スラブ研究センターニュース 季刊 2012 年夏号No.130 index

グローバルCOE   グローバルCOE

◆ 第7期博物館展示開始 ◆

サーミの民族衣装
セミナーの模様
 GCOE プログラム「境界研究の拠点形成」は、北大博物館における企画展示を通じて、境界問題を視覚を通じて社会に広く発信していますが、5 月25 日からは、第7期展示「北極圏のコミュニケーション:境界を越えるサーミ」が始まりました。
 先住民族としてEU から公式に認定されているサーミ人は、伝統的居住地をノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアの4 ヵ国の国境によって分断されています。展示では、フィンランド北部に暮らす3 つのサーミ集団(北サーミ、イナリ・サーミ、スコルト・サーミ)に焦点をあて、その歴史や生活文化をご紹介いたします。先住民問題としてアイヌとの共通点があり、また、折からフィンランドセンターが北大キャンパス内に置かれたこと等、本展示の道内での開催は時宜にかなったものと言えましょう。
 本展示と連動した連続市民セミナーも開講中です。展示、セミナーとも無料でどなたでも自由に参加いただけます。
[藤森]


市民セミナー開講日程
・5 月26 日(土) 「フィンランドにおけるサーミ文化の現状」
タルモ・ヨンパネン(Tarmo Jomppanen、シーダ博物館長)
・6 月16 日(土) 「サーミとアイヌの交流:1980’s 幕開けとその意義」
井口光雄(北海道フィンランド協会会長)、中村齋(アイヌ民族博物館元館長)
・8 月18 日(土) 「映像を通じてみるサーミの文化(1)」
橋本晴子(スノーコレクティブ代表)
・9 月15 日(土) 「スコルト・サーミが抱える政治・教育の課題と挑戦(通訳付)」
ヴェイコ・フョードルフ(スコルトサーミ評議会代表)
・10 月20 日(土) 「サーミの人々との交流を通じて」
川上将史(財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構)
・11 月17 日(土) 「映像を通じてみるサーミの文化(2)」
橋本晴子(スノーコレクティブ代表)
・12 月15 日(土) 「サーミ展示:境界を越える学術・文化交流の創出」
マルティナ・テュリセヴァ(フィンランドセンター北海道事務所所長)


グローバルCOE   グローバルCOE

◆ 第3回サマースクール・プログラムの開催 ◆

 北大GCOE「境界研究の拠点形成」は、若手研究者の育成・教育と国際化を目的の一つに 掲げており、毎夏、短期集中の教育プログラムを実施しています。本年度も、7 月31 日~ 8 月7 日にわたり、「アジアの境界:中央アジア・東南アジア・日本・韓国」と題した教育プロ グラムをスラブ研究センターでおこないました。履修者は、国籍ベースで、ロシア、カザフ スタン、中国、インド、フィンランド、ルーマニア、シンガポール、フランス、日本と9 ヵ 国に及び、連日、講師との間で英語による活発な質疑がおこなわれました。特に、日本の境 界問題に関し、講義日が2 日にわたり組まれ、履修者の強い関心を引きました。本サマースクー ルを通じ、境界研究ネットワークが海外若手研究者の間にも一層拡充されることになります。 併せて、査読誌Eurasian Border Review への投稿も期待されます。
[藤森]
サマースクールに参加した方々

グローバルCOE   グローバルCOE

◆ Eurasia Border Review 特別号の刊行  ◆

 GCOE プログラム「境界研究の拠点形成」の英文誌Eurasia Border Review で特別号“China’s Post-Revolutionary Borders: 1940s-1960s” が発行されました。この特別号では、現在ユーラシア冷戦史のプ ロジェクトを進めているウルフ氏(センター)が編者を担当して おり、冷戦期における中国国境に焦点を当てた7 本の論考が収め られています。GCOE のホームページからダウンロードして読むことできます。 http://borderstudies.jp/achievements/public3/ebrs.htm
[福田]
 

→続きを読む
スラブ研究センターニュース No.130 index