質問9 

「現在、国立の大学・諸研究機関の独立行政法人化や民間との協力などについてさまざまな議論が進行しています。この問題と関連して、センターの現在および将来の設置形態や民間との協力などについて、意見がある方は、自由にお書きください。」に対する回答

(注)手書きで書かれたものを読み取って入力いたしました。字が読みづらく意味不明の部分は???マークで示されています。また、スラブ研究センター員以外の個人名が書かれてある部分やあるいは個人が特定されてしまう可能性のある部分(大学名など)については、たとえば「A大学」、「B教授」などのように、アルファベット文字に置き換えてあります。

<共同研究員の回答>

  1. (1)ロシア東欧の研究機関と姉妹校協定を結んで、ある程度持続的な交流・協力体制を築くといいと思う。(2)センターにシンク・タンク機能を持たせ、政府・民間からの委託研究員とコンサルタントの要請も受けて財政基盤を固めることが必要になるでしょう

  2. 北大付属の形態を継続すべきである。これまで以上に自治体や私学と協力し、分権化や地域化の時代の基礎を固めるべきである。

  3. 他の地域研究機関との連携を強めるべきではないか。

  4. 研究対象、領域の性格からいって、いわゆる独法化にはふさわしくなく、現行の国立大附置研究所が望ましいと思われる。ただし、よりオープンなものにしていく工夫が必要。

  5. 民間専門家・他大学・研究所(外国を含む)との共同研究活動の振興

  6. センターの人的才能、蓄積された資料を有効に生かすために大学院の機能を備えることが望まれる。

  7. 民間との研究連携機構持つ;大学院生を恒常的に受け入れるチャンスを作る、などにより総合大学(国立や独立行政法人などはどうあれ)の中の研究所としての位置づけもアピールすべきであろう。

  8. ソ連圏の崩壊によって、地域に根ざした多様かつ詳細な情報分析が必要になった。関係機関の統廃合(スラ研にとって吸収併合)、ネットワーク化等によって新しいシステムを構築することが、重要である。

  9. 大学院教育を含めて独立法人の大学に残るのか、実務優先の大学外の独立行政法人になるのかの選択を迫れよう。

  10. 教授級、助教授級の任期制専任研究員制度を増設してはどうか。任期は2年程度。主として民間(含む企業、マスコミその他)から受け入れる。また、大学とセンター間で人の支援を行う。やはり2年程度。

  11. 独立法人化はおそらく避けられないだろう。その場合スラ研も内外の若手研究者を養成する恒常的なシステムを備えるなどの方法で存在をアピールすることが必要となるにちがいない。

  12. 大学から相対的に独立した機関としてはどうか。

  13. 北大の他の研究分野(理工系)と合体して地域研究センターの中核となるべき。地域研究センター機構。

  14. 拙速な独立行政法人化は避けるべきだと思う。ただし、スラブ研究センターは独自な組織であり独立法人化が良いのか悪いのか部外者の私には判断がつきかねる。

  15. 片世利益誘導型の機関に堕するリスクを戒めつつもサハリン、千島、カムチャッカとの国際交流を民間レベルで活性化するための情報センターという機能も果たしていくべきではないでしょうか。

  16. フレッキシブルな組織体にすべきである。(人事の流動性を増やす等)。

  17. 私大勤務者からすれば羨ましい限りですが、研究のみに従事する人々がいても良いだろうと思います。

  18. 全国的視野に立って研究を進めているのはわかるが、立地的には北海道にあるので、北海道とロシア関係各州との連係、企業進出にもっと関心をもってほしい。

  19. 国立のスラブ研究センターとして全国の関係研究者のために研究教育の広範な資料、情報を提供し続けて欲しい。各大学、学部に分教した図書、情報をこえた研究センターとして機能して欲しいと思います。

  20. COEとしての役割が存分に発揮できる形態を是非確保して下さい。

  21. スラ研を東京あるいは京都に移転させるという考え方も聞いたことがあるが、研究機関の分教化としてスラ研は札幌に残るべき。これまでのように、北大の一部として残すべきであるが民間との協力がより可能である法的措置が望ましい。さらに首都圏と札幌の距離を短くする財政援助をすることが望ましい。

  22. 「スラブ」を名乗っていても東欧の非スラブ国をも含む国内唯一のアカデミックな研究機関であることを第一に自覚してほしい。多くのシンクタンクは目先の必要に追われているから、この「存在理由」が薄れるような独立行政法人化には慎重であるべきだろう。

  23. 海外の機関とのより積極的かつ経常的な協力を期待しています。(民間を含む)

  24. とくにありません(独立行政法人化の意味、影響がよくわかりません)。

  25. 設置形態についてはスラ研の方から自分の意見を表明すべきである。民間からの委託研究・調査には積極的に対応すべし。

  26. 今後は教育機能抜きに存続してゆくことはむずかしいのではないでしょうか。少なくとも大学院教育を行えるよう対処すべきでしょう。民間との交流はあるに越したことはないのですが、なかなか困難でしょう。

  27. これまでの貴センターの活動に敬意を表しており、今後も継続して従来通りの活動を希望する。

<その他の研究者の回答>

  1. 独立行政法人化に反対はしない。民間との協力は必要である。地方の資料不足の研究者にたいしてロシア研究図書およびロシア政府資料収集について積極的に海外?に努めてほしい。小生の場合、貴研究所を利用するよりも、夏休み??ドイツのにあるBIOstで収集活動をしているが??的にも格安チケットを利用すれば効率よく研究活動ができる。

  2. 独立行政法人化は日本の大学教育・研究の現状と課題に関する十全な議論をふまえて出てきたものではない。したがって、スラ研は安易に「法人化」の尻馬に乗るべきでないと思う。よりオープンな学術研究機関としてのあり方を追求すべきでないか。

  3. 民間とプロジェクトチームの形成を推進するのはいかがでしょうか。

  4. 研究機関として財政的条件を確保し、独自の研究を維持できるようにする。他の研究機関との協力(exユーラシア研究所など)を望む。

  5. (1)独立行政法人化には反対である。(2)国民にたいしもっと開かれた形態にすべき。(3)民間との相互協力を押し進めたほうがよい。

  6. ロシア自体の国際的地位の低下とは関係なく、重要な隣国としてこういう時代にこそ旧ソ連地域の研究活動は必要だと思います。「冷戦的思考」から解放された民間との協力も取り入れた柔軟な地道な活動を維持されることを望みます。センターのじゅうようせいを積極的に広報して下さい。研究のみならず教育の要素も必要かと思います。

  7. もっと開かれた形で大学の枠を超えて人材を参加させるべきであろう。

  8. 独立行政法人化には問題があるがスラ研も開かれた組織として他大学や民間人の利用しやすい形態を検討する必要がある。

  9. 独法化されると研究水準の低下が心配である。

  10. 設置者がたとい誰になろうとも研究、資(史)料の収集・分析・保管の役割をつらぬいてほしい。教育のことを考えないでよいセンターがあって良いと思います。

  11. 今後起こりうる事態に予測しがたいものがあり、むずかしいですが、いずれにせと一般の国立大学とは一線を画し、独立した存在である方が「研究センター」らしいような気がしています。