スラブ研究センターニュース 季刊 2008 年春号 No.113 index

編集室だより


◆スラヴ研究◆

『スラヴ研究』第 55 号は、間もなく刊行される予定です。内容についてはニュース前号を ご参照ください。

次の第56 号(2009 年春刊行予定)の原稿締切は8 月末です。センターのホームページに 掲載されている投稿規程・執筆要領等を熟読のうえ、締切厳守でご提出ください(事前申し 込みは不要です)。投稿規程等のハードコピーが必要な方は大須賀までご連絡ください。

[宇山]

◆Slavic Eurasian Studies No. 17 
Beyond the Empire: Images of Russia in the Eurasian Cultural Context の刊行◆

SES シリーズ第17 巻Beyond the Empire: Images of Russia in the Eurasian Cultural Context が3 月末に発行さ れました。2006 年度冬期国際シンポジウムの成果を基 にした、ロシア・イメージに関する文化学の諸ジャンル からの議論を集めたもの。自己イメージと他者イメージ、 ロシアにおけるオリエンタリズムとポストコロニアリズ ム、国外におけるロシアイメージ、文学におけるイメー ジ加工といった章編成で、7 ヵ国の筆者による21 の論 文(ロシア語・英語)が収録されています。掲載論文はこちら のページをご参照くださ い。

[望月]

◆Slavic Eurasian Studies No. 18 
Приднестровье в макрорегиональном контексте черноморского побережья の刊行◆

スラブ・ユーラシア研究(SES)シリーズの棹尾を飾 る第18 巻『環黒海のマクロリージョナルな文脈におけ るプリドニエストル』(露語論文集)が公刊されました。 非承認国家と旧宗主国間の対立、またはロシアと欧州大 西洋勢力の対抗の中で理解されがちなこの地域を、より 多面的な地理的文脈の中に置こうとする試みです。プリ ドニエストルとモルドヴァはもとより、ウクライナ、ド イツ、日本の研究者(六鹿茂夫教授と松里)が寄稿して います。掲載論文はこちらのページを ご参照ください。

[松里]

◆ 21 世紀COE 研究報告集 23 号の刊行◆

21 世紀COE 研究報告集No. 23『文化研究と越境:19 世紀ロシアを中心に』が発行されま した。2007 年3 月に「スラブ・ユーラシアにおける東西文化の対話と対抗のパラダイム」(科 学研究費基盤研究A)、「19 世紀研究会」、「越境と多文化」(日本学術振興会人文社会科学振 興プロジェクトV-1、第2 グループ)という3 研究集団の合同で行われた同名の研究会の成 果を集めたもので、「文化」「国家」「テクスト」といった概念をめぐる12 編の意欲的な論考 を収録しています。内容はこちらのページを ご参照ください。

[望月]

◆ 21 世紀COE 研究報告集 24 号の刊行◆

21 世紀COE 研究報告集No. 24『中世ロシアの法と社会』が発行されました。 内容はこちらのページを ご参照ください。

[編集部]

◆ 21 世紀COE 研究報告集 25 号の刊行◆

21 世紀COE 研究報告集No. 25『プラトンとロシア III』が発行されました。ロシアは、常 に西欧文化を意識しながら、独自の文化的アイデンティティーを模索してきました。プラト ンという作家・哲学者は、西欧文化の根本でありながらも、ロシアは彼を独自に受容してい るという意識を持つことが出来た不思議な存在でした。この意識は、歴史的に事実に即して いるのかは別にして、ロシア文化が構築される際に、大きな役割を果たしていました。この 第3 集では、まず宗教教育におけるプラトンの扱われ方が、1814 年の宗教学校規則を中心と して分析され ます。さらにロシア正教会がプラトンをどのように自分たちの宗教哲学と適合 させたのかが提示されます。そして古典的スラヴ主義者であり、 愛智会とも関係を持ってい たキレーエフスキーが、いかにしてシェリングとプラトンを区分し、全一性概念により、ロ シア正教思想の歴史的根源をプラトンに結びつけていくのかが分析されます。他方、20 世紀 初頭のロシアにおけるプラトン理解としてセルゲイ・トゥルベツコーイとエルンのプラトン 論が研究されます。とくに後者は、ロシア文化におけるプラトン的伝統を強烈に主張した人 物であり、彼の未完に終わった論文「プラトン最高の解脱」が精密に検討されています。第 1 集、第2 集と併せてお読み頂ければ幸いです。 内容はこちらのページを ご参照ください。

[根村]


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