◆ JSSEES第12回シンポジウム ◆

東欧の概念と法文化をめぐって


日時 1997年(平成9年)11月8日(土)10:00〜17:30分
場所 工学院大学(東京都新宿区西新宿1−24−2)

午 前 の 部 東欧の概念は有効か?(10:00〜12:00)

 1989年以降の東欧革命の結果、もはや東欧という概念はその意味を失った。かわりに中欧という概念で語るべきである。これはわが国のみならず、世界各地で広く行われている議論であろう。しかし本当にそうなのだろうか。東欧とは、第二次世界大戦後に社会主義の陣営に組み込まれた欧州部分を指す概念として、歴史的にも用いられてきたことによって、バルカンはどのように位置づけられるのであろうか。あるいはバルカンをも視野に入れた新しい中欧概念がありうるのであろうか。本セッションは、以上の問題に答えようとするものである。

  司会  南塚信吾(バンガリー研究)  
  報告  「東欧概念の再検討」    柴 理子(ポーランド研究)
   「中欧概念の新しい意義」  篠原 琢(チェコ研究)
   「バルカン概念の複合性」  寺島憲治(プルがリア研究)
 

昼 食・休 憩 (12:00〜13:30)

午 後 の 部 (13:30〜16:00)

 

第1セッション 東欧の法文化

 体制転換期においては、それまでの生産関係を土台とする所有関係を中心とする旧社会主義法研究の方法は意義を失い、伝統的な法史にさかのほり各地域における法の発展史を検討しなければならない。法史はローマ法に始まり、中世にあってはローマ法はローマ教会と大学によって広がり、それが”ヨーロッパ性”の原点といわれてきた。
 体制転換後の中東欧では、欧州文化圏に回帰する欧州化があきらかであり、そこでは、法文化による分類は大きな意義をもつものと思われる。

  司会  中山昭吉(京都産業大学)  
  報告  「法文化の違いの前提:
          カトリック教会圏と来方正教圏 
宮島直機(中央大学)
   「ローマ法継受課程の法学と大学」  鈴木輝二(東海大学)
   「バルカン諸国の法文化」  伊藤知義(札幌学院大学)
   「バルト諸国・ウクライナ等の法状況」  早坂真理(東京工業大学)
 

 

第2セッション ロシア・ウクライナ・ヨーロッパ

  司会  外川継男(上智大学)・中井和夫(東京大学)  
  報告  「キエフ・ロシアの建国とバザールおよびマジャール  岸慎一郎(東京大学大学院生)
   「ソ連政府の対ユニエイト教会政策」  柳沢秀一(上智大学大学院生)        
   「Russia and the West-18th〜
          Beginning of the 20th C.」 
ポリス・ミローノフ(前ペテルブルグ大学教授・
北大スラブ研外国人研究員)

 

総   会 (16:30〜17:30)

懇 親 会 (16:30〜17:30)

 

お問い合わせ・連絡先 外川継男(上智大学)E-mail:tr4k@asahi-net.or.jp