スラブ研究センターニュース 季刊 2008 年春号 No.113 index

研究の最前線


韓国におけるウクライナ・ベラルーシ研究を発展させるために
韓国外国語大代表団の訪問(4 月21 日)

韓国外国語大学ロシア研究所は、2007 ~ 09 年度に、ウクライナとベラルーシの研究を促 進するためのプロジェクトを展開していますが、その一環として、日本のウクライナ・ベラルー シ研究の状況を視察するために、Hong Wan Suk 所長のほかHong Sog、Park Joung、Hyun Seung Soo 研究員が4 月21 日(月)にSRC を訪問しました。橋渡しをしたのは、東大の総 合文化においてチェチェン問題で学位をとったHyun 氏です。SRC のシニアから家田、田畑、 松里が、若手から藤森、越野、佐藤圭史が出席し、2 時間にわたって懇談がおこなわれまし た。このうち、家田氏は、ウクライナのハンガリー人マイノリティー問題を通じてウクライ ナという空間の跨境性について考える報告をおこない、藤森氏と越野氏は、それぞれ日本に おけるウクライナとベラルーシの研究史を時期区分・類型化しながら紹介しました。佐藤氏は、 EU とCIS のボーダー上で生起してきた地域紛争、マイノリティー問題について報告しました。 韓国のウクライナ・ベラルーシ研究は生まれたばかりで、ディアスポラ的な伝統に沿ってナ ショナル・ヒストリーを当面やってみようかという水準だと思います。こうした中で、ウク ライナやベラルーシのむしろ跨境性に注目するSRC の研究伝統は新鮮に映ったようです。日 本の若手研究者の優秀さと、またそれだけ優秀でも定職がない現状は、韓国の同僚を驚かせ ていました。

[松里]

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