スラブ研究センターニュース 季刊 2008 年秋号 No.115 index

学会短信


サハリン・樺太史研究会の発足

今年5 月6 日から7 日にかけ、サハリン国立大学で「サハリン:植民地化の歴史的経験」 と題する国際シンポジウムが開催された。これは、2005 年と2006 年に同大とセンターで開 かれた連続シンポジウム「日本とロシアの研究者の目から見るサハリン・樺太の歴史」の後 継に位置づけることができる。今回は日本から8 人、ロシア側から14 人の報告者がたち、そ の模様はNHK をはじめ各種メディアでも報じられた。

このように構築されてきた国内外の連携を基盤に、このほど「サハリン・樺太史研究会」 が立ち上げられた。一国史単位の研究では把握しきれない場という研究対象にふさわしく、 ロシア史・日本史の垣根も海も跨いだ研究者間のネットワークの拠点として組織されたもの である。

具体的活動としては、北樺太保障占領(1920 ~ 1925)など主としてサハリン近現代史に関 わる共通テーマを設定して共同研究を進め、定期的に研究報告会をもちながら、会としての 研究成果を発表することを目指している。また、5 月のシンポジウムの報告集がサハリンで 出版されることを受けて、これを邦訳・出版する作業も現在進行中である。

研究会についての問い合わせは、天野尚樹(北海道大学大学院博士後期課程、e-mail: amnk775@aol.com)まで。

[天野]

→続きを読 む
スラブ研究センターニュース No.115 index