スラブ研究センターニュース 季刊 2012年秋No.131 index

新学術領域研究

新学術領域研究総括シンポジウムの予告

 新学術領域研究「ユーラシア地域大国の比較研究」は今年度で終了します。 そこで、これまでの成果を総括し、このような研究の今後の可能性について議論するために、 総括シンポジウム「ユーラシア地域大国の比較から見える新しい世界像」を開催します。 科研費の成果をできるだけ多くの方々に分かりやすく説明することを念頭に置いて、 この総括シンポジウムは東京圏で開催することにしました。幸いにも、早稲田大学現代中国研究所が共催となってくださり、 早稲田大学国際会議場井深大記念ホールという立派な会場でおこなう運びとなりました。 プログラムは3部構成となっています。午前の若手セッションでは、 本領域研究にプロジェクト研究員として参加した若手の研究者の方々が、研究成果を披露します。 午後のセッションでは、本領域研究において6つ設けられた計画研究から1人ずつが報告します。 以上の9つの報告を通じて、本研究が新しい学術領域を開拓したことを示したいと考えています。 最後の総括討論「ユーラシア地域大国比較の成果と可能性」では、各計画研究の代表者をパネリストとして、 討論をおこないます。司会は早稲田大学現代中国研究所の天児慧所長、討論者として国立民族学博物館の小長谷有紀教授をお迎えします。 多くの皆様のご参加をお待ちしております。
[田畑]

新学術領域研究総括シンポジウム
ユーラシア地域大国の比較から見える新しい世界像

新学術領域研究総括シンポジウム
ユーラシア地域大国の比較から見える新しい世界像

日時:2013年1月26日(土) 9:30~18:45
場所:早稲田大学国際会議場 井深大記念ホール(東京都新宿区西早稲田1-6-1 18号館総合学術情報センター内 http://www.wispj.com/pdf/map_ibuka3.pdf)
共催:早稲田大学現代中国研究所
後援:地域研究コンソーシアム
   
9:30 開会
9:40-12:00 若手研究者による報告    司会: 小松久恵(北海道大学)
1.  報告者: 前田しほ(北海道大学)「ロシア・中国の記念碑に見るジェンダー構造」
   討論者: 高山陽子(亜細亜大学)
2.  報告者: 任哲(アジア経済研究所)、三輪博樹(北海道大学)「出稼ぎ労働者の中印比較:移動の自由、労働組合とガバナンス」
   星野真(北海道大学)「ロシア・中国・インドにおける地域経済格差」
   討論者: 梶谷懐(神戸大学)
13:30-17:15 各計画研究による報告
1. 司会: 松里公孝(北海道大学)
第1班: 伊藤融(防衛大学) 「冷戦後インドの対大国外交:『戦略的パートナーシップ』関係の比較考察」
第2班: 田原史起(東京大学)、松里公孝(北海道大学) 「地方ガバナンスの中・印・露比較:公・共・私の交錯」
第3班: 金野雄五(みずほ総研)、丸川知雄(東京大学) 「ロシア・中国・インドの対外開放の政策と結果」

2. 司会: 長縄宣博(北海道大学)
第4班: 山室信一(京都大学)「国民帝国の形成と空間学知」
第5班: 山口昭彦(聖心女子大学) 「周縁から見る『イラン』の輪郭形成と越境:一クルド系名家の軌跡から」
第6班: 杉本良男(国立民族学博物館) 「周縁からの統合イデオロギー:マダム・ブラヴァツキーとインド・ナショナリズム」
17:30-18:45 司会: 天児慧(早稲田大学)
パネリスト:各計画研究代表者
田畑伸一郎(北海道大学)、岩下明裕(北海道大学)、唐亮(早稲田大学)、上垣彰(西南学院大学)、
宇山智彦(北海道大学)、山根聡(大阪大学)、望月哲男(北海道大学)
討論者: 小長谷有紀(国立民族学博物館)
[編集部注:このシンポジウムは、スラブ研究センターの今年度の冬期シンポジウムを兼ねて開催されます。]

新学術領域研究

『比較地域大国論集』第11号刊行

 非定期刊行物である『比較地域大国論集』から、第11号が発行されました。 望月哲男・前田しほ編India, Russia, China: Comparative Studies on Eurasian Culture and Societyは、 第6班「文化」班が2011年9月15日~16日 にバンガロール文化社会研究センター(インド、バンガロール)でおこなった国際シンポジウム “Comparative Aspects on Culture and Religion: India, Russia, China”の報告の中から、12本の論文をまとめたものです。 このシンポジウムには、インドと日本だけでなく、イギリス、ドイツ、アメリカの研究者が参加し、国際色豊かなものとなりました。 会場では白熱した議論が交わされ、論集にはその成果が反映されています。社会的役割、アートとナショナル・アイデンティティ、 相互の文化理解・相互作用、大衆文化におけるアイデンティティの問題、また普遍的とされる問題への「アジア」的視座からのアプローチ(知的所有権、ジェンダー) といった多岐にわたる切り口で、近現代のインド、中国、ロシアの文化的アイデンティティの諸相に迫ります。 収録内容は新学術領域研究ウェブサイトの出版のページからダウンロードできます。
[前田]


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