スラブ研究センターニュース 季刊 2008 年冬号 No.112 index

図書室だより


 チェコ文学コレクションの美術的側面

昨年1月末から2月初めにかけて、神奈川県立近代美術館学芸員の籾山昌夫氏が図書室を 訪問し、センター図書室が1992 年度に購入したチェコ文学コレクションの美術的な側面につ いて調査をされたが、最近、その結果を「北海道大学スラブ研究センター所蔵チェコ文学コ レクションの装丁作品について : 神奈川県立近代美術館における展覧会『チャペク兄弟とチェ コ・アヴァンギャルド』後の追跡調査研究」と題して『神奈川県博物館協会会報』第79 号(2007 年12 月)に発表されたので、紹介させていただきたい。

当該コレクションは、全883 点からなり、チェコスロヴァキアの独立から第二次世界大戦 の終結までに出版された文芸作品が過半を占めるが、20 世紀のチェコ装丁史を跡づけるのに よい材料が多く含まれ、たとえば、作家カレル・チャペクの兄ヨゼフ・チャペク(1887-1945) の手になる装丁は、39 点を数えるとのことである。

本センターの蔵書について、図書館員ではなかなか手を付けがたい面からの調査をしてく ださったということで、籾山さんには感謝申し上げたい。

ホームページで画像資料展示

センター図書室のホームページ整備の一環として、昨年末よりここに「ギャラリー」を設け、 スラブ研の所蔵する画像資料の一部を掲載するようになったことをご案内申し上げる。

歴史的な資料を所蔵する図書館では、絵画、写真、絵図、地図等、画像資料への需要が高 く、目録等が整備されると、相当の利用があることが経験されているが、図版入り目録の編集・ 刊行は相当の労力と資金を要するものである。しかし、最近のデジタル・カメラの普及とイ ンターネット環境の高速化により、かなり高精細のカラー画像を掲載したホームページを容 易に作成できるようになった。

今回、ここに収録したのは、2002 年以後順次購入してきた日露戦争捕虜収容所関係資料に 含まれる絵葉書帖、写真帖、およびこれとは別個の満州関係の絵葉書セット2点であるが、 今後、機会を見て、電子展示をさらに充実させたいと考えている。

なお、日露戦争捕虜収容所関係資料については、センターニュース95 号(2003.10)を参 照いただきたい。また、捕虜収容所関係絵葉書帖については、この7月に刊行予定の『アジ ア遊学』誌上のコラムでも紹介させていただく予定である。

URL: http://www.lib.hokudai.ac.jp/faculties/slv/gall/menu.html

センターの耐震改修に伴う一時的移転について

スラブ研究センターの建物の耐震改修工事は、2007 年度補正予算に盛り込まれ、成立した。

これによって、平成20 年度中にセンターの建物の改修工事が実施されるが、工事期間中は 建物を使用できないため、しばらくの間、キャンパス内のどこかに間借りさせていただき、 暫定的な体制で業務をおこなうこととなる。

先日、施設部より、改修工事について説明があった。具体的な工期や移転先等が決まるの はまだもう少し先のようである。今後、明らかになり次第、本紙あるいはホームページ等で 広報したいが、資料によっては、一時提供できなくなるものも生じるおそれがあるので、特に、 本年7月以降に図書室をご利用の際には、ご注意いただきたい。

[兎内]


→続きを読む
スラブ研究センターニュース No.112 index