スラブ研究センターニュース 季刊 2011 年冬号No.124 index

研究の最前線

専任研究員セミナー

ニュース前号以降、専任セミナーが以下のように開催されました。

2011 年1 月20 日:田畑伸一郎“Comparison of the Mechanisms of the Increase in International Reserves in Russia, China and India”
センター外コメンテータ:梶谷懐氏(神戸大学大学院経済学研究科)

今回の田畑論文は,新学術領域研究「比較地域大国論」の今年度における研究成果であり、 ロシア、中国、インドの経済比較が主要な論点でした。具体的には、田畑論文はこの三国の 経済面における共通性が外貨準備の増大にあることに着目し、その増加のメカニズムが比較 検討されました。コメンテータには、中国経済の専門家で、人民元のレート問題やそれに関 係するグローバル・インバランスについても研究をおこなっている梶谷氏をお招きしました。

討論では三国における自国通貨安の維持と外貨準備の増加がもたらす「再生ブレトンウッ ズ体制」について活発な質問や意見が出され、そのような体制として捉えることの是非やそ の持続可能性などをめぐって多面的な議論がおこなわれました。

スラブ研究センターが中心となっておこなっている「比較地域大国論」も最終的な取りま とめの段階に入り、今後は今回の田畑論文のような全体を俯瞰する研究が次々と発表される ことが期待されます。

[家田]

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