スラブ研究センターニュース 季刊 2003 年夏号 No.94

2003 年度スラブ研究センター夏期国際シンポジウム
スラブ・ユーラシアの世界経済・国際社会との統合

2003 年 7 月 16 日 (水) ~ 19 日 (土) センター 4 階大会議室

7 月 16 日 (水)

15:00-17:30 特別講演 司会: 田畑伸一郎 (SRC)
1) D.レーン(ケンブリッジ大、英国)「世界資本と国家社会主義からの移行」
2) W.シュレットル(ドイツ経済研究所、ドイツ)「ロシアの世界経済との統合」

17:30- ビヤレセプション

7 月 17 日 (木)

9:30-12:00 セッション 1 ロシアの持続的経済成長と石油・ガス要因
1) V.チホミーロフ(ニコイル社、ロシア)「ロシア経済成長の将来:石油との決別」
2) 久保庭真彰(一橋大)「ロシア基準と世界基準の間の距離の測定」
3) V.ポポフ(新経済大、ロシア)「外貨準備の蓄積と長期成長」
司会: 溝端佐登史(京都大)  討論: 栖原学(日本大)
12:00-13:30 昼 食

13:30-15:30 セッション 2 EUの東方拡大
1) N.スウェイン(リヴァプール大、英国/SRC客員教授)「牝牛に鞍をつける:加盟交渉国と欧州農業モデル」
2) 仙石学(西南学院大)「社会政策の『最低基準』?:欧州社会モデルと加盟交渉国」
司会: 林忠行(SRC) 討論: 伊東孝之(早稲田大);山村理人(SRC)
15:45-17:45 セッション 3 ロシア極東のグローバリゼーションと中国人移民問題
1) M.アレクセーエフ(サンディエゴ大、米国)「ロシア沿海地方への中国人移民の流入:経済効果と民族間敵意」
2) 大津定美(大阪産業大)「北東アジアにおける労働移民の特徴の変化:露中国境を中心にして」
司会: 雲和広(香川大) 討論: N.ミヘーエヴァ(ハバロフスク経済研究所、ロシア);趙華勝(上海国際問題研究所、中国)
18:30-20:30 懇親会 (札幌アスペンホテル)

7 月 18 日 (金)

9:30-12:00 セッション 4 ロシアと中央アジアの安全保障:アジアの観点から(ラウンドテーブル)
1) E.カリン(中央アジア政治研究所、カザフスタン)「上海協力機構とその中央アジアへの含意」[露語]
2) 趙華勝(上海国際問題研究所、中国)「中央アジアにおける安全保障構築と上海協力機構」
3) 岩下明裕(SRC)「上海協力機構とそのユーラシア安全保障への含意」
司会: 岡奈津子(アジア経済研究所)
12:00-13:30 昼 食

13:30-15:30 セッション 5 グローバリゼーションとロシア地方政治
1) K.マックマン(ケース・ウエスタン・リザーブ大、米国)「ロシアの地域の民主化に対する国際的影響」
2) V.クズネツォフ(サマーラ州行政府、ロシア)「現代ロシアにおける情報・文化の変容とその政治制度への影響」
司会: 松里公孝(SRC)  討論: 下斗米伸夫(法政大);兵頭慎治(防衛研究所)
15:45-17:45 セッション 6 ロシア経済と世界経済の相互作用
1) E.ガヴリレンコフ(トロイカ・ディアローグ、ロシア)「ロシア経済の多様化と成長」
2) 上垣彰(西南学院大)「ロシアとIMF」
司会: 中村靖(横浜国立大)  討論: 小野塚佳光(同志社大);塩原俊彦(高知大)
7 月 19 日 (土)

エクスカーションおよびポスト・シンポジウム・セミナー

前号でお知らせしましたように、恒例の夏期国際シンポジウムが7月16日(水)~18日(土)の3日間にわたって開催されます。 また、7月19日(土)にも、ポスト・シンポジウム・セミナーなどが予定されています。 皆様の積極的なご参加を歓迎いたします。 なお、センターのホームページでプログラムなどの最新情報を見ることができるほか、 報告論文をダウンロードして読むことができるようになっています。 ただし、論文閲覧には、パスワードが必要ですので、担当(大須賀 mika@slav.hokudai.ac.jp )までご連絡下さい。[田畑・岩下]

研究の最前線

◆ 2003 年度文部省科研費プロジェクト ◆

2003 年度のセンター教官が代表を務める文部省科研費補助金による研究プロジェクトは次の通りです。 [畑]

基盤研究 (A)
家田修
「東欧の地域社会形成と拡大 EU の相互的影響に関する研究」(2002~04年度)
田畑伸一郎
「ロシアの世界経済との統合に関する総合的研究」 (2001~04年度)
林忠行
「東欧・中央ユーラシアの近代とネイション」 (2000~03年度)
基盤研究 (B)
岩下明裕
「ポスト冷戦時代のロシア・中国関係とそのアジア諸地域への影響」 (2003~05年度)
原暉之
「日露戦争期の東北アジア国際関係:未公刊文書史料を中心とする研究基盤の形成」(2003~04年度)
望月哲男
「転換期ロシアの文芸における時空間イメージの総合的研究」 (2002~04年度)

◆ 2003 年度鈴川基金奨励研究員決定 ◆

選考の結果、次の 6 名の方々が本年度の鈴川基金奨励研究員として選ばれました。 [井上]

氏 名 所属 滞在期間 ホスト教官 研究テーマ
我妻真一 立命館大
研究生
2003.7.14~
7.26
林忠行 1968年のチェコスロヴァキア改革運動
安達大輔 東大・院
博士課程
2004.1.23~
2.8
望月哲男 ロシア・センチメンタリズム文学の研究
岡田美保 青山学院大・院
博士課程
2002.7.16~
7.30
岩下明裕 ロシア/ソ連の武器移転の研究
田中まさき 東大・院 2003.7.3~
7.24
望月哲男 演劇を通じたソヴィエト文化史の研究
道上真有 大阪市大・院 未定 田畑伸一郎 移行期ロシアの現物経済化の研究
南野大介 筑波大・院 2003.7.15~
7.31
松里公孝 ウクライナ現代政治の研究

◆ 北海道スラブ研究会の総会・研究会 ◆

4月25日に「北海道スラブ研究会」の総会・研究会が、スラブ研究センター大会議室で開催され、 道内の研究者・市民を含む多数の会員が参加されました。 総会での報告・議事の後、引き続き研究会が開かれ、荒井信雄教授(センター)による「ビザなし交流の12年:日露平和条約交渉への地方からの視点」 という報告がおこなわれました。 報告の中では、「通訳」の資格で数度にわたってビザ無し交流に参加された実体験や日露間の交渉の興味深い裏話をまじえて、 ビザ無し交流の問題点や日露平和条約交渉の展望などが語られ、報告後の会場内の討論でも活発な議論がかわされました。
〈役員一覧〉
世話役代表:
家田修 (センター、 任)
世話役:
大西郁夫 (北大文学部、留任)、佐々木洋 (札幌学院大、留任)、杉浦秀一 (北大言語文化部、留任)、田口晃 (北大法学部、留任)、松田潤 (札幌大、新任)、所伸一 (北大教育学部、留任)、匹田剛 (小樽商大、留任)、吉野悦雄 (北大経済学部、留任)
会計係:
大須賀みか (センター、 留任 )
会計監査:
吉田文和 (北大経済学部、留任)
連絡係:
村上隆 (センター、 留任 )

◆ 研究会活動 ◆

ニュース 93 号以降の北海道スラブ研究会およびセンター研究会の活動は以下の通りです。 [大須賀]

4 月 25 日
荒井信雄 (センター) 「ビザなし交流の12年:日露平和条約交渉への地方からの視点」 (北海道スラブ研究会総会)
5 月 22 日
B.エルマン (海軍軍事研究センター/米国) “Wilson and China: The Shandong Question and Japan”(センター研究会)
6 月 12 日
E.ウィシュニク (嶺南大/香港)“Integration or Disintegration? The Russian Far East and the Asian Economy”
討論:荒井信雄(センター)(センター研究会)
6 月 25 日
M.ゴードン (ハーヴァード大/米国) “Mendeleev, Dostoevsky, and Spiritualism”(センター研究会)

センター第 18 回公開講座
サンクト・ペテルブルグ300年の歴史と文化

2003 年度のセンター公開講座は、5 月 12 日から 6 月 2 日までの毎月曜と木曜、計 7 回にわたって以下のプログラムで開かれました。

第 1 回 5 月 12 日 (月)
サンクト・ペテルブルグの誕生
栗生沢猛夫(北大文学研究科)
第 2 回 5 月 15 日 (木)
幻想都市の文学:過去と現在
望月哲男(センター)
第 3 回 5 月 19 日 (月)
科学研究都市としてのサンクト・ペテルブルグ:帝政期を中心に
梶雅範(東京工業大)
第 4 回 5 月 22 日 (木)
劇的空間としてのサンクト・ペテルブルグ:目で見る都市散策
楯岡求美(神戸大)
第 5 回 5 月 26 日 (月)
石と水の詩:聖都の20世紀詩人たち
鈴木正美(稚内北星学園大)
第 6 回 5 月 29 日 (木)
英雄都市レニングラード:900日の攻防戦とその後
原暉之(センター)
第 7 回 6 月 2 日 (月)
サンクト・ペテルブルグと日本の文化交流
土肥睦子(ピアニスト)

開講式で挨拶する在札幌総領事館O.N.リャボフ氏

今回の公開講座では、かつてロシア帝国の首都であり、現在もモスクワに次いでロシア連邦の文化・学術・政治・経済・対外関係に 屈指の地位を占めるサンクト・ペテルブルグが建都300周年を迎えた機会に、3世紀にわたる都市の歴史とそこに開花した文化の諸相を 立体的に再構成する試みとして企画されました。全7回のうち、歴史の分野では、18世紀、19世紀、20世紀のトピックスを深く考察する 内容の講義を配し、また文化の分野では、小説・演劇・詩・音楽といった多面的なジャンルの丁寧な紹介を組み合わせることにしました。

このような企画は全体として好評で、閉講時のアンケートでも、「全日程大変心に残りました」、「どのテーマもとても興味深く受講しました」、「それぞれ第1~7回まで書物では得られない感激を覚えました」といった高い評価をいただきました。とくに、科学史からみた都市史という斬新な切り口の講義や、クラーク会館のホールを会場に使ったピアノと歌曲(ロシア語に訳された日本の古典詩歌)の生演奏を含む講義など、通常の公開講座では聴くことのできないユニークな内容となりました。各回の講義を通じて、たぐいまれなロシアの都市サンクト・ペテルブルグの魅力を満喫していただけたと思います。


熱心に聞き入る受講者たち

なお、各講義の概要は、北海道開発問題研究調査会の雑誌『しゃりばり』に近く連載されます。[原]


学界短信

◆ 比較経済体制学会第 43 回大会開催される ◆

今年度の全国大会が6月6~7日に東大で予定通りに開催された(プログラムは本誌前号参照)。今年度の大会の特徴は、(1)例年は、共通論題が1日目の午後と2日目の午前にわたって開かれてきたのに対し、1日目の午後だけとされた、(2)共通論題以外は分科会として組織され、それらは基本的に公募制とされたの2点である。(1)の共通論題では、「歴史的視野から見た現代移行経済」がテーマとされ、報告者として、奥田央(東大)、濱下武志(京大)、家田修(北大)の3氏、討論者として岩田昌征(千葉大)、塩川伸明(東大)の2氏が登壇した。大変興味深い議論が展開され、パネリストを「重量級」の少数の専門家に絞るという初めての試みは成功したと思われるが、直前の会員総会が長引き、共通論題のセッションの時間が短くなってしまったことが実に残念であった。(2)の分科会は、スモールビジネス、社会保障制度、地球環境問題、環境の数理経済分析、地域開発・地域連関、北東アジア経済開発の6つのテーマについて開かれた。

総会では役員の改選がおこなわれ、新しい代表幹事に中山弘正氏(明治学院大)が就任した。学会事務局は引き続き吉野悦雄氏(北大)が引き受けることとなった。[田畑]

◆ 学会カレンダー ◆

2003 年
8 月 15-21 日
3th International Congress of Slavicists・於リュブリャナ/スロヴェニア 詳しい情報は: http://www2.arts.gla.ac.uk/Slavonic/13thics.htm


10 月 4-5 日
ロシア・東欧学会 2003 年度大会 共通論題は「ロシア・東欧における社会格差・経済格差:体制転換とグローバル化の結果を探る」 於京都産業大学 問い合わせは: 学会事務局(上野) t-ueno@hoffman.cc.sophia.ac.jp


10 月 25-26 日
ロシア史研究会2003年度大会 於東京大学(文京区本郷)
問い合わせは: 学会事務局 jssrh@wwwsoc.nii.ac.jp


11 月
1 日
比較経済体制学会秋期研究報告会 於大阪市立大学
問い合わせは:学会事務局 eyoshino@pop.econ.hokudai.ac.jp


11 月
1-2 日
2003年度日本ロシア文学会総会・研究発表会 於大阪外国語大学 ペテルブルグ建都300周年記念セッションあり。10月31日にプレシンポ「ヴィヴァ 聖ペテルブルグの魅力を語る」(大阪国際交流センター)も開催。これはペテルブルグの姉妹都市である大阪市と共催。問い合わせは:学会事務局 rus@boz.c.u-tokyo.ac.jp


11 月
8 日
JSSEES(日本スラブ東欧学会)総会・シンポジウム 於中京大学名古屋校舎 
問い合わせは:学会事務局(佐藤) j52396@sakura.kudpc.kyoto-u.ac.jp


11 月
14-15 日
国際学術コンファレンス《 Культура коммуникация стран АТР 》於極東国立大学(ウラジオストク)
連絡先: hist@deans.dvgu.ru


11 月 20-23 日
AAASS (米国スラブ研究促進学会) 第 35 回全国大会 於トロント(カナダ)
詳しい情報は: http://www.fas.harvard.edu/​~aaass/
2004 年

4 月 7-11 日
国際会議 "Siberia and the Russian Far East: Past, Present, and Future"
於テキサス州ヒューストン、連絡先:Victor Mote, vmote@earthlink.net
2005 年
7 月 25-30 日
ICCEES (中東欧研究国際評議会) 第 7 回世界会議 於ベルリン 詳しい情報は: http://www.rusin.fi/​iccees/

センターのホームページ ( 裏表紙参照 ) にはこの他にも多くの海外情報が掲載されています。 [大須賀]

大学院だより

北海道大学大学院文学研究科歴史地域文化学専攻スラブ社会文化論専修の修士課程前期入学試験の手続きが近づいてきました。ちなみに前期試験は9月10日(専門および共通外国語)11日(口述試験その他)、出願期間は(特殊事情のある場合をのぞき)7月25日から8月1日までです。今年度から外国人留学生特別選抜試験が、おなじ日程で導入されます。ただし出願に際しては、事前に出願資格審査手続きをおこなう必要があります。
手続はすべて北海道大学文学研究科教務掛(〒060-0810札幌市北区北10条西7丁目 ℡011-706-3005)でおこなわれておりますので、関心のある方はお問い合わせください。
大学院文学研究科の概要、入試情報や過去問題などは、次のサイトでも見ることができます。

http://www.hokudai.ac.jp/letters/

またスラブ社会文化論専修の特徴、学位、入試、授業内容、在籍者等については以下に詳しい説明がなされていますので参照してください。

http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/center/daigakuin.html [望月]

図書室だより

◆ ロシア外務省関係資料の購入

スラブ研究センター図書室は、このほど、次の3点の資料のマイクロフィッシュ版を購入したので、ご報告したい。

Ежегодник Министерстба иностранных дел. год 1 (1861) -53 (1916)。ただし год 7-8 (1867-1868) および год 47 (1910) を欠く。 ザイオンチコフスキーの Справочиник по истории дореволюционной России. Изд. 2-е(М.,1978) によれば、 後者は大臣の命令により破棄され出版されなかったという。 このタイトルが付くようになったのは途中からであり、 当初は仏語で、 Annuaire diplomatique de l'Empire de Russie .と題された。 Год39(1902) までは仏文、以後は露文。
内容は、皇族リスト、政府首脳部人名表、外務省中央および在外公館に勤務する幹部職員表、 在露外国公館リスト、勅令等の関係主要法令、予算、省内規定、対外条約・協定等の資料から成る。
帝政ロシアの外交関係に関する基本史料として役立つものであろう。

Известия Министерства иностранных дел. [г.1] кн. 1. (1912) - г. 6. кн. 1/2. (1917).
隔月刊の本誌は、ロシアの締結した条約類、対外関係に関係するロシアの法令類、 その他の資料(外務大臣の国会演説など)、領事報告、および関係論文を収録する非公式部分から成る。 わずか5年余りしか刊行されなかったのが残念だが、①と並ぶ当時のロシア外交に関する基本史料として 位置づけられよう。ただし、前述のザイオンチコフスキーの本には載っていないようである。

Сборник Московского главного архива Министерства иностранных дел. Вып. 1 (1880)- 7 (1900)_
外務省文書館に保管される文書を多数紹介する。また Вып.1の最初の部分には、文書館の所蔵する 文書の概要を述べたフランス語の論文がおかれている。なお、この文書館の所蔵史料は、 ロシア革命後の転変を経て、現在はロシア帝国外交文書館
Архив внешней политики Российской Империи, 略称 АВПРИ に収蔵されている。[兎内]

ウェブサイト情報

2003 年 4 月から 5 月までの 2 ヵ月間における、センターのホームページへのアクセス数 (但し、gif・jpg 等の画像形式ファイルを除く) を統計しました。 [山下]


全アクセス数
(1 日平均)
うち、
邦語表紙
アクセス数
(1 日平均)
うち、
英語表紙
アクセス数
(1 日平均)
国内からの
アクセス数 (%)
国外からの
アクセス数 (%)
不明 (%)
4 月 191,675 (6,389) 8,523 (284)
2,526 (84)
59,385 (31%)
88,421 (46%)
43,869 (23%)
5 月 228,638 (7,375) 9,703 (313)
3,471 (112)
96,663 (42.3%)
93,860 (41%) 38,115 (16.7%)

編集室だより

◆ スラヴ研究 ◆

和文レフェリーズジャーナル『スラヴ研究』第51号(2004年4月発行予定)の投稿申し込みおよび原稿を受け付け中です。(申し込みは6月末締切りですが、7月中旬ぐらいまで受け付けます)。申し込みフォームは、センターのインターネット・サイトから入手するか、センター大須賀宛ご請求ください。投稿規定・執筆要領・引用注の様式も同様の方法で入手してください。原稿締め切りは2003年8月末で、レフェリー審査によって採否が決められます。多数の投稿をお待ちしています。[岩下]

ACTA SLAVICA IAPONICA

欧文レフェリーズジャーナルActa Slavica Iaponica 第21号(2003年末刊行予定)への投稿はすでに締め切られ、現在、複数レフェリーによる審査がおこなわれています。[松里]

◆ 研究報告シリーズ No.92の刊行 ◆

センター研究報告シリーズ  No.92『ロシア・CISの世界経済との統合:統計・会計の諸問題』 が5月付けで刊行されました。これは科学研究費補助金(基盤研究(A))「ロシアの世界経済との統合に関する総合的研究」の研究成果です。内容は以下のとおり。[編集部]

S.シャシュノフ
「ロシアにおける家計の貯蓄行動とその統計調査の諸問題(露語)」
齊藤久美子
「ロシアにおける国際会計基準への移行について」
岡田晃枝
「通商関係にみる永世中立国トルクメニスタンの自律性:社会ネットワーク分分析を用いた試論 」

スラブ東欧研究者名簿第7版

今年は研究者名簿の3年に1度の発行年にあたります。この3年の間に約280名の研究者を新規採録させていただきました。ソ連の崩壊からはや10年以上が経ち、この地域への世間の関心は以前に比べて薄らいだ印象をマスコミなどからは受けますが、なかなかどうして。バラエティに富むユニークな研究テーマを掲げる大学院生など若い方が出てきているという印象をうけます。関係の方にアンケートの往復はがきをお送りしたところですので、ご協力よろしくお願いします。秋の発行をめざしております。名簿に関するお問い合わせはセンター大須賀まで。[大須賀]

みせらねあ

◆ 宇山智彦編著:中央アジアを知るための60章 ◆

センターの宇山智彦の編著『中央アジアを知るための60章』(明石書店、2003年)が刊行されました。写真や図版を豊富にまじえて、歴史、芸術、文化、都市、生活、政 治、経済、イスラーム、国際関係、日本との関わりなど中央アジアの多様な姿を解説しています。中央アジアに関するスタンダードな参考書として多くの方に末永く活用されることでしょう。また本書は一般書ではありながら、これまであまり知られていなかった分野に関する最新の研究成果も盛り込まれています。執筆陣は若手を中心とする18人の専門研究者から成っており、中央アジア研究の急速な発展ぶりが示されています。 [編集部]


◆ 人物往来 ◆

ニュース 93 号以降のセンター訪問者 (道内を除く) は以下の通りです (敬称略)。 [家田]

6 月 12 日
ウィシュニク(Elizabeth Wishnick) (嶺南大/香港)
6 月 20 日
丸茂雄一(防衛研究所)、秋津頼子(同)、塚本隆彦(同)、古屋隆二(同)
6 月 25 日
ゴードン(Michael Gordin)(ハーヴァード大/米国)

◆ 研究員消息 ◆

家田修研究員は2003年4月26日~5月7日の間、科学研究費研究「東欧の地域社会形成と拡大EUの相互的影響に関する研究」のための現地調査のためハンガリーに出張。また、6月21~24日の間、同科学研究費研究に関する「ロシアとグローバライゼーション」国際会議に出席のため韓国に出張。

林忠行研究員は5月8~19日の間、科学研究費研究「東欧の地域社会形成と拡大EUの相互的影響に関する研究」に関する面接調査及び資料収集のためスロヴァキアに出張。

山村理人研究員は5月14日~6月8日の間、カザフスタンにおける砂漠化プロセスの解明と砂漠化の評価に関する調査・研究のためカザフスタンに出張。

松里公孝研究員は6月2~15日の間、科学研究費研究「ベラルーシ・ウクライナの体制転換開始過程での経済・社会・政治構造の微視的総合研究」に伴う調査と研究打合せのためロシア、ベラルーシに出張。また、6月23日~7月10日の間、地域セミナー「脱ソヴェト諸国における政治制度と政治過程の変容」での講師及びラトヴィア国立文書館での調査のためリトアニア、ラトヴィアに出張。

荒井信雄研究員は6月22~26日の間、「ロシアとグローバライゼーション」国際会議出席及び報告のため韓国に出張。 [畑]


エッセイ:
藤森信吉 ウクライナを目指す者達 p.5

2003 年 7 月 15 日発行
編集責任 大須賀みか
編集協力 原 暉之
発行者 家田 修
発行所 北海道大学スラブ研究センター
060-0809 札幌市北区北 9 条西 7 丁目
Tel. 011-706-3156, 706-2388
Fax. 011-706-4952
インターネットホームページ:
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/

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