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2018年4月17日
【参加レポート】2018年ABSサンアントニオ大会終了
2018年4月4日から7日まで、Association for Borderlands Studiesの年次大会が米国サンアントニオで開催されました。今回は新年度早々の開催となったため、日本からの参加者は少なく、本ユニットからは池直美講師と岩下が参加しました。ただし、最新号のEurasia Border Reviewがボーダーとジェンダースタディーズの特集を組んでおり、ABS関係者が多数投稿していたため、そのお披露目も含めて大会は盛り上がりました。
最終日の土曜日には、日本のこれまでのボーダーツーリズムの実践と研究の成果について報告もなされましたが、同日午後のセッションでは、メキシコ自治工科大学のウリセス・グラナドス教授が本ユニットとの協力で実施したメキシコ・グアテマラ国境の透過性の現状について最新のレポートを行いました。現在、トランプ大統領は対メキシコ国境に壁を作り、南からの人の流入をメキシコの財政負担でまかなうよう要請しています。しかし実態は、ほぼ統制不能なメキシコ・グアテマラ国境を越え米国に向かう移民の流れを抑えているのは「バッフアー」としてのメキシコであり、むしろトランプ大統領の方がメキシコにその代価を払うべきではないかという意見も出ました。なおグラナドス教授のレポートはKUBSのBorder Bites最新号に掲載されています。
4月19日にはABSの次期会長に選出され、カナダでBorders in Globalization (BIG)のプロジェクトを主宰するエマニュエル・ブルネイ=ジェイ教授(ビクトリア大)が来北され、ユニットでのセミナーやBIGの特別シンポジウムが実施されます。
(岩下明裕)