明裕   


2008年10月17日、小笠原村父島 において、センターと日本島嶼学会の共催によるシンポジウム「国境としての小笠原を考える」が開催されました。2007年9月の与那国島での国境フォーラ ム(長谷川俊輔根室市長と外間守吉与那国町長による「東西自治体サミット」)、2008年6月のセンターにおける国境フォーラムII(専門家による日本を めぐる国境問題の討議)に次ぐ第3弾として企画されたこの催しは、小笠原諸島返還40周年記念事業研究交流フォーラム「島民と考える小笠原の可能性」のメ インイベントとして、根室市、対馬市、与那国町の三自治体の国境問題・対外交流実務家にホストとなる小笠原の担当者を加えて行われました。ほぼ丸1日 (25時間半)かけて船でしか往来できない小笠原諸島にむかう旅はなかなか刺激的で、参加者たちは大いに密度の濃い交流を楽しんだようです。小笠原村によ る厚いもてなしに三自治体の皆さんも満足されたと聞いています。本企画の実施に熱意をもってあたってくださった日本島嶼学会の長嶋俊介、山上博信の両理 事、早稲田大学の佐藤由紀さんには特に心よりお礼申し上げます。スラブ研究センターは、いまや日本における島嶼研究の「全国共同利用施設」とさえ言われは じめていますが、バルト海やオホーツクの存在を考えると、「島嶼とユーラシア」といった一見、奇異な設定も新しい切り口を提供するものかもしれません。シ ンポジウム・プログラムは下記の通りですが、その内容は「スラブ研究センター・レポート」のなかで再現される予定です。


あいさつ
前田弘毅(スラブ研究センター客員准教授:科研費プロジェクト「ユーラシア秩序の新形成」研究分担者)

司会
田村慶子(北九州市立大学教授:科研費プロジェクト「ユーラシア秩序の新形成」研究分担者)

報告
田里千代基(沖縄県与那国町役場:国境交流推進特命事務局長)
小田嶋英男(北海道根室市役所:総務部長)
玖須博一(長崎県対馬市役所:地域振興課係長)
渋谷正昭(東京都小笠原村役場:総務課長)

コメンテーター
山田吉彦(東海大学准教授:『日本の国境』(新潮新書)の著者)


●シンポジウムの様子 (佐藤由紀撮影)

アフガニスタンとタジキスタンの国境河川

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