スラブ研究センターニュース 季刊 2010 年冬号 No.120 index

研究の最前線


ペナティ氏の滞在

イタリア人の歴史研究者ベアトリーチェ・ペナティ(Beatrice Penati)氏が、2009 年10 月 4 日から2 年間の予定で、日本学術振興会外国人特別研究員としてセンターに滞在しています。 「ウズベキスタンにおける土地水利改革:集団化以前の農村社会のソヴィエト化」をテーマに、 1920 年代の社会経済史を研究しているほか、その前史にあたるロシア帝政期中央アジアの土 地調査や税制についても論文を書いています。また、2004 年に提出した修士論文ではタジキ スタンでのバスマチ運動(反ソ闘争)を、2008 年に提出した博士論文ではヨーロッパにおけ るロシア・ムスリム亡命者の運動を扱うなど、非常に関心が広く、しかもすべてのテーマに ついて一次史料に基づく緻密な研究をしています。

現在は、ヨーロッパの研究機関よりも豊富な蔵書のあるセンターの環境を気に入って意欲 的に研究を進めており、既に大学院の授業で現在の研究テーマについて、セミナーで博論の テーマについて報告をされました。特に後者では、戦間期日本のムスリム亡命者政策とヨー ロッパ諸国のそれとの違いなどについて、興味深い議論がなされました。ペナティさんは今後、 さらに多くの日本人研究者との交流を望んでおられますので、関心のある方はご連絡くださ い。

[宇山]

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