スラブ研究センターニュース 季刊 2010 年夏号 No.122 index

研究の最前線


黒龍江省社会科学院との学術交流協定

6 月14 日にハルビンにおいてセンターと黒龍江省社会科学院との間の学術交流協定の調印 がおこなわれました。センターは、 低温科学研究所などとともに環オ ホーツク海環境研究を推進してい るなかで、黒龍江省社会科学院と の協力関係がこの数年進展しまし た。とくに、2009 年11 月には、オ ホーツク海の環境保全に向けた国 際シンポジウムの開催に合わせて、 同院院長(党委書記)を団長とす る6 名の代表団がスラブ研究セン ターを訪問した際に、本協定の締 結について最終的な話し合いがお こなわれました。協定の調印式は、 6 月14 日に黒龍江省社会科学院主 催の第3 回東北アジア地域協力発展国際フォーラムにセンター長代理として田畑が出席した 際に執りおこなわれました。この協定には、研究者の交換、共同研究の促進、研究会の開催、 学術情報の交換などが盛り込まれています。

調印を終えて,曲偉院長と握手
調印を終えて,曲偉院長と握手

黒龍江省社会科学院は、黒龍江省人民政府のシンクタンクとして大きな役割を果たしてい ます。同院には10 の研究所と1つのセンターがあり、研究員は約210 人です。スラブ研究セ ンターととくに関係が深いのは、東北アジア研究所とロシア研究所です。とくに、東北アジ ア研究所の笪志剛副所長が、2009 年11 月に設立されたアムール・オホーツクコンソーシア ムの中国代表の幹事となったことから、環オホーツク海環境研究において同院との一層密接 な研究協力が予定されています。さらに、現在、センターで実施されている2 つの大型プロジェ クト(新学術領域研究「ユーラシア地域大国の比較研究」とグローバルCOE「境界研究の拠 点形成:スラブ・ユーラシアと世界」)に関連して、黒龍江省でフィールドワークをおこなう ことが見込まれており、それに対する同院の協力も約束されています。同院東北アジア研究 所には、昨年、センターの大学院(文学研究科スラブ社会文化論)を修了した封安全さんも 勤務しており、今後の研究協力関係の一層の深化が期待されます。

[田畑]

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