ITP International Training Program



日中韓共催のスラブ・ユーラシア研究東アジア学会(ソウル大学)で3若手研究者が報告

(2008年2月21-22日)


 例年、ソウル大学のロシア東欧ユーラシア研究所(IREEES)と SRCは、ソウル大と北大が持ち回りで開催する大学共催シンポジウムの一環として、2つ程度のパネルを組織してきました。しかし今回については、SRCは新学術領域研究「ユーラシア地域大国の比較研究」への準備企画としてこれを位置づけ、The Impact of Russia's Resurgence on Eurasia and Northeast Asia と題して大規模に開催しました。SRCは、北海道大学重点配分経費を用いて中国からも研究者(中国のスラブ学会の会長と副会長)を招きました。4セッションと1ラウンドテーブルが開催され、日本から7名、韓国から65名、中国から2名が参加しました。日本側からは、古参組のデヴィッド・ウルフ、松里公孝、また近年活躍著しい伊藤庄一と並んで、越野剛、麻田雅文、左近幸村のような若手研究者が報告しました。[→プログラム(PDFファイル)


 この3名は、この催しの直後に発足したITP事業でも中心的なメンバーとなりました。また、ここで報告された越野氏のペーパーは Acta Slavica Iaponica にすでに採択され、麻田氏のペーパーは欧米のある雑誌で査読・書き直し中です。掲載された場合には、本ホームページ上で体験談を書いてくれるでしょう。


 なお、日本が東アジア・レベルの研究者コミュニティを、第一義的には若手研究者の修練の場ととらえるのに対し、韓国は主要な研究者を投入しました。両国の間で報告者のバランスをやや欠くかなと心配したのですが、意外にも、「日本では大学院生の頃から国際的な発表のチャンスを与えるのか」と感心されました。といっても、韓国は地域研究の大学院教育を欧米にほぼ丸投げしているので、その意味では院生に外国語での報告を義務付けているわけですが。


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