Eurasia Unit for Border Research (Japan)

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2017.12.27

【開催レポート】中央大学でボーダーズ!12月22日@中央大学

去る1222日(金)に、中央大学社会科学研究所の研究チーム「国際関係における理論と実際」(主査 星野智法学部教授)において、岩下明裕境界研究ユニット代表が「『領土という病』を克服するために―ボーダースタディーズの視座」と題した講演を行いました。岩下代表は、ボーダースタディーズにおける「透過性」、「構築」、「タイムライン」3つの分析枠組みを用いて、世界の国境問題を比較相関する視点を提示されました。最近訪問されたメキシコ・グアテマラ国境の事例などを取り上げながら、国境管理の最新事例などにも触れられていました。境界・国境の内側と外側を二項対立的に把握する傾向から脱却する視座を提示しながら、中央ばかりではなく周辺部の眼差しから境界・国境問題を理解していくことが、ボーダースタディーズの重要な役割であると説かれていました。中央大学ばかりではなく、他大学からのボーダースタディーズや領土紛争に関心のある研究者、中央大学でボーダースタディーズを学んでいる学生も含め、40名近い参加がありました。ゼミ論文を執筆中の学生たちが、岩下代表の著作『入門 国境学』などに依拠しながら、積極的に質問している姿が印象的でした。来年度のボーダースタディーズ東京部会における企画構想にもつながる研究会となり、大変有意義な2時間となりました。

 

(文責:川久保文紀)