スラブ研究センターニュース 季刊1997年 夏号
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C ENTER NEWS No. 70 July 1997


エッセイ:
松里公孝 誰も書かなかったウクライナ



研 究 の 最 前 線

 

◆ 1997年度夏期国際シンポジウムの開催 ◆

 恒例のセンター夏期国際シンポジウムが間もなく開催されます。今回は、今までセンターではどちらかというとマイナーな位置におかれていた民族の問題を中心にプログラムが組まれ、民族にかかわるいろいろな問題を多角的に検討して、さまざまな共存モデルを模索することを目指しています。
 今年は3年ごしの重点領域研究プロジェクト「スラブ・ユーラシアの変動」の大詰めの年にもあたり、シンポジウムの盛り上がることが特に期待されます。[井上]

1997年度夏期国際シンポジウム
・共存のモデルを求めて

― スラブ・ユーラシアの変動に見る民族の諸相 ―


 1997年7月16日(水)

13:00〜17:30 特設パネル「中国・スラブ両領域における体制変容の比較」(423号室)
 ・報告「市場経済化と国際的契機」山村理人(北大)、上原一慶(京大)
  司会:家田修(北大)
 ・ラウンド・テーブル「体制変容の政治社会学」
  天児慧(青山学院大)、菱田雅晴(静岡県大)
  下斗米伸夫(法政大)、伊東孝之(早大)
  司会:林忠行(北大)
  コーディネーター:皆川修吾(北大)、毛里和子(横浜市大)

 

 7月17日(木)

9:20〜 9:30 開会の辞 (423号室) 井上紘一(北大)

9:30〜11:30 第1セッション 民族の共存 (423号室)
・B.P.シシュロ(国立学術研究センター、フランス)「シベリア原住諸民族とロシアの関係における特殊性とは何か」
・H. スチュアート(昭和女子大)「共存をめぐる諸問題:カナダの情況からの展望」
 司会:井上紘一(北大) 討論:畑中幸子(中部大)、金子亨(千葉大)

13:00〜15:00 第2セッション 共存の政治学 (423号室)
・V.アーゴシュトン(作家、ハンガリー)「トランシルヴァニアの心:エスニック・アイデンティティの曖昧さとコンフリクトの解決」
・月村太郎(神戸大)「民族共生の政治学:東欧における内的分裂と外的圧力」
 司会:木村汎(国際日文研) 討論:中井和夫(東大)、長与進(早大)


15:30〜17:30 第3セッション 言語と民族の問題 (423号室)
・M.アルトシューラー(ヘブライ大、イスラエル)「スラブ系共和国(国家)―ロシア、ウクライナ、ベラルーシ―におけるソ連期及びポスト・ソ連期の言語・民族問題」
・A.F.マイェヴィチ(アダム・ミツキェヴィチ大、ポーランド)「東欧とシベリアのためのマ  イノリティ言語保持戦略とマイノリティ関連紛争回避策の提言」
 司会:宇多文雄(上智大) 討論:塩川伸明(東大)、佐藤優(外務省)


18:00〜20:00 レセプション

 

 7月18日(金)

9:30〜11:30 第4セッション ロシア帝国における共存 (423号室)
・V.A.ポトゥルニツキー(ウクライナ史料学研、ウクライナ)「ウクライナ政治思想におけるロシア及びロシア人のイメージ(1860-1945)」
・B.N.ミロノフ(ロシア史研、ロシア)「領土拡張の対価:18世紀〜20世紀初頭のロシアにおける民族問題」
 司会:望月哲男(北大) 討論:木村崇(京大)、松里公孝(北大)

13:00〜15:00 第5-Aセッション 地域とアイデンティティ:中央アジア (423号室)
・A.A.ガリエフ(東洋学研、カザフスタン)「現代のカザフスタンにおける伝統的諸制度」
・G.J.ジュークス(オーストラリア国立大)「中央アジアにおける人種、宗教、エスニシティ、
経済」
 司会:袴田茂樹(青山学院大) 討論:宇山智彦(北大)、B.イスラモフ(東北大)

13:00〜15:00 第5-Bセッション 地域とアイデンティティ:シベリア (328号室)
・V.A.トゥラエフ(極東諸民族の歴史・考古学・民族学研、ロシア)「ロシア極東のエスニック問題解決における属地的アプローチ」
・佐々木史郎(国立民博)「アイデンティティの分節的位階構造:北ヤクーチヤのヤクートとエウェンの事例」
 司会:原暉之(北大) 討論:荻原眞子(千葉大)、A.F.マイェヴィチ(アダム・ミツキヴィチ大)

 

15:30〜17:30 第6セッション 環境汚染と共存(423号室)
・福田正己(北大)「極北シベリアにおける放射性及びその他の危険な汚染」
・B.イスラモフ(東北大)「アラル海異変:民族、地域、国際協力の事例」
 司会:下斗米伸夫(法政大) 討論:太田幸雄(北大)、伊藤美和(法政大)

◆ 1998年度外国人研究員候補決まる ◆

 7月8日開催のセンター協議員会において、1998年度の外国人研究員に関する審議がおこな われ、正候補3名、副候補2名が正式に承認されました。正候補として選ばれたのは以下の方々です。


・ウラディーミル・I・シシキン
 (ロシア科学アカデミー・シベリア支部歴史学研究所教授)
・アレクセイ・V・ポストニコフ
 (ロシア科学アカデミー・ロシア科学史・技術史研究所副所長)
・イーゴリ・M・クリャムキン
 (独立社会学分析研究所所長/ロシア)

 シシキン教授は、旧ソ連の時代にシベリアにおける初期革命期および内戦についての数冊の 著書と多くの論文を発表しており、オリジナルなソースに基づいた研究の深さと幅広い知識は 傑出したものがあります。教授はノボシビルスク国立大学のロシア史学部の部長も務めており、これまで多くの研究者を育ててきました。センターでは「ロシアの内戦に鑑みた21世紀のスラブ・ユーラシア世界の発展:シベリアの歴史と展望」という、現在、まさに我々が重点領域研 究で進めているテーマに合致した研究をおこなうことになっています。教授の滞在予定は1998年7月1日から1999年3月31日までの9カ月間です。
 ポストニコフ教授は、地理学、地図学をベースに歴史、対外関係を研究している極めてユニークな研究者です。最近の教授の研究テーマには中央アジアや極東における帝政ロシア期の境界の地理探検と地図作製の歴史を扱ったものがあります。1996年にはロシア自然科学アカデミー会員になっています。センターでは「18〜19世紀パミールにおけるグレイト・ゲーム」を地 理学者、政治家、スパイの関わり合いのなかで地理学・地図学の視点から研究することになっています。滞在期間は1998年6月1日から1999年3月31日までの10カ月間です。
クリャムキン教授は、ロシア国内のみならず外国でもつとに有名な人物で、とくにゴルバチョフのペレストロイカの時期に、雑誌『ノーヴィ・ミール』(1987年11月号)に掲載された論文“Kakaia ulitsa vedet k khramu(どの道がローマへ通じているのか?)”は彼の名声を一挙に高めました。政治学者としての手腕は1990年代に入ってからもいかんなく発揮されております。最近ではポスト・ソビエト社会における政治社会学の分野に関心を寄せており、センターではポスト・ソビエト期の人物像を経済的、政治的、倫理的角度から分析することになっています。滞在予定は1998年6月1日から1999年3月31日までの10カ月間です。[村上]

 

◆ 1997年度鈴川基金奨励研究員決まる ◆

 低い金利が続いているような状況下で、基金で運営していくのは大変ですが、今年も若手研 究者19名が鈴川基金に応募してきました。財政的に苦しい状況ですが、研究者の育成は重要なことですから、今年も例年並に5名の方をお迎えすることになりました。今回の応募者の特徴は、人文科学の分野が圧倒的に多いことと女性の進出が目立っていることです。社会科学の分野の研究者も是非応募していただきたいと思います。[村上]

氏 名
所 属
滞在期間
ホスト教官
研究テーマ
池本今日子 早大・院博士課程 97.7.16〜8.5 原 暉之 カポディストリアスの「総同盟」構想とアレクサンドルI世 − 皇帝の承認と部分的撤退。その外交上、内政上の理由 −
雲 和広 京大・院博士課程 97.7.15〜7.31 田畑伸一郎 ロシアにおける地域経済成長と人口移動の同時性の分析。1992年以降の経済成長(停滞)の構造分析
鴻野わか菜 東大・院博士課程 97.7.14〜7.28 望月哲男 「ペテルブルグ」におけるテクノロジー(電気、自動車、公害)。ベールイ作品における革命の影響及び革命の概念の変容
中山えつこ 東大・院博士課程 97.7.1〜7.20 井上紘一 18世紀末〜19世紀初頭のロシアにおける雑誌の言語 − ジャーナリズムの初期形成と標準語の成立過程 −
森 美矢子 東大・院博士課程 97.7.17〜7.25 皆川修吾 ペレストロイカ期からソ連崩壊に至る変動を青年層の動向と青年政策の視点から分析

 

◆ 本年度文部省科研費プロジェクト ◆

1997年度のセンター教官が代表を務める文部省科学研究費補助金による研究プロジェクトは 次の通りです。[加我]
重点領域研究  スラブ・ユーラシアの変動 - 自存と共存の条件 - 皆川修吾
   ” 政治改革の理念とその制度化過程 皆川修吾
   ” 地方統治と政治文化 家田修
   ” 地域間及び国家間協力関係の展開 林忠行
   ” 経済システム転換期における企業の動態分析 山村理人
   ” 経済構造と経済循環の変化に関する実証的分析 田畑伸一郎
   ” 民族の問題と共存の条件 井上紘一
   ” 地域と地域統合の歴史認識 原暉之
   ” 文芸における社会的アイデンティティ 望月哲男
国際学術研究 東中欧地域国際関係の変動 林忠行
データベース ロシア政治エリートのデータベース 皆川修吾
   ” 日本におけるスラブ地域研究文献データベース 松田潤

 

◆ 北海道スラブ研究会総会開催 ◆

 北海道スラブ研究会1997年度総会は4月25日に開催されました。
96年度の活動報告、会計報告がなされ、前年度から話題になっていた会費の有効利用が東京から講演者を招くなどで実現されたことなどが報告され、出席者から了承を受けました。それに続き97年度の新役員が次のように選出されました。
世話役代表:林忠行(センター)
世話役:大西郁夫(北大文)、匹田豪(小樽商大)、田口晃(北大法)、
    高岡健次郎(札幌学院大)、所伸一(北大教育)、徳永彰作(札幌大)、
    杉浦秀一(北大言語文化)、吉野悦雄(北大経済)
会計係:松田潤(センター)
会計監査:吉田文和(北大経済)
連絡係:村上隆(センター)

続いて北大工学部建築工学科の瀬戸口先生のスライドを駆使し、経験談を交えた「ハバロフ スク市に見るロシアの公営住宅事情」という興味深い報告がおこなわれ、活発な質疑応答がなされました。報告の後は恒例のビヤ・パーティーが催され遅くまで笑い声が続く楽しい一時となりました。[松田]

 

◆ モンゴルから訪問研究員 ◆

モンゴル科学アカデミー国際学・東洋学研究所(ウランバートル)のツェデンダムビン・バトバヤル所長が7月1日から8月14日まで1カ月半のあいだセンターに滞在しています。バト バヤル氏は1957年生まれ、レニングラード大学東洋学部を卒業したあとモンゴル科学アカデ ミー東洋学研究所に勤務、その間3年間ソ連科学アカデミー極東研究所(モスクワ)で研究に 従事され、1990年から現職。昨年11月から1年間、国際交流基金のフェローとして東京外国 語大学アジア・アフリカ研究所に在籍し、東アジアを中心とした1930年代の日ソ関係史を研 究中です。7月末か8月初めに「1930年代の日ソ関係とモンゴル人民共和国」と題するセミナー を予定しています。[原]

 

◆ 研究会活動 ◆

ニュース69号以降の北海道スラブ研究会とセンター特別研究会の活動は以下の通りです。
[大須賀(み)]
6月 9日  松里公孝(センター)「帰朝報告:苦境に立つウクライナ」(昼食懇談会)
6月16日 P. パシキェヴィチ(ポーランド科学アカデミー芸術研)“In the Shadow of the Black Eagle: Russia's Architecture and Sculpture in the Western Borderlands of the Empire and Their Political Context”(北海道スラブ研究会)
7月 8日  S. ローズフィルド(ノースカロライナ大)
"Sources of Russian Enterprise Inefficiency and Underproductivity in Neoclassical Perspective"(特別研究会)



第12回公開講座終わる

 今年の公開講座は、5月12日から6月2日まで7回にわたって 開かれ、64人の市民や学生の方々を迎えて好評のうちに終了 しました。テーマは「ロシア文化の新しい世界」でした。セン ター専任の3人のほか、学外から4人の講師を迎え、多角的・学 際的なロシア文化論を試みました。センターに導入されたばかりのヴィデオプロジェクターを使った、ロシアの最近の芸術の紹介は、特に好評を博しました。 受講者からは閉講時のアンケートで、「講師陣が一流の方ばかりで、とてもすばらしかった」「気取 らないことが講座に親しみを持たせた」な どの感想が寄せられました。 何人かの専任研究員や非常勤研究員も、専門外の問題を勉強する貴重な機会として熱心に聴講し、特に外部からの講師を迎えた時には、硬軟とりまぜた議論が場所を変えて夜まで続きました。[宇山]

 

学 界 短 信


◆ 比較経済体制学会第37回全国大会 ◆

 今年度の大会が6月5〜7日に旭川大学で予定通り開催された。今年度の共通論題は「シス テム転換における国際関係」で、岡田裕之(法政大)、須川宏之(旭川大)、木村英亮(横浜国大)、長岡貞男(一橋大)、名島修三(横浜商大)、徳永彰作(札幌大)、矢吹晋(横浜市大)らが共通論題に関わる報告をおこなった。学会付属の数量経済研究会でも、国際経済関係の統計に関して上垣 彰(西南学院大)、田畑伸一郎(北大)、岳希明(日本学術振興会)、田口雅弘(岡山大)らが報告するラウンド・テーブルがおこなわれた。自由論題では、稲川順子(常葉学園浜松大)と金秀日(京大大学院)の報告があった。
 共通論題を巡る議論では、IMF主導のショック療法が各国の体制転換に与えた影響(とくに、ユーゴスラビアにおける影響)、CIS諸国間や旧コメコン諸国間の経済関係の将来などが焦点となった。
なお、総会において幹事の改選がなされ、新幹事会で芦田文夫(立命館大)が新しい代表幹事に選ばれた。来年度の大会は、北陸大学(金沢市)での開催が予定されている(以上、敬称略)。[田畑]

 

◆ ロシア・東欧学会第26回大会のご案内 ◆

溝端佐登史(京都大学経済研究所)

 本年度の大会は97年10月4日(土)〜5日(日)、京都大学、京大会館にて開催されます。本年度は二つの共通論題を設定しています。ひとつは、ロシア(旧ソ連邦)、中東欧諸国における脱社会主義過程を民主化、市場化、市民社会の変化から検証するものです。もうひとつは、社会主義とは何であったのかをあらためて考えようというものです。いずれも本学会のこれまでの蓄積のうえに設定されたテーマです。報告者と報告論題は以下のようになっています。
10月4日(土)(9:30〜17:40)
 共通論題【脱社会主義過程の検証:ロシア・中東欧の市場と社会】にもとづいて、政治、経済、社会の三つのセッションで報告、討論がおこなわれます。このテーマは不安定なポスト社会主義社会を総合的に分析することにより、旧社会主義システムからの離脱の度合を明らかにすることを狙いとしたもので、ロシアと中東欧の事情をそれぞれ対比して検討します。
第1セッション 政治
報告者 ロシア:「改革の循環とリーダーシップ―ロシアの場合」下斗米伸夫(法政大)
中東欧:「東中欧諸国の『構造転換』―プロセスと構造の関連の比較分析」
仙石学(西南学院大)
座 長 西村文夫(宇都宮大) 討論者 上野俊彦(日本国際問題研)
第2セッション 経済
報告者 ロシア:「ロシア移行期経済の比較分析と諸問題」吉井昌彦(神戸大)
中東欧:「中欧移行期経済の比較分析と理論的諸問題」 田口雅弘(岡山大)
座 長 福田亘(神戸大)  討論者 山村理人(北大)
第3セッション 社会 
報告者 旧ソ連邦:「独立後ウクライナにおける国民統合」中井和夫(東大)
中東欧: 『ポスト社会主義』の東欧社会」羽場久尾子(法政大)
座 長 木村明生(青山学院大)  討論者 藤本和貴夫(阪大)
10月5日(日)(9:30〜17:00)
午前中、次の三つの分科会で自由論題報告がおこなわれます(討論者は省略)。
第1分科会のテーマはロシアの地域経済と産業動向で、次の報告がおこなわれます。
(1)「ロシア・バイカル湖地域開発の展開と公害·環境問題」(徳永昌弘:京大・院)、 (2)“Recent Regional Data and an Empirical Analysis on Russian Regions: for Further Studies from the Viewpoint of Regional Science”(雲和広:京大・院)、 (3)「ロシア石油企業の経営戦略」(小森吾一:日本エネルギー経済研)、(4)「ロシア繊維産業における企業結合」(藤原克美:大阪 市立大・院)。
 第2分科会は、東欧経済および経済理論がテーマで、次の報告が含まれてます。
 (1)「ポーランドのEU加盟と産業再編」(津久井陽子:京大・院)、 (2)「新生アルバニアの資源·エネルギー産業」(中津孝司:大阪商大)、 (3)「社会主義経済計算論争の発展―ミーゼス派対ハイエク派論争を中心に−」(吉田靖彦:青山学院大)。
第3分科会は人文·歴史関係で次の報告があります。
(1)「ソ連西方地域のソヴィエト化:西ウクライナを中心に」(柳沢秀一:上智大・院)、 (2)「ロシア人女性の労働と家庭に関する意識状況」(五十嵐徳子:阪大)、 (3)「ロシアにおける新しい“国民的理念”の探求をめぐって」(阿部軍治:筑波大、コンスタンチン・ジューコフ:筑波大 客員研究員)。
午後からは、準共通論題【社会主義とは何であったのか:社会主義体制崩壊のアポリア】を テーマにして、次のパネラーによって討論が繰り広げられます。本年はロシア革命から80年に なりますが、この間の体制移行を踏まえたうえで、社会主義体制が崩壊した要因を探り、社会 主義とは何であったのかを考えようとする課題が設定されています。この問題に関しては主に 政治、社会、経済、歴史、文化の側面から接近されます。
座 長   宇多文雄(上智大)
報告者   「体制転換の見取り図」塩川伸明(東大)
「動員しきれなかった動員体制―比較政治体制論の視点から―」伊東孝之(早大)
「ソ連型命令経済体制とは何であったのか?―スターリンの成功とゴルバチョフの失敗―」丹羽春喜(大阪学院大)
「歴史はどこまで書きかえられるのか−第二次大戦前夜のソ連の国際環境―」斎藤治子(帝京大)
「社会主義リアリズムとは何か?―スタニスラフスキー・システムの命運―」中本信幸(神奈川大)

本学会に関しますお問い合わせは下記の大会準備委員長までご照会下さい。
ロシア・東欧学会第26回大会準備委員長 溝端佐登史(〒606-01 京都市左京区吉田本町京都大学経済研究所気付)Tel.075-753-7144または075-753-7140/ Fax.075-753-7148/Email: mizobata@kier.kyoto-u.ac.jp

 

◆ 学会カレンダー ◆

8月22〜24日 第8回日ロ北海道極東シンポジウム。共通テーマ「変貌する北東アジア:21世紀への展望」。於北海学園大学。連絡先:同大学経済学部大沼研究室
9月3〜11日 ウラジオストク極東諸民族歴史・考古・民族学研究所国際シンポジウム「北東アジアにおける歴史体験と諸人種、文化、文明の相互作用のパースペクティヴ」。
問い合わせ先:センター・井上e-mail:kinoue@slav.hokudai.ac.jp
9月23〜25日 「ヨーロッパのロシア研究と現代」第4回国際会議。於ポーランド。「ロシアの文学と文化におけるIudaica」「新しい情報伝達の要請のもとでのロシア語」「ロシア語教育におけるロシアの民族・社会・文化学的realiia習得の諸問題」(使用言語はロシア語)連絡先:Prof. Vojcech Kaminski, Instytut Filologii Rosyjskiej, Uniwersytet im. Adama Mickiewicza, al.
Niepodleglosci 4, 61-874 Poznan, tel: 52-11-91 w.141(参加申込書は

センターにもあります)。

10月3〜4日 日本ロシア文学会。於富山大学。
10月4〜5日 ロシア・東欧学会。於京都大学。連絡先:溝端佐登史研究室 tel: 075-753-7144, fax: 075-753-7148, e-mail: mizobata@kier.kyoto-u.ac.jp
10月25〜26日 ロシア史研究会・大会。於東京工業大学。連絡先:ロシア史研究会・大会事務局 〒114 東京都北区西ヶ原4-51-21 東京外国語大学外国語学部 鈴木義一 e-mail: ysuzuki@fs.tufs.ac.jp
11月20〜23日 AAASS(米国スラブ研究促進学会)第29回年次大会。於シアトル。連絡先:AAASS, 8 Story St., Cambridge, MA 02138, USA

 

図書室だより

◆ メイリング・リストを開設 ◆
ロシア・東欧関係の資料に関する話題を扱う私的な情報交換の場として、メイリング・リス トを開設しましたので、お知らせします。
関心のある方は、次のアドレスまでご一報下さい。[兎内]
usagi@slav.hokudai.ac.jp 兎内宛て

 

編 集 室 便 り

◆ 『スラヴ研究』 ◆
『スラヴ研究』次号(第45号)の執筆申込みが締め切られました。原稿の締め切りは9月末、来年3月発行の予定で編集作業が進められます。[松里・大須賀 (み)]

 ACTA SLAVICA IAPONICA ◆
スラブ研究センター欧文紀要 ACTA SLAVICA IAPONICA, Tomus 15 は、投稿を締め切って編集作業をおこなっており、今年11月頃の発行を目指しています。
次の Tomus 16 は本来のサイクルに戻して1998年9月に刊行したいと考えています。執筆計画提出期限は1月末日、原稿提出期限は3月末日です(レフェリーによる審査のうえ採否が 決定されます)。投稿希望の方は係まで御一報下さい。本誌の重要な役割の一つは日本の研究状 況の世界への紹介ですが、近年日本で出された重要な著作の多くが外国語で書評されていないという残念な状況ですので、書評の積極的な投稿をお待ちしております。論文の投稿ももちろ ん大歓迎です。[宇山・大須賀(み)]

 

み せ ら ね あ

◆ 人 物 往 来 ◆

ニュース69号以降のセンター訪問者(道内を除く)は以下の通りです。[林]
5月15日 鈴木正美氏(芝浦工大)
5月22日 廣岡正久氏(京大)
5月23日 山田勝芳氏(東北大)
5月29日 坂内徳明氏(一橋大)
6月 2日 井桁貞義氏(早大)
6月16日 Cho, Young-Shin氏(在札幌韓国総領事)、Cho, Un-Ho氏(Institute of Political Education for National Unification/韓国)、Choi, Pyong-Lim氏
(同)
P. パシキェヴィチ(Paszkiewicz)氏(ポーランド科学アカデミー芸術研)
7月 8日 S. ローズフィルド(Rosefielde)氏(ノースカロライナ大/米国)

◆ 研究員消息 ◆

家田修研究員は、6月11日〜7月11日の間「東中欧諸国の地域経済協力に関する海外学術 調査」のため、ハンガリー共和国に出張。
村上隆研究員は、6月15日〜6月19日の間「ロシア極東行政府改革促進支援・沿海地方; 地方行政・エネルギー問題タスクフォース第4回会議参加」のため、ロシア連邦に出張。
林忠行研究員は、6月21日〜7月6日の間「中・東欧国際関係の調査・資料収集、特にポー ランドおよびチェコの政党・圧力団体の調査」のため、ポーランドおよびチェコ共和国に出張。
兎内勇津流研究員は、6月24日〜7月10日の間「米国図書館協会1997年次大会出席および 米国西海岸の大学図書館の調査」のため、アメリカ合衆国に出張。[加我]

編集後記
・皆さま、ただいま。2年間の留学を終えたMと半年間の育児休暇を終えたOがスラブに戻り、ニュース編集に尽くすべくM=Oコンビを復活させました。しかし2名とも休みボケが抜けきってないため“黄金”コンビと称されるにはまだまだのようです。
・6月13日におこなわれた恒例のジンギスカン・パーティも、保育園から連れ出したカゼぎみの赤ん坊を抱えていたOは、肉の一切れも口に入れずに横目で見ながら通り過ぎただけ。話によると例年通り盛会だったということです。
・“ワーキング・マザー”というとなんだかカッコイイ響きがあるけれど、実は単なる“時間貧乏”のことと見つけたり。

1997年7月15日発行
編集責任 大須賀みか
編集協力 松里公孝
発行者 林 忠行
発行所 北海道大学スラブ研究センター
     060 札幌市北区北9条西7丁目
     011-706-3156、726-8782
     Fax. 011-709-9283
     インターネットホームページ:
     http://src-home.slav.hokudai.ac.jp/