研 究 の 最 前 線

◆ 1996年度冬期研究報告会プログラム 

1月30日から2月1日にかけて、今年度の冬期研究報告会および重点領域研究関係の催しが、下記のようにおこなわれます。皆様の積極的なご参加を歓迎いたします。

お問い合わせはセンター望月哲男または矢田部順二まで。[望月]



プログラムの内容(下線部をクリックして下さい)


◆本年3月に北東アジアの天然ガス開発に関するワークショップ開催

アジアが経済の成長センターとして注目されるなか、エネルギーの供給源として、 最近、北東アジアの石油・天然ガス資源が世界的に注目去れ始めています。すでに、 昨年春からはサハリン大陸棚の石油・天然ガス開発が本格的に始動しており、東シベ リアのイルクーツク州から北京にパイプラインで天然ガスを供給しようという計画も 具体化しつつあります。

このような情況のなかで、世界的に名高い英国の王立国際問題研究所エネルギー・ 環境プログラムは札幌で “Natural Gas Options in North East Asia” と題するワークショップを企画し、当センターがそのホスト役をつとめること となりました。英国、ロシア、中国、韓国、米国および日本から約50名の参加が見 込まれており、北大総長も開会スピーチをおこなうことに なっています。

なお、このワークショップは率直な意見交換をおこなうために非公開になっております 。問い合わせは村上(電話:011-706-3788 E-mail:murakami@slav.hokudai.ac.jp)まで。[村上]

日時:1997年3月17〜18日の2日間
場所:札幌市中央区北3条西7丁目(社)北方圏センター国際会議場
電話:011-221-7840
参加資格:招待者のみ


◆ 1997年度鈴川基金奨励研究員の募集(予告) 

鈴川基金奨励研究員の制度は、鈴川正久氏のご寄付により、1987年から始まりました。毎年、スラブ・ユーラシア関係の若手研究者がこの制度を利用してセンターに滞在し、センター及び北大図書館所蔵の文献資料の利用、センターで開催されるシンポジウム・研究会への参加、センターのスタッフとの意見交換などをおこない、大きな成果を挙げています。

かつては1年に10人前後の奨励研究員をお迎えした時期もありましたが、金利の低下により、ここ数年は5人ほどの採用となっております。1997年度は、超々低金利とでも呼ぶべき状況の中で、基金の元本以外の部分がほとんど枯渇し、採用人数をますます絞り込まなければならない可能性が予想されます。この制度が、若手研究者にとってもセンターにとっても非常に重要であるという位置づけには変わりないのですが。

助成対象者は原則として博士課程の大学院生で、助成期間は1週間以上3週間以内です。募集の開始は2月中頃、締切は4月末を予定しています。募集要項・応募用紙をご希望の方は、センターにお申し込み下さい。[宇山]


◆ COE外国人研究員

COE外国人研究員として来札中のセルゲイ・アルチュウノフさんは、モスクワのロシア科学アカデミー民族学研究所カフカズ研究部門部長で、1932年トビリシ生まれのアルメニア人です。モスクワ大学東洋語学院で日本語を専攻したのち、民族学研究所に勤務されて現在にいたっています。奇しくも東洋語学院では、シモニアさんと同期生であられました。日本学者として出発されたアルチュウノフさんは1960年に初来日、札幌にも滞在してアイヌ研究に従事された後、アジア・エスキモーの発掘調査に専念して多くの著作を発表されました。やがて生まれ故郷のカフカズも研究領域に加えて、現在は文字どおりロシアにおけるカフカズ学の第一人者となられました。その間には、英独仏、日本語を駆使して、外国の人類学界との架け橋の役も果たしてこられました。と同時に、内外のさまざまな論争では人類学者として積極的に発言する理論家でもあられます。代表作は『民族と文化:発展と相互関係』(露文、1989)です。邦訳された著書に『北極圏に生きる』(国際文化出版社、1989)があります。センター滞在中の研究テーマは、ロシアと日本における少数民族文化復興運動の比較です。

なお、アルチュウノフ夫人のナタリヤ・ジュウコフスカヤさんも、同じく民族学研究所で外国アジア研究部門部長を務めておられ、モンゴル、ブリヤート、カルムイクなど、モンゴル系諸民族の研究に長らく従事してこられた民族学者であられます。したがってセンターは目下、モスクワの研究所の一部が暫時移転してきたかの観を呈しています。アルチュウノフ夫妻は1997年3月末まで滞在の予定ですので、御夫妻との研究交流に関心のある方は、センターまで御連絡ください。[井上]

◆ 第2回ロシア東欧文献セミナーを開催 

10月26日に、早稲田大学図書館において、標記のセミナーを開催しました。

当日は、早大図書館を見学させていただいたあと、兎内が「ネットワーク時代の資源共有」、竹鼻敏治氏(北大附属図書館)が「北方資料データベースの作成」、長與進氏(早大政経学部)が「学術図書館に期待するサービス」と題して報告をおこない、質疑討論をおこないました。

兎内は、センターの収集資料の外部への貸出実績をふまえつつ、これからの資料収集の方向を大きな枠組みで考えようと試みました。竹鼻氏は、北大附属図書館北方資料室の収蔵する資料のデータベース化について報告しました。なお、このデータベースは、学術情報センターの情報検索サービスNACSIS-IRを通じて提供されている他、北大附属図書館のホームページでも実験提供中です。長與氏は、スロヴァキアの百科事典、地図、法令集、辞書、新聞など基本的参考図書、資料について概観し、自身の資料収集方法も交えつつ、図書館の収集資料について研究者としてどう感じているかについて、率直にお話しくださいました。

会は盛会で、発表、討論とも時間を超過することとなりました。

また、ちょうど早大図書館で開会中の「ブブノワ展」を参観することができたことも有意義でありました。

最後に、会場を快く提供されるなど、支援を惜しまれなかった早大図書館の関係各位に心からお礼を申し上げます。[兎内]

◆ 専任研究員セミナー 

センターでは専任研究員の研究活動が最も重視されており、各研究員が1年に1回、オリジナリティの高い論文を発表することになっています。しかし、最近研究員が雑務に追われていることや重点領域研究に多くの時間が割かれることなどから、専任研究員セミナーの開催が遅れがちで、今年も年末にセミナーが集中しました。報告者と研究報告テーマは以下の通りです。

(1)山村理人
 日 時:1996年12月18日
 テーマ:「体制転換期における土地改革と農業生産協同組合〜ロシアと東中欧諸国の比較」
 コメンテーター:柴崎嘉之氏(釧路公立大学教授)

(2)林忠行
 日 時:1996年12月19日
 テーマ:「東中欧諸国における左派政党の位置」
 コメンテーター:田口晃氏(北海道大学法学部教授)

(3)井上紘一
 日 時:1996年12月20日
 テーマ:「アルタイ地方における世直し運動」
 コメンテーター:煎本孝氏(北海道大学文学部教授)

(4)原輝之
 日 時:1996年12月20日
 テーマ:「19世紀末のロシア:極東の視点から」
 コメンテーター:秋月俊幸氏

山村研究員は近年企業の動態研究に力を入れていますが、セミナーで報告しました旧ソ連の農業問題はもともと彼の専門分野です。所有、管理形態からのアプローチは工業企業の動態研究の場合も共通のものです。最近、山村研究員は旧東欧諸国にも守備範囲を広めていますが、林研究員の報告も、従来のチェコ、スロヴァキアからハンガリー、ポーランドへと国際比較分析を取り入れております。少ない研究員ながらセンターの研究範囲がこのように広まることは大いに歓迎すべきことでしょう。

一方、井上研究員はロシアのアルタイ地方という限定された地域の問題を扱っていますが、その内容はまさに現在進められている「重点領域研究」の自存か共存かの問いでもあり、ミクロからみたマクロの姿があぶり出されている感がします。原研究員は最近では一貫して極東、とくにウラジオストクの問題を歴史的な視点に立って研究しています。この都市が日本と深い関わり合いをもっているだけに、深い研究が求められており、未知の部分の真実を明らかにするという重要な役割を担っていると思います。[村上] 

◆ 研究会活動 

ニュース67号以降の北海道スラブ研究会とセンター特別研究会の活動は以下の通りです。 [山村]

10月30日 O. セルゲーエフ(ウラジオストク歴史民族学研究所)“Kazachestvov istorii Rossii: proshloe i nastoiashchee”(特別研究会)

11月 5日 E. アニーシモフ(ロシア科学アカデミーロシア史研究所/センター外国人研究員)“Reforms by Peter I and Their Consequences for Russia”(特別研究会)N. シモニア(ロシア科学アカデミー世界経済関係研究所/センター外国人研究員)“The Development of Russia’s Statehood”(特別研究会)S. コトキン(プリンストン大/センター外国人研究員)“Comparison of 1991 and 1917: Elites and Empires”(特別研究会)

12月 4日 V. ラーリン(極東諸民族歴史・考古・民族学研究所)“Dal’nevostochnyi regionalizm serediny 90-kh godov: stimuly i prepiatstviia k uchastiiu Rossii v regional’nom vzaimodeistvii stran Vostochnoi Azii”(特別研究会)E. プラクセン(極東諸民族歴史・考古・民族学研究所)“Rossiia-Iaponiia: nekotorye problemy vzaimootnoshenii i obshchestvennoe mnenie zhitelei Primor’ia”(特別研究会)

12月11日 S. カザンツェフ(ロシア科学アカデミー・シベリア支部、経済・工業生産組織研究所)“Economic Development of Russia’s Regions”(特別研究会)

12月16日 Cs. マコー(ハンガリー科学アカデミー、社会コンフリクト研究所)“Transformation Process in Central Eastern Europe: Continuity and Changes in the Institution Building”(特別研究会)



学 界 短 信

◆ AAASS年次大会に参加して 

AAASS (米国スラブ研究促進学会)の第28回大会が11月14〜17日にボストンで開催された。筆者の知るかぎり、日本からは、秋月孝子、秋月俊幸、上垣彰、久保庭真彰、田畑伸一郎、長砂實、羽場久 子、森田憲の各氏らが参加した(五十音順)。筆者は昨年のワシントンの大会にも参加したが、経済関係のパネルについて昨年が非常に低調であった(パネルの数も参加者も少ないという意味で)のと比べると、今年はやや勢いを取り戻したように感じられた。やはり、昨年は、ワルシャワで第5回国際中東欧研究学会(ICCEES)の世界大会が開かれたことがかなり大きく影響したように思われた。

筆者は、久保庭氏の組織した “The Turning Point in Economic Growth of Russia”というパネルで、Eugenii Gavrilenkov (Higher School of Economics, Moscow)、久保庭両氏とともに報告し、上垣氏がコメンテータ役を務めた。このパネルでは司会役のVladimir Treml (Duke University) 氏やフロアーの Gregory Grossman (University of California)氏から有益なコメントが得られたことが収穫であったが、このパネルが最終日の最終時間帯に設定されたため、聴衆が寂しかったことが残念であった。

経済関係では、いくつか面白いパネルがあった。“Reflections on the Soviet Economic Experiment” と題するラウンドテーブルには、Franklyn Holtzman, Abram Bergson, Joseph Berliner, Gregory Grossman の各氏らが顔を揃え、高齢(平均年齢75才以上?)にもかかわらず、興味深い議論が展開された。これと対をなす形で、“Causes of Collapse of the Soviet System and Its Implications for Current Economic Difficulties” と題するラウンドテーブルも開かれ、こちらには、Grossman 氏のほか、Vladimir Treml, Murray Feshbach, Herbert Levine の各氏らが参加した。さらに、毎年同様の形で開かれている“Five Years After the Dissolution of the USSR”と題するラウンドテーブルでは、George Breslauer, Timothy Colton, Rovert Legvold, Herbert Levine の各氏らがパネリストとして参加し、最近の米国におけるロシア・旧ソ連政治・経済研究の到達点を垣間見せた。これらの3つのパネルは、もっとも大きな会場で開かれ、聴衆も100〜200人位集まったのではないかと思われた。聴衆のなかには、Scanlan さんや Durkin さんなど、センターにかつて滞在されたことのある人文系の研究者の顔も見られ、この大会が学際的な交流の場となっていることをあらためて印象づけられた。[田畑]

◆ 学会カレンダー 

1997年 3月27〜29日 比較経営学会第22回全国大会(中央大学於中央大学。統一論題は「移行期の企業経営とコーポレート・ガバナンス」。連絡先:大会準備委員会 〒192-03 東京都八王子市東中野742-1 中央大学商学部12階受付気付 tel 0428-74-3954 fax 0426-74-3651

6月5〜7日 比較経済体制学会第37回全国大会。於旭川大学。共通論題は「システム転換における国際関係」。連絡先:学会事務局 〒101千代田区三崎町1-3-2日本大学経済学部栖原学研究室 tel 03-3219-3394 fax 03-3219-3328 E-mail
msuhara@eco.nihon-u.ac.jp

7月17〜19日 スラブ研究センター夏期国際シンポジウム。(連絡先:センター・井上)

9月3〜11日 ウラジオストク極東諸民族歴史・考古・民族学研究所国際シンポジウム「北東アジアにおける歴史体験と諸人種、文化、文 明の相互作用のパースペクティヴ」。於ウラジオストク。

9月23〜25日 「ヨーロッパのロシア研究と現代」第4回国際会議。於ポーランド。「ロシアの文学と文化におけるIudaica」「新しい情報 伝達の要請のもとでのロシア語」「ロシア語教育におけるロシアの民族・社会・文化学的realia習得の諸問題」(使用言語はロシア語)連絡先:Prof. Vojcech Kaminski, Instytut Filologii Rosyjskiej, Uniwersytet im. Adama Mickiewicza, al. Niepodleglosci 4, 61-874 Poznan tel 52-11-91 w.141(参加申込書はセンターにもあります)。

10月3〜4日 日本ロシア文学会。於富山大学。

10月4〜5日 ロシア東欧学会。於京都大学。連絡先: 溝端研究室 tel 075-753-7144 fax 075-753-7148

11月20〜23日 AAASS(米国スラブ研究促進学会)第29回年次大会。於シアトル。連絡先: AAASS, 8Story St., Cambridge, MA 02138, USA

図書室だより

◆ マイクロリーダ・プリンターが2台に 

マイクロ資料の増加に伴って、マイクロリーダ・プリンタの使用がかち合い、ご不便をかけることがありましたが、この秋に2台目を導入することができました。

これによって、シンポジウム前後など利用者が重なりやすい期間にも、安心して来館いただけることでしょう。[兎内]

◆ 「旧ソ連共産党・国家機密文書集成」の受入状況 

12月末現在、文書本体では、次の部分が収集済みです。

TsKhSD(同時代文書保存センター) フォンド6(党統制委員会)
 オーピシ1(統制委員会議事録 1934-1939) …………完
 オーピシ2(統制委員会議事録ならびに18回党大会アピール 1939-1952) …………完
 オーピシ3(統制委員会議事録その他 1952-1956) ………中途

今年度は、この後、フォンド6の既製作分の収集を終え、RTsKhIDNI(ロシア現代史文書保存瘡、究センター)に収蔵されるフォンド17(党中央委員会)の文書本体の収集に手をつける予定です。[兎内]

編 集 室 便 り

◆ 『スラヴ研究』 

今春発行予定のセンター和文紀要『スラヴ研究』No. 44号掲載の論文は以下の6点に決まりましたので、お知らせします(執筆者五十音順)。[田畑・大須賀]

宇山智彦 「20世紀初頭におけるカザフ知識人の世界観−M.ドゥラトフ『めざめよ、カザフ』を中心に−」
大須賀史和 「ベルジャーエフ宗教哲学の導因と方法」
斉藤毅 「民の声、詩人の眼差し−O.マンデリシタームの戦争詩より−」
中村唯史 「『騎兵隊』論−その成立過程と構造について−」
三浦清美 「『聖グリゴリオス講話』伝承史のテキスト学的研究(前編)」
村上隆 「ハバロフスク地方および沿岸地方における機会工業企業の動態分析」

◆ Acta Slavica Iaponica 

スラブ研究センター欧文紀要 Acta Slavica Iaponica (Vol. 14)は諸般の事情で刊行が遅れておりますが、近日中に刊行の予定です。内容は前号の本欄に記した通りで、変更はありま せん。引き続き今年秋に刊行予定のVol. 15に向けて編集がはじまっています。執筆計画提出期限は当初予定を繰り下げて2月末日、原稿提出期限は4月末日です。投稿希望をお持ちの方は係までご一報下さい。[原・大須賀]

◆ センターニュース英語版の発行 

英文ニュース・レターの第4号が昨年11月に発行されました。内容は、夏期国際シンポジウム等のセンターの研究活動の報告、外国人研究員プログラムの紹介、出版物のリストや図書だよりなどの他に、コトキン氏、シモニア氏両外国人研究員のエッセイ(これは日本語のニュース・レターには未発表のもの)が掲載されています。

なお、同じ内容のものがセンターのホームページ (http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/)の英語ページの方に掲載されていますので、関心のある方は、そちらを見てください。[山村]

◆ センター研究報告シリーズNo.60 

昨年12月に、センター研究報告シリーズ第60号「ロシア文化と日本:人の交流を中心として」が発行されました。これは10月4日におこなわれた同じ題名の文化史セミナーをもとにしたもので、ロシア人画家ワルワーラ・ブブノワ論をはじめ、日露文化交流史を個人史の視点からみた、6編の文章が収録されています。内容は以下の通りです。[望月]

1. ワルワーラ・ブブノワ生誕110周年に寄せて
I. コジェーヴニコワ 「ワルワーラ・ブブノワ−画家そして教育者」
安井亮平 「ブブノワさんについての私的な思い出」
桧山真一 「ネフスキイとブブノヴァ」

2. 日本におけるロシア文化
中村喜和 「日本におけるアンナ・グルースキナ」
澤田和彦 「白系ロシア人女優スラーヴィナ母娘」
外川継男 「福沢諭吉とロシア」

◆ スラブ・東欧研究者名簿第5版 

昨年から作業をおこなっていた『スラブ・東欧研究者名簿(第5版)』がまもなく完成するはこびとなりました。お忙しいなか、調査にご協力くださいました皆様には紙上を借りてあつくお礼申し上げます。

アンケートの回収時期がちょうど夏休みと重なったために想像以上に手間取り結局年明けの完成となってしまいました。早くからご回答をいただいた皆様にはご迷惑をおかけしてしまい、お詫び申し上げます。

今回の名簿のアンケート調査は約1900名の方にハガキをお送りし、約半数の千数名の方が回答をよせられました。亡くなられた方や、当該地域の研究から退かれた方、名簿への掲載をお断わりになられた方などを別にして、各種学会名簿や、学術振興会の名簿などからデータを補充して、今回の名簿には約1400名の研究者のお名前を収録することになりました。ただ回答をいただいた方のなかにまったくお名前、住所などの記載のない方がかなりいらっしゃり、ご連絡のしようがないままとなっております。近く皆様のお手元に届くと思いますが、他の方には届いたが、自分にはまだ届いていないということがございましたら、お手数でも松田までご連絡ください。また記載についての誤り、訂正、追加また名簿そのものについてのご提案なども併せてお知らせいただけますならまことに幸いと存じます。[松田]

連絡先:
電話:011-706-3181 E-mail:
jun@slav.hokudai.ac.jp

◆ 1996年度公開講座報告書の出版 

センターニュース65号・66号でお知らせした通り、1996年5〜6月にセンターは第11回 公開講座を開きましたが、その報告書が、『北海道大学スラブ研究センター公開講座 中央アジアの世界〜シルクロードから現代へ〜』と題して出版されました(B5版147頁)。内容は、加藤九祚「中央アジア文化史のあらまし シルクロード文明史の一断面」、清水学「中東と中央アジアをつなぐもの」、岡奈津子「中央アジアの高麗人」、村上隆「カスピ海の石油・キャビア戦争」、宇山智彦「カザフスタンの歴史と現在 複合文明社会の苦悩」、小松久男「中央アジアの民族問題 ブハラとサマルカンドのタジク人」、井上紘一「アルタイ地方における世直し運動」です。単に講義の記録にとどまらず、独立した論文・論考として読めるものになっております。

公開講座受講者などに配布した結果、センターには残部がなくなってしまいましたが、ご希望の方は下記の版元で購入することができるということを、参考までに申し添えておきます(定価2600円)。[宇山]

(社)北海道開発問題研究調査会 担当:富樫(とがし)研究員
 〒060 札幌市中央区北4条西6丁目1 毎日札幌会館3階
 電話:011-222-3669 FAX:011-222-4105 (注文はなるべくFAXで)

み せ ら ね あ

◆ センターのクリスマス 

去る12月20日に当センター関係者のクリスマスパーティが開催されました。センター教職員、外国人研究員、アルバイトなど40人ほどが参加しました。このパーティはもともと異国の地で年を越す外国人との団らんの場を設けることから出発しました。アルバイトの皆さんのイニシアチブとアイディアとで毎年パーティが盛り上がっています。今年は、ビンゴ、紙飛行機競争などのゲーム主体でした。教職員の年齢構成のせいか、サンタのおじさんのプレゼントはわずかでした。皆さん日頃忙しすぎて、センターの中にいても団らんする機会がなく、久しぶりでセンター関係者が集まったという印象です。[村上]


◆ 人 物 往 来 

ニュース67号以降のセンター訪問者(道内を除く)は以下の通りです。[林]

10月30日 O. セルゲーエフ(Sergeev)氏(ウラジオストク歴史民族学研究所)

12月 4日 V.ラーリン(Larin)氏(極東諸民族歴史・考古・民族学研究所)、E. プラクセン(Plaksen)氏(極東諸民族歴史・考古・民族学研究所)

12月11日 S. カザンツェフ(Kazantsev)氏(ロシア科学アカデミー・シベリア支部、経済・工業生産組織研究所)、

12月16日 Cs. マコー(Mako)氏(ハンガリー科学アカデミー、社会コンフリクト研究所)


◆ 研究員消息 


林忠行研究員は、11月9日〜11月30日の間「東中欧諸国をめぐる国際関係の調査」のため、チェコ、スロヴァキア及びハンガリーに出張。

矢田部順二研究員は、11月9日〜11月30日の間「東中欧諸国をめぐる国際関係の調査」のため、チェコ、スロヴァキア及びハンガリーに出張。

山村理人研究員は、11月9日〜11月15日の間「東中欧・ロシアにおける経済改革の現状視察及びスロヴァキアの土地改革における農村実態調査」のため、ハンガリー、ロシア連邦及びスロヴァキアに出張及び研修旅行。

田畑伸一郎研究員は、11月13日〜11月19日の間「アメリカ・スラブ研究促進学会での報告」のため、アメリカに出張。

家田修研究員は、11月15日〜12月13日の間「東中欧諸国の経済関係の調査」のため、チェコ、スロヴァキア、ハンガリー、ブルガリア及びロシア連邦に出張。

村上隆研究員は、11月25日〜12月13日の間「旧ソ連経済関連の現地調査」のため、ロシア連邦に研修旅行。

皆川修吾研究員は、12月6日〜12月10日の間「ハバロフスク地方における地域主義の現地調査」のため、ロシア連邦に出張。[加我]


1997年1月27日発行

編集責任 大須賀美香・山村理人 編集協力 松田潤 発行者 林忠行 発行所 北海道大学スラブ研究センター 060 札幌市北区北9条西7丁目 ・011-706-3156、726-8782 Fax. 011-709-9283 インターネットホームページ:http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/