スラブ研究センターニュース 季刊 2008 年春号 No.113 index

研究の最前線


半谷史郎(第1 期ITP フェロー、ハーヴァード大学に派遣)

今回の英語合宿は、結論から言えば、私の英語能力の改善にとって大いに役立ちました。 このような取り組みは、若手研究者にとって有益なのは間違いなく、今後も継続して開催し ていくべきだと思います。

私が英語合宿に参加した一番の理由は、英語の能動的な運用力を高めたいと考えたからで す。私が英語を使う場面といえば、もっぱら原書を読むことに限られます。一度、スラブ研 究センターの国際シンポジウムで英語で発表した経験がありますが、四苦八苦した苦い思い 出しかありません。口頭発表や質疑応答といった英語の能動的な運用力を身につける必要性 を、この時ひしひしと感じましたが、では何をしたらよいかという具体的な方法は思いつかず、 何もしないままでした。そこにこの話があり、参加を決めたわけです。

英語の能動的な運用力という点では、私は今回の参加者の中で、下から数えた方が早かっ たと自分では思っています。このため、合宿の最初の数日間は、かなりストレスを感じました。 回りがペラペラとしゃべっているのに、私の口からはポツリポツリとしか言葉が出ないもど かしさです。二日目の午後に、能力別と思しきクラス編成があり、できない人ばかりを集め て、下手くそでも間違っていてもいいから、とにかくしゃべり続けるという授業がありました。 この授業で、英語をしゃべれないという心理的な壁を打ち破れたことで、なんとか合宿につ いていくことができたと思っています。最初の壁を乗り越えた後は、とにかく回数をこなし 場数を踏むこと(クイズ形式に近い会話の授業、本の紹介、自由発表、模擬シンポ)で自然 と自信も生まれてきました。この自信こそ、今回の合宿で得られた最大の成果です。


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