・C. ウィタカー(ニューヨーク市立大/米国)「エカチェリーナ二世統治期における君主への助言」
・R. ベルナップ(コロンビア大/米国)「アレクサンドル二世統治期におけるグラースノスチ」
司会:川端香男里 (中部大) 討論:竹中浩(大阪大)、望月哲男(センター)
・V. マルコフ(極東大/ロシア)「宣教師ニコライの生涯と事績:ロシアの文書館史料に基づいて」
・Z. モルグン(極東大/ロシア)「1920-1930年代の国立極東大学における日本学」
司会:原暉之(センター) 討論:長縄光男(横浜国立大)、沢田和彦(埼玉大)
セッション2-2:<ラウンドテーブル>ロシアの地域経済〔日本語使用〕
・辻義昌(早稲田大)「現代ロシアにおけるスモールビジネス−首都と地方−企業登録動向の一分析」
・田畑理一(大阪市立大)「ロシア地域における『貧困化現象』:製造業空洞化との関連」
・堀江典生(富山大)「ロシアの地域雇用喪失に関する一考察」
司会:田畑伸一郎(センター) 討論:大津定美(神戸大)
・N. ムハリャモフ(カザン熱エネルギー大/ロシア)「タタルスタンにおける政治過程:イスラム・ファクター」
・J. ハーン(ヴィラノヴァ大/米国)「州における政治制度の発展:ヤロスラヴリの事例」
司会:宇多文雄(上智大) 討論:永綱憲悟(亜細亜大)、宇山智彦(センター)
・I. ティラド(ウィリアム・パターソン大/米国)「コムソモールとネップの終焉」
・松井康浩(香川大)「退出、告発、忠誠:スターリン体制およびその諸政策に対するソヴェト青年の態度:1926-1938年」
司会:和田春樹(東京大名誉教授) 討論:松里公孝(センター)、森美矢子(東京大・院)
セッション4-2:現代東欧の言語と文化〔日本語使用〕
・三谷恵子(京都大)「ユーゴ連邦崩壊後の言語状況:セルビア・クロアチア語圏を中心に」
・西成彦(立命館大)「ポーランド語によるユダヤ抵抗詞アンソロジー『歌は消え去った』 Piesn Ujdzie Calo (1947)について」
司会:灰谷慶三(北大) 討論:田中一生(翻訳家)、沼野充義(東京大)
・リュー・クイリ(劉魁立)(少数民族文学研/中国)「19世紀後半の北ロシアにおける『スカジーチェリ』と『スカーゾチニキ』」
・熊野谷葉子(東京大・院)「20世紀における『チャストゥーシュカ』の諸相」
司会:井上紘一(センター) 討論:中村喜和(共立女子大)
セッション5-2:CIS南部国境地域における安全保障〔英語使用〕
・R. アバゾフ(ラトロブ大/オーストラリア)「中央アジアにおける対外政策決定:クルグズ共和国の事例」
.宮本信生(NIRA)「中ロ戦略協調の行方:外交の重層空間構造」
司会:木村汎(国際日文研) 討論:岩下明裕(山口県立大)、小泉直美(防衛大)
・E.ニコヴァ(バルカン研/ブルガリア)「20世紀末のバルカン政治」
・佐原徹哉(東京都立大)「1990年代バルカン諸国における少数民族抑圧傾向と共産主義の遺産」
司会:林忠行(センター) 討論:伊東孝之(早稲田大)、月村太郎(神戸大)
なお、1月26日(水)17:00〜19:00には、シンポジウムのプレ・プログラムとしてロシアの現代作家ソローキン氏を迎え、「ウラジーミル・ソローキン氏を囲む会」も開催されます。[林]
鈴川正久氏のご寄付により、1987年から10年以上続いています鈴川基金の奨励研究員募集を本年度も実施いたします。スラブ・ユーラシア関係の若手の研究者がこの制度を利用してセンターに滞在し、センター及び北大図書館所蔵の文献資料の利用、センターで開催されるシンポジウム・研究会への参加、センターのスタッフとの意見交換をおこない、毎年実りある成果を挙げています。昨今、金利をほとんど確保できないような状況で若干名の研究者を短期間招くだけでも困難ですが、その趣旨と鈴川研究員の喜びの姿を思い出しますと何としても継続したいという気持ちにかられます。本年度も数人の若手研究者を採用したいと考えていますので振るってご応募下さい。 助成対象者は、原則として博士課程以上の大学院生です。ただし、選考が年々激戦となっているため、事実上は、修士論文発表済みでなければ通りにくくなっています。助成期間は1週間以上3週間以内です。予算の都合上、ご希望の滞在期間を短縮していただく場合もあります。募集の開始は2月中旬頃、締切は4月末を予定しています。募集要項・応募用紙をご希望の方はセンターにお申し込み下さい。[松里]
専任(および非常勤)研究員セミナーは、事前に提出したフルペーパーを討論者と他の研究員全員が徹底的に叩くという、各研究員にとっては年に一度の試練です。今年度は前半にこのセミナーを一度も開かないという異常な年になってしまいましたが、後半になって、遅れを取り戻すかのようにセミナーのラッシュが始まっています。
10月25日
報告:久保久子「アンドレイ・プラトーノフとニコライ・ザボロツキー」
討論:望月哲男(センター)
これまでほぼ一貫してプラトーノフを研究してきた久保氏が、詩人ザボロツキーとの類似点(文体、世界観など)や未来派からの影響に着目し、共通する時代性に迫ろうとした報告です。
11月11日
報告:松里公孝「エスノ・ボナパルティズムから集権的カシキスモへ:タタルスタン政治体制の特質とその形成過程 1990-1998」
討論:中野勝郎(北大法学部)
いつもながら、現地で集めた大量のデータをもとにヴィヴィッドな分析図式を呈示した報告です。ロシア内共和国の政治についてこれほど迫力のある研究が出るのは、ソ連崩壊時から考えると隔世の感があります。松里氏はセミナー後、当日出た辛口の意見をふまえてあっという間に書き改め、『スラヴ研究』に再提出しました。
11月12日
報告:原暉之「函館とウラジオストク:日露交流の歴史から」
討論:荒井信雄(札幌国際大)
既に名著との評判が定着した感のある『ウラジオストク物語』を98年に上梓した原氏が、函館という町への愛着を込めつつ、同書で調べ残したことをまとめた報告です。過去と現在の日露関係および日本の各港町の役割を比較した荒井氏のコメントも、勉強になりました。
11月18日
報告:村上隆「ロシア石油・天然ガス輸出市場の形成」
討論:森岡裕(富山大)
最近「開発と環境」の問題で活躍する村上氏ですが、この報告では、長年のテーマであるエネルギー問題を、国際関係との絡みで多角的に分析しました。当日の議論では、政治と経済の関係のとらえ方が一つの焦点になりました。将来このテーマについて書かれる予定という概説書が今から楽しみです。
11月25日
報告:皆川修吾「大陸棚開発関連の危機管理体制の比較研究:ロシア、ノルウェー、日本」
討論:吉田文和(北大経済学部)
皆川氏にとって新しいテーマですが、「開発と環境」プロジェクトの一環としてノルウェーで行った調査の成果が早くも出ました。今後プロジェクトの中でさらに研究が進展しそうです。会場からは、ロシアについての同じ密度の調査を望む意見や、日本の危機管理のひどさを嘆く感想が出ました。
12月17日
報告:田畑伸一郎 "A Statistical Analysis of Regional Budgets and GDP in Russia"
討論:上垣彰(西南学院大)
AAASSでの発表をもとにした報告です。主成分分析・クラスター分析を使い要点のみに絞ったペーパーで、素人には分かりにくいところもありました。しかし上垣氏の親切な解説で一同納得し、地域総生産や税収分配を基準とした連邦構成主体のグループ分けの問題を中心に、議論が盛り上がりました。[宇山]
ニュース79号以降の北海道スラブ研究会とセンターセミナーの活動は以下の通りです。[大須賀]
11月2日
G.A. ボルヂューゴフ(モスクワ大学歴史学部/ロシア)“Политика и режимчрезвычайных”
(センターセミナー)
12月13日
T. コステレツキー(チェコ科学アカデミー社会学研究所)“Could Voters in East Central Europe
Vote Rationally in 90's?”(センターセミナー)
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日本の代表団に、このたび大改修したアムール川鉄橋 を案内するイシャーエフ知事 |
2000年3月3〜4日
International
Conference “Ethnic Factor and Policy: History and Modern Time”於Udmurt State
University, the Faculty of History, Russia 426034, Izhevsk, Universitetskaia
st. 1. ペーパー提出期限: 2000年2月1日 オルガナイザー: T. Evremova, Y. Semenov Fax: 7-3412-754649
4月13〜15日
“Identity and
the State: Nationalism and Sovereignty in a Changing World,” ASN 5th Annual
World Convention. 於Columbia University, NY 主催: The Harriman Institute. 申込と問合先:Dominique
Arel, ASN Convention Program Chair, Watson Institute Brown University, Box
1831, 130 Hope St. Providence, RI 02912; E-mail:
darel@brown.edu
; gnb12@columbia.edu
ホームページ :http://picce.uno.edu/asn
4月26〜28日
シンポジウム「ロシア極東におけるキリスト教」主催:ウラジオストク市極東大学歴史・文献学部およびロシア国立歴史記録館
6月1〜3日
比較経済体制学会第40回全国大会 於名古屋学院大学「栄サテライト」(名古屋市中区栄4-1-1中日ビル7階)連絡先:名古屋学院大学産業科学研究所 家本博一iyemoto@ngu.ac.jp
7月13〜14日
スラブ研究センター2000年度夏期国際シンポジウム“Russian
Culture on the Threshold of a New Century” オルガナイザー: 望月哲男 tetsuo@slav.hokudai.ac.jp
7月29日〜8月3日
ICCEES(中・東欧研究世界学会)第6回大会 於タンペレ
11月9〜12日
AAASS(米国スラブ研究促進学会)第32回全国大会 於コロラド州デンバー市アダムズ・マーク・ホテル
スラブ研究センターでは、今年度の附属図書館の大型コレクション収集候補として、カナダのロシア歴史地理学の専門家であるJames R. Gibsonヨーク大学名誉教授の蔵書の購入を推薦していたが、このほど文部省から経費が認められ、年度内に購入の運びとなった。
ロシア、シベリア、アラスカの歴史と地理に関する重要な研究と資料を長年にわたって広い視野から収集したGibson教授の蔵書は,全2,000点以上に及び、ロシア、シベリア、その他の北方地域に関する、北大附属図書館、特にその北方資料室とスラブ研究センターの蔵書を強化する上で大きく貢献するであろう。
なお、Gibson教授は、1981-1982年に、外国人研究員としてセンターに滞在されたことがある。主な著書としては、
Feeding the Russian Fur Trade : Provisionment of the Okhotsk Seaboard and the Kamchatka Peninsula, 1639-1856 (Madison, 1969);
Imperial Russia in Frontier America : The Changing Geography of Supply of Russian America, 1784-1867 (New York, 1976);
Otter Skins, Boston Ships and China Goods : The Maritime Fur Trade of the Northwest Coast, 1785-1841 (Seattle, 1992) がある。[兎内]
コミンテルン文書については、今年度は、第8回執行委員会総会(1927年)および第9回執行委員会総会(1928年)の資料を収めるInstallment 7を購入した。
ソヴェト共産党および国家文書については、ロシア現代史文書保存・研究センター(RTsKhIDNI)の既製作分は、延々と果てしもなく続く1920年代の党員調査ドキュメントを除いて一応の収集が終わったので、ロシア連邦国家文書館(GARF)に手をつけることとした。
現在、フォンドr-393[内務人民委員部]の文書本体を収集中である。[兎内]
『スラヴ研究』第47号には、レフェリー審査の結果、以下の原稿が掲載される予定です(掲載順は未定)。
〔論 文〕
岩崎一郎
「キルギス共和国における急進主義的構造改革と企業行動:制度分析」
上田理恵子
「アウグスライヒ体制下のハンガリー陪審法制」
大野成樹
「ロシアにおける銀行の資金運用状況(1992〜1998年初め):所在地別、設立母体別、規模別視点から」
北見諭
「世界戦争とネオ・スラヴ主義:第一次大戦期におけるヴャチェスラフ・イワノフの思想」
武田友加
「移行初期ロシアにおける不平等の固定化と貧困:賃金支払遅延と第2雇用」
中田瑞穂
「利益代表と議会制民主主義:世界恐慌下のチェコスロヴァキア連合政治」
半谷史郎
「ヴォルガ・ドイツ人の強制移住」
藤森信吉
「ウクライナとNATOの東方拡大」
松里公孝
「エスノ・ボナパルティズムから集権的カシキスモへ:タタルスタン政治体制の特質とその形成過程1990-1998」
森美矢子
「コムソモールの改革の試みと崩壊の始まり 1987−1988年」
吉田浩
「近代ロシア農民の所有観念:勤労原理学説再考」
〔資料解題〕
沢田和彦
「日本における白系ロシア人史の断章:プーシキン没後100年祭(1937年、東京)」
〔研究ノート〕
後藤正憲
「プーシキンの『コーカサスの捕虜』再考」
三苫民雄
「ピクレルの社会理論:19-20世紀転換期におけるブダペスト思想界の一断面」
〔書評論文〕
岩下明裕・哈日巴拉(ハジバラ)
「中国における旧ソ連研究」
審査にご協力下さったレフェリーの皆様には、この場を借りて深くお礼申し上げます。今回は掲載予定の原稿数が史上最多になり、対象地域も多様で、日本のスラヴ・ユーラシア研究の幅がますます広がっていることを実感します。編集側にとっては大変ですが、レフェリーや編集委員の意見をもとに執筆者が一段と磨きをかけた修正稿を受け取るのは、嬉しいものです。残念ながら不採用となった方も、次回以降ぜひ再挑戦して下さい。[宇山]
Halina Janaszek-Ivanickova,The Postmodern Avant la Lettre. The Decline of the Grand Recits in West Slavonic Literature
Alexei V. Postnikov, 《Историческиеправа》соседних государств и география Памира как аргументы в 《Большой Игре》 Британии и России (1869-1896 гг.)
Vladimir I. Shishkin, Западно-сибирский мятеж 1921 года: достижения и искажения российской историографии
Hiroshi Itani (井澗裕), Takeshi Koshino (越野武), Yukihiro Kado(角幸博), Aspects of Building Construction in Southern Sakhalin during the Japanese Colonial Period (1905-1945): Buildings, Architects, Contractors and Construction Sections of Government Offices
Toshihiko Shiobara ( 塩原俊彦), Overdue Arrears and Non-Monetary Transactions of Russiaユs Enterprises
Igor M. Kliamkin, Постсоветская политическая система в России: возникновение, эволюция и перспективы трансформации
Vasilii A. Esakov, Япония глазами россиянина (М.И. Венюков, 60-70 годы XIX в.)
原暉之研究員の著作『ウラジオストク物語:ロシアとアジアが交わる街』(三省堂、1998年)が、地域史研究の熟度を評価され、第11回アジア・太平洋賞(主催:毎日新聞社、社団法人アジア調査会)を受賞しました。(『毎日新聞』1999.11.19より)[編集部]
対象地域の動向にあわせるかのようにスラブ研究センターのイスラム化が着々と進むなか、「スラ研最後のクリスマス会ではないか」、「来年からはラマダーン祭でも始まるのではないか」と噂される中で、12月16日にクリスマス会が開催されました(まあ、そんなことを言えば、そもそもカトリックの暦にあわせてスラ研がクリスマスを祝っていること自体おかしいのですが)。今年は、スラ研に長期滞在して、私たちの大切な友人となったイザベル・ティラドさんとトマシュ・コステレツキー氏とのお別れ会も兼ねて行われました。恒例のビンゴゲーム、サンタクロースのプレゼント配りのほか、能楽、剣玉コンテスト、チャチャチャなどが企画され、盛会でした。(裏表紙の写真を参照) [松里]
ニュース79号以降のセンター訪問者(道内を除く)は以下の通りです。[大須賀]
11月2日
ボルヂューゴフ(G.A. Bordiugov)氏(モスクワ大/ロシア)
11月16日
国際交流基金サハリン地域等知的指導者代表団:カン(Kan, En Bok/Nikolai B.)氏(ユジノサハリンスク経済・法律・情報大/ロシア)、ヴィソコフ(M.S.
Vysokov)氏(サハリン総合大/ロシア)、コレガノヴァ(V.V. Koleganova)氏(同)、ミジンツェフ(V.P. Mizintsev)氏(同)、堀江振一郎氏(国際交流基金)、佐野真由子氏(同)、安田美和氏(外務省)
12月1日
ラーリン(V.L. Larin)氏(ロシア科学アカデミー極東支部歴史考古学民族学研)、イヴリイェフ(A.L. Ivliev)氏(同)
12月21日
ロシアの代表的な地方大学の若手管理職18名からなるロシア高等教育省代表団(タチヤナ・I・ルィドチェンコ団長):T.I.ルィドチェンコ氏(ロシア連邦教育省)、Yu.V.ウチェンコヴァ氏(同)、Ye.B.ヴェスナ氏(カムチャツカ国立教育大)、A.Ye.センチェンコ氏(ハバロフスク国立技術大)T.V.マロヴィチコ氏(ハバロフスク国立経済法律アカデミー)、M.B.コンフェデラトヴァ氏(コムソモリスク・ナ・アムーレ国立技術大)、V.Yu.ラビノヴィチ氏(イルクーツク国立言語大)、A.Ye.クラシェンニコフ氏(北方国際大)、V.Yu.フリドフスキー氏(ヤクート国立大)、A.S.ズイェフ氏(ノヴォシビルスク国立大)、V.ラズモフスカヤ氏(クラスノヤルスク国立大)、A.G.アニシチェンコ氏(ニジニー・ノヴゴロド言語大)、Yu.N.コスチュウチェンコ氏(クバン国立大)、D.V.ブグロフ氏(ウラル国立大)、Ye.N.プロンチェンコ氏(ピャチゴルスク国立言語大)I.V.ソッパ氏(極東国立大)、A.M.ウロダ氏(極東国立技術大)、A.P.コロボフ氏(ウラジオストク国立経済大)、B.V.ジャンチボン氏(ブリヤート国立大)、S.I.ハイルリナ氏(カザン国立教育大)、酒井理恵氏(日露青年交流センター)