スラブ研究センターニュース 季刊 2010 年春号 No.121 index

人事の動き


2010 年の非常勤研究員

センターでは、今年も若手研究者の雇用による共同研究の推進を目的として、非常勤研究 員の公募がおこなわれました。3 月31 日の締め切りまでに6 名の応募があり、慎重な選考を 経て、井上暁子さんと瀧口順也さんの2 名が5 月1 日付けで採用されました。

井上暁子さん
井上暁 子(さとこ)さん

瀧口順也
瀧口順也さん

井上さんは1975 年生まれ。北海道大学文学部を卒業後、99 年に 同大学大学院文学研究科の修士課程に入学、ドイツ文学専攻。ワル シャワ大学ポーランド学科への留学(2000-2002)を経て、2003 年3 月、北海道大学大学院の修士課程修了。2003 年4 月、東京大学大学 院総合文化研究科地域文化研究(ロシア・東欧科)の博士課程に入学。 ベルリン・フンボルト大学ポーランド学科留学(2004-2006)、ワルシャ ワ大学ポーランド学科留学(2006-2007)、日本学術振興会特別研究 員(DC2)を経て、2010 年3 月、東京大学の博士課程単位取得退学。 研究分野は、ドイツ・ポーランド越境文学。20 世紀後半、ドイツ 連邦共和国へ移住したポーランド人作家によるポーランド語/ドイ ツ語文学を通して、移民の文学表現のもつ可能性や戦略性について論じてきました。センター では、ポーランド移民作家の文学を、作家たちの出身地域であるドイツ=ポーランド国境地 帯の文学と関連づけることを目指されます。

瀧口さんは1980 年生まれ。明治大学政治経済学部を卒業後、2003 年に英国マンチェスター大学修士課程に入学し、ヨーロッパ近現代 史(MA in Modern European History)を専攻しました。2005 年に 同大学博士課程(PhD in History)に進学。指導教官はピーター・ ガトレル教授およびヨーラム・ゴーリツキー教授。2009 年にPhD in History を修得。 ソ連共産党(ボリシェヴィキ)史を専門研究とし、特に1917-1930 年までを主対象としてきました。博士論文では、1903-1927 年に開 催されたボリシェヴィキの党大会を政治史・文化史の両側面から考 察しました。センターでは、考察の対象とする党大会の範囲を広げ、 1930 年代の党大会および1956 年の第二十回党大会の研究を進めることを目指されます。また、 異なる政治文化下で開催された諸国の党大会の比較研究にも着手したいとお考えです。

[編集部]

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