スラブ研究センターニュース 季刊 2011 年春号No.125 index

編集室だより 


スラブ・ユーラシア叢書第9 巻の刊行

 
『ポスト社会主義期の政治と経 済:旧ソ連・中東欧の比較』(仙石学・林忠行編著)が北大出版会から「スラブ・ユーラシア叢書」シリーズの一つとして刊行されました。内容は以下のとおり です。
 仙石学・林忠行  序章:体制転換を理解する:政治比較の視点から
 第1部:制度構築・再編の比較分析
  平田武
   「歴史の遺産」とその影響:旧東欧諸国における政治発展と制度選択・デモクラシー
  林忠行
   ポスト共産期の東中欧諸国の地方制度改革:広域自治体設置問題をめぐって
  大串敦
   ソ連共産党中央委員会からロシア大統領府へ:ロシアにおける半大統領制の発展
ポスト社会主義期の政治と経済
 第2部:政党シス テム形成の比較分析
  中田瑞穂
   政党戦略と政党間競合:東中欧政党システムにおける二極競合化?
  久保慶一
   旧ユーゴスラビア諸国の政党システム:専門家サーベイの結果に基づく政党の「政策位置」の測定
  溝口修平
   政党システムの分岐点:ロシア、ウクライナにおける政治エリートの連合再編過程の比較分析
  小森宏美
   エストニアとラトヴィアの政党政治比較:歴史的要因としてのロシア語系住民問題を軸に
 第3部:比較政治経済の視点から
  上垣彰
   東欧における経済的後進性について:ルーマニアおよびブルガリアを例として
  仙石学
   ポスト社会主義の中東欧諸国における福祉制度の多様性:あるいは「体制転換研究」と「福祉政治研究」の架橋の試み
  田畑伸一郎
   ロシア財政制度の資本主義化
 仙石学 終章:体制転換研究の意義:研究の成果と残された課題

『スラヴ研究』

 『スラヴ研究』第58 号は、審査の結果、以下の原稿を掲載することになりました(掲載順は未定)。こちらの事情で編集作業が遅れております。早期に出版できるように鋭意努力し てまいります。ご迷惑をおかけいたします。
<論文>
秋山徹 「クルグズ遊牧社会におけるロシア統治の展開:統治の仲介者としてのマナプの位置づけを中心に」
安達大輔 「ゴーゴリ『友人たちとの文通からの抜粋箇所』における反省の展開」
貝澤哉 「詩的言語における身体の問題:ロシア・フォルマリズムの詩学をめぐって」
志田仁完 「ソ連構成共和国における第二経済、1969-1988 年:アーカイブ資料に基づく新推計」
下里俊行 「あるロシア正教神学生の自己形成史:ニコライ・ナデージュヂンの出会いと読書」
福嶋千穂 「近世ポーランド・リトアニア共和国におけるルテニア: 教会合同問題にみる諸階層」
三谷惠子 「南モラヴィアのクロアチア語:言語の維持と社会的背景に関する一考察」
<研究ノート>
斎藤祥平 「オルタナティブとしてのユーラシア主義:言語学者N.S. トルベツコイによるソ連とナチスへの思想的反応」

今回は、個別の切り口から大きな問題に挑む重厚な力作が揃いました。丁寧な査読をしてくださったレフェリーの皆様に御礼を申し上げます。残念ながら不採用 となった方も、次回以降ぜひ再挑戦して下さい。 次の第59 号の原稿締め切りは、2011 年8 月末の予定です。セ
ンターのホームページに掲載されている投稿規程・執筆要領等を熟読のうえ、締切厳守でご提出ください(事前申し込みは不要です)。

[長縄]

ACTA SLAVICA IAPONICA

 第30 号の掲載論文は以下の4 本に決まりました(順不同)。ただいま編集中で、今年夏の発行を目指します。
Pami Aalto The Emerging New Energy Agenda and Russia: Implications for Russia’s Role as a Major Supplier to the EU
Baryshev Eduard The General Hermonius Mission to Japan (August 1914 – March 1915) and the Issue of Armaments Supply in Russo-Japanese Relations during the First World War
KIKUTA Haruka Ruh or Spirits of the Deceased as Mediators in Islamic Belief: The Case of a Town in
Uzbekistan
Yulia Mikhailova Japan and Russian-Japanese Relations in Representation of Russian Newspapers:1906-1910

 第31 号の投稿に対する査読はただいま最終段階で、まもなく掲載論文を確定する予定です。今年末ごろの発行を目標にしております。また、第32 号の投稿締め切りは 2011 年7 月15 日です。積極的な投稿をお待ちしています。
[松里]


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