質問14 

「上記質問以外の事項で、センターの研究、教育、組織・運営などについてご意見やご提言があれば、自由にお書きください。」に対する回答

(注)手書きで書かれたものを読み取って入力いたしました。字が読みづらく意味不明の部分は???マークで示されています。また、スラブ研究センター員以外の個人名が書かれてある部分やあるいは個人が特定されてしまう可能性のある部分(大学名など)については、たとえば「A大学」、「B教授」などのように、アルファベット文字に置き換えてあります。

 <共同研究員の回答>

  1. 外に向かって広く扉を開いて積極的に外来者を招じ入れる現在のmindを是非維持し続けて下さい。

  2. 「国内で高い水準にある」との回答は、必ずしも「国際的には高い水準ではない」と言う意味ではありません。夏・冬の年2回のシンポジウムを開催することが、センター研究員の研究時間を奪い、その活動を制約する結果をもたらすのではないかと少々気になります。教育活動への参加についても同様です。

  3. 1.研究センターの第一の課題は研究にあり、研究成果が発表されなくては研究所のバイタリティーがなくなることに注意しなければならない。その点スラ研のこれまでの活動はほぼ満点がつけられる。但し、これまでの専任研究員には国際的レベルから見て低いと思われる者がいたことにも注意したければならない。2.この点で専任研究員セミナーは重要。とりわけ研究が良???の専門分野のみにかたよらず、学際的な視点を持つことに常に配慮すべし。3.以前センターに籍をおいていた者として私が去った後の発展ぶりには目をみはるものがあり感動している。4.ただし現在の日ロ関係の専門家を必要とする。これは?眉の問題。例えば M氏のような人が加われば日露関係の歴史の大家である原暉之氏の存在に加わってスラ研の戦力は??するであろう。

  4. 2回の大きいシンポに比較して専任所員の数が少ないから(海外長期滞在者を引くとなおさら)pen headの負担が大きいように見受けられるのを「軽減」する方策はないだろうか。

  5. 研究員の拡充をはかるためサブ・センターの設置に努力して頂きたい。

  6. 学生時代以来、さまざまな形でスラ研に世話になってきた研究者のはしくれとしてやはり改めて感じるのは、日本におけるスラヴ地域研究のコアとしてのスラ研の重要性と責務の大きさである。この点で期待したいことは2つ。1つは開かれた施設であること。研究水準の高さを維持する一方で、敷居の高い機関にはならないでほしい。教育活動もこの観点から考えられるべきである。もう1つは人員面の拡充。北大という組織の中でのスタッフの増員が予算的にもまた別の面でもむずかしいことは良く理解できるが、スラヴ地域研究を扱う領域の広さを考えると現状では寂しい限りではないか。スラ研の更なる発展を願ってやまない。

  7. センターに情報コピー・サービス部門を設置し、北大以外の大学、民間企業、個人が直接、資料・文献の利用(コピー・サービス)を申し込み、辻連に資料・コピーの提供を受けるようになると良い。現在は、図書館を通じてのサービスの申し込みになっており、スピーディーな対応が出来ないと思える。

  8. センター自体高い研究水準にあるのだからこれからは若い研究者(すなわち院生)受け入れを中心にその研究成果を、論文のみならず、教育においても行うのはどうだろうか。センターで勉強してみたいと思っている院生や若い研究者は多いはずである。海外で厳しい訓練を受けてきた研究員の考え方や研究の姿勢を学びたいと思っているであろう。乱筆・乱文にて失礼。

  9. 旧ソ連の未公開アルヒーフの公開を積極的に働きかけ、またそれらの複写・マイクロ形態による入手を進めて頂きたい。国際的な諸税の会議も重要だが、国際的な資料センターとしての側面も強化して頂きたい。会議室がいかにも貧窮であり拡充して欲しい。同時に国際会議に必須の同時通訳その他のハード面も改善し、外国語のハードルを除去して日本史などから旧ソ連を研究している日本の方や中国の方にも参加し易くして欲しい

  10. 90年代になっての展開に基本的に賛成している。しかし今後多くのユーラシア地域での多種化が進むと思われるので、そのような事態の対応を慎重に急いで考えておく必要があろう。

  11. ベルンシュタイン文庫の一般への解放をお願いします。

  12. センターの研究員は非常にレベルの高い研究業績をあげている。その研究のレベルを下げない程度で教育、特に博士課程の大学院生を対象として教育活動も行ってもらいたいと望んでいる。

  13. 一度もスラ研に招待していない人を中心に、招待計画を立てるべきである。

  14. ソ連圏が解体した以上、社会政治経済面からスラブ圏を強調する意味は少ない。フィロロジー中心のスラブ研究組織では将来は危ういと思われる。地域・方法論、社会との関わりにおいて新しい枠組が必要になっていると思います。

  15. センターのみならず一般に日本の大学・研究機関は人事交流が少ない(あるいは一方通行の移動のみ)ので、活発化する計画を立ててはいかがか?むろん、センターのみでできることではないが。例えばA大学の教員が2年間センターの研究員となり、そのかわりにセンターの研究員がA大学の教員となるとかの方法。民間のシンクタンク、官庁の調査部門、研究機関との間でもあってよいのでは。

  16. スラブ研究センターは各研究員の御努力によりすばらしい研究業績を上げておられるすぐれた研究拠点でありますが、同時に内外の一流の研究員が集まる人的交流の場としても重要な意味を持つと思われます。今後はそうした一流の研究員たちと今後を担う若手研究者が接触を持ち、その謦咳に接する機会を拡充して頂ければと思います。鈴川奨学生制度、COE非常勤研究員制度などもありますが、この面の一層の充実と多様化があればと思います。同様の主旨で、若手研究者の海外への派遣(短期でも)などにも支援できる方策があればと思います。

  17. マイクロ資料を見る機会を増やして欲しい。

  18. 1.恒例のシンポジウムについて:個々の報告水準は高いがシンポとしての統一視点が弱い。(オーケストラとしての効果がない)政策提言が出来る程のまとまりが欲しい。各分野の専門家の総合力が発揮できなければ共同シンポの意味がない。
    2.シンポの人選には、世界、国内の(テーマに沿った)専門家を広く且つ厳選して招待すべきだ。
    3.シンポの報告には報告本文の他12枚程度のコンパクトな要旨を添えることが望ましい。
    4.図書収集の柱の1つとして日本人の書いたスラブ関係書は最大もらさず収集する方針を立てて欲しい。(以前にはあった)
    5.研究活動、研究業績を国外知らせる活動(刊行物の英語・ロシア語化)が必要。そのためにネイティブと言語整修契約ができないだろうか。
    6.全国共同利用センターとしての役割の強化をお願いしたい。
    7.ホームページに投書欄を設置して下さい。

  19. いろいろと注文をつけましたが悪しからず(他意はありません)。激動の時代、激務をこなして下さい。ご健闘を祈る。

  20. 21世紀の日本は、人口の半減、高齢化、環境コストの増大、財政危機などから接続的低成長の社会発展の道を歩まざるを得ず、経済、社会、産業のあらゆる分野で人間の創造力、??の役割が増大する。従ってこれまで以上に、人間の??、人材養成、人間発達の研究が重要課題となる。生涯学習社会はその一つである。市場化の旧ソ連、東欧も同じである。人間発達、教育学の分野を飛躍的に重視すべきである。また、人間の宗教、民族へのかかわりも一層多面的に研究されるべきである。

  21. 冬期シンポジウムの日程、考えていただけるとありがたい。入試、学年試験などの業務と重なると出席困難ですので。

  22. センターはスラブおよび中東欧地域の研究に特化していますが、これは稀にみる研究条件(良好な)にあり今後とも全国の研究仲間に開放的に対処していただくことを希望します。

  23. 1.教育面で、ロシア・東欧関係の研究者の育成に踏み切ったらよいと思います。そのためにはまず教育設備の充実を始め、センターの存在と活動をもっと効果的に周知させる方策を探るべきでしょう。
    2.私の不勉強でしょうか、センターの購入されている定期刊行物の全国の研究者による活用の方法で何かもっと良いものはないでしょうか。たとえば、特集号でも出ればそれをニューズレターにのせるなど。
    3.ニューズレターは創刊号から同じ体裁ですが、このあたりで紙面の一新を図ってはどうでしょうか。

  24. 少ない人員で非常に立派な活動をされている。

  25. 1)国際化の推進。(2)資料・文献の一層の充実。(3)研究支援体制の充実。

  26. ソ連があるときは raison d’etre が大いにあったが、現在、見直すべきなのかもしれない。あえて日本が広大にしてややあいまいな「スラブ」センターをもつ必要があるのかどうか。この問題は、わが国の研究所、センターだけに問われているのではない。総合大学の研究組織にとっても、そのあり方の当否、適不適としても問われている。全国的な議論すべきときである。

<その他の研究者の回答>

  1. 鈴川の制度は大変素晴らしいものですが、(当然こととは言え)北大生自体は対象となりません。結果、北大生はバイト君としてスラ研とかかわりを持つという構造になってしまっているのは見てて歯がゆいものがあります北大の子たちはもっとガツガツと資料をあさりに行くべきです。清水君、小林英夫みたいな学者になって下さい。

  2. 1)類似のセンターとして東南アジア研究センター(東大)がありますが、そこでは現地に連絡事務所を置くなりして、現地で活発な調査活動をやってきました(現在は以前ほど活発ではないかもしれませんが)。貴センターも、モスクワとブダペストにいずれは同種のオフィスをおくことを目標にするように、日本と研究対象地域との密な関係を築いていただきたい。2)そのためには若い研究者を養成したり組織したりするような教育研究活動が必要だと思われる。(上記設問83)そのために現有スタッフが「乏しい」というのであれば欧米から優秀な教授を招き、一年間集中的に教育させるというのは如何?欧米に留学させるのも効率的かもしれない。

  3. 私は中国経済を専攻しているため、貴センターとはあまり関係ないと思っていました。今回お送りいただいた参考資料をみて貴センターの活動内容を初めて知った次第です。アンケートの送付先には私のように中国関係やスラブ地域とは直接関係のない専門家もかなり入っているのではないかと思います。

  4. 今後、シンポ関係について連絡してほしい。毎回出席でき??ますが。ドイツの研究所を利用しなくても良い体制をととのえていただきたい。??研究者へのサービスを良くしてほしい。?新刊図書名くらいはインタネットにのせてほしい。「スラブ研究」は専ら、上京の折東大文献センターで見せてもらっておりますが私が所属する??大学付属図書館に??郵送してほしい。現在のところ貴研究所は小生にとっては遠いところ??が、これからはもっと利用させてほしい研究所である。

  5. 1)市場経済移行国への「知的貢献」を担う研究者のあいだで未熟なロシアをほんろうしてきたIMF的な対応に対する批判やチェックが甘かったのではないか。より自立的・批判的であるがゆえに建設的でもあるようなアプローチが求められる。(2)ロシア極東部との学術交流をより意識的に?する必要があるのではないか。先方の研究水準が必ずしも高くないことは消極さの理由にあるとすれば、「国際的に高い水準」の内実とは何かが問題となる。

  6. 文学・語学系が低迷しているので、改善・充実をはかってほしい。

  7. 研究会などには招待される研究者は国内ではあまりかたよることなく、とくに地方の研究者に注意を払って、多様な人たちが交流できる場として下さい。

  8. 1)当方は地方の小公立大に所属しておりますので、センターの情報を得ることが困難です。そこで“news letter”方式での情報提供や「スラブ研究」の販売等も考えていただきたいと存じます。このための費用等については「センター利用会員」のような制度を設けてはいかがでしょうか。(2)センター資料収集について希望を述べさせていただきます。センターは当方の見るところでは収集の中心を長年にわたり、ロシア(特にヨーロッパロシア)や中・東欧諸地域においておると思われます。しかし、帝政ロシアや旧ソ連邦の領域内で大きな部分を占めるシベリア・極東、さらには太平洋対岸アラスカ(帝政ロシア時代のロシア領アメリカ)についての資料収集は不足を否めぬように思われます。この地域は歴史的に日本と密接な関係を有していることから考えても「日本に存在するスラブセンター」として、今後ぜひこの地域にも資料収集の重点を置いていただきたいと思います。また、その際にこれらの地域の地方都市の出版物やアルヒーフの所蔵資料を重視して下さい。

  9. 柔軟でもっと開かれた組織運営を!他の研究機関および研究者との連けい、情報交換(国内ばかりでなく諸外国とも)を強化し、文字通り日本におけるスラブ研究の≪センター≫になって欲しい。

  10. 今回配布していただいた参考資料によると、貴センターの活動状況がよく分かって大変有益でした。しかし一般にはまだ、ニュースレターの発行、各資料館や文書館との接触、交流について一層のご尽力をお願い致します。

  11. スラブ研究センターとは言うものの、スラブ文化と深く関係するインド・ヨーロッパ学の研究(e.g.アルメニア学)の統合?が全くなされていない。印欧言語学の観点からもサタム系の??研究等、今後はたして研究面での充実をはかってゆく意思があるのかどうか疑わしいと言わざるを得ない。

  12. 度々ご連絡いただき恐縮しています。小生大分以前にポーランドの哲学者アダム・シャワの著書を2冊ほど翻訳出版しましただけで貴研究センターに関わるような研究活動もしてきませんので、貴センターの名簿に登録されるようなことはありません。その上、現在は平成元年の3月にA大学を定年退官し、現在では無職で気儘な毎日を送っておりまして御期待に頂くようなことは何一つありません。どうか名簿から削除していただきたく存じます。貴センターの今後ますます発展されますよう願っております。