スラブ研究センターニュース 季刊 2010 年秋号 No.123 index

研究の最前線


アムール・オホーツクコンソーシアムの国際ワークショップ開かれる

北海道大学のサステナビリ ティ・ウィークに合わせて、「2011 年アムール・オホーツクコンソー シアム第2 回会合に向けた国際 ワークショップ」が11 月1 ~ 2 日 にスラブ研究センターで開催され ました。このアムール・オホーツ クコンソーシアムは、アムール川 とオホーツク海を1つのエコシス テムと捉えて、その環境保全と持 続可能な利用を研究するための多 国間研究者ネットワークであり、 昨年の11 月に発足しました。今 年のワークショップは、来年開か れる第2 回会合の準備のための会議と位置付けられました。主催は、北大の低温科学研究所、 スラブ研究センター、北見工業大学未利用エネルギー研究センター、共催は、人間文化研究 機構総合地球環境学研究所、北大GCOE プログラム「境界研究の拠点形成:スラブ・ユーラ シアと世界」、国土交通省北海道開発局でした。

ワークショップのようす
ワークショップのようす

1 日目の一般向けの公開講演では、次の報告がなされました。

ピョートル・Y.・バクラノフ(ロシア科学アカデミー極東支部太平洋地理学研究所)「ロシ ア極東地域の持続可能な経済発展と環境保全」
笪志剛(中国黒竜江省社会科学院北東アジア研究所)「中国東北部における環境保全と中日 経済協力」
D. オユンバートル& D. ジュグデル(モンゴル水文気象研究所)「オノン川・ヘルレン川の 水文環境」
林直樹(外務省欧州局ロシア課)「日露隣接地域生態系保全協力プログラムについて」
吉田進(環日本海経済研究所名誉理事長)「極東地域の持続可能な発展と越境環境保全」

2 日目は、専門家会議と位置付けられ、まず、次の2 つの報告がなされました。

白岩孝行(低温科学研究所)「アムール川・オホーツク海生態システム保全のためになぜ多 国間学術ネットワークが必要なのか?」
アンパイ・ハラクナラック(国連環境プログラム地球環境ファシリティ・アジア太平洋オフィ ス)「UNEP/GEF アムール川/黒龍江流域統合管理プロジェクト」

この後、このコンソーシアムの今後の活動や来年の第2 回会合のテーマなどについて、活 発な議論がおこなわれました。今年の会議では、モンゴルの研究者が初めて参加したことが 特筆すべきことでした。これまで、このコンソーシアムの幹事は、日本、ロシア、中国から、 それぞれ江淵直人氏(低温科学研究所)、ピョートル・バクラノフ氏、笪志剛氏の3 人でしたが、 モンゴルの幹事として、オユンバートル氏が選ばれました。来年の会合は、11 月4 ~ 6 日に 札幌で開催される方向で調整が進められます。

[田畑]

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