スラブ研究センターニュース 季刊 2011 年春号No.125 index

研究の最前線

◆ 公開講座 ◆    《スラブ・ユーラシアで躍動する人々》  開講中

 ロシアの歴史は、移動する人間の軌跡です。しかし、ロシア人だけが広大な空間を占有すべく動いていたのではありません。過去500 年、ユーラシア大陸の中心部で国家を建設する中でロシア人は、様々な移動する民族に遭遇し、彼らに頼り、ある時には競合してきました。また、周辺の民族も ロシア人の作り出した空間に躍動の機会を見出してきました。さらに、これらの人々は様々な理由で国境を越え、個々の経験に基づく様々なロシア像を世界各地 に広めてきました。
 今年のスラブ研究センターの公開講座は、ロシア史を彩る7 つの民族を取り上げて、私たち日本人のロシア観が、ロシアの持つ多様な顔の一部に基づいているにすぎないことを理解していただくことをめざしております。
 今回は、新学術領域研究「ユーラシア地域大国の比較研究」の第5 班「国家の輪郭と越境」
との共催ともなっています。

[長縄]

日  程 講 義 題 目 講   師
 第1回 5月9日(月)
ロシア人:歴史における拡張と統合
静岡県立大学国際関係学部
教授  西山克典
第2回 5月13日(金)
アルメニア人:文明の潮目で
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所
研究員  吉村貴之
第3回 5月16日(月)
ドイツ人:二度の大戦に翻弄された人たち
愛知県立大学外国語学部
講師  半谷史郎
第4回 5月20日(金)
ユダヤ人:共存と排除の200 年
立教大学文学部
特任教授  高尾千津子
第5回 5月23日(月)
タタール人:祖国とイスラーム世界の狭間で
北海道大学スラブ研究センター
准教授  長縄宣博
第6回 5月27日(金)
中国人:脅威と共生の間で
富山大学極東地域研究センター
教授  堀江典生
第7回 5月30日(月)
日本人:ロシア極東における戦争と水産業
北海道大学スラブ研究センター
准教授  神長英輔


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