スラブ研究センターニュース 季刊 2004年 秋号 No.99 index

研究の最前線

  ◆ 2004年度冬期国際シンポジウムの開催 ◆
今年度はいくつかの点で従来の冬期国際シンポとは異なっています。
まず開催時期ですが、1月末ではなく12月の8~10日です。かねてより、1月末は入試や年度末試験などの大学行事と重なることが多いので調整が大変だと いう指摘がよせらていました。もっとも一度慣例化した時期を変更するのも、また別な意味で不便があり、見直すことがなかなかできませんでしたが、今回は実 験的に12月に移してみることにしました。今回の「実験結果」をもとに来年度以降の開催時期を再度検討いたします。
開催の形式についてもここ数年と異なり、日本語のセッション(初日)が設定されています。これは昨年から始まった21世紀COEプログラム「スラブ・ユー ラシア学の構築」と連動した国内研究グループごとの研究報告と議論の場を作るのが目的です。今回は「東欧」(林担当)、「アジアの中のロシア・ロシアの中 のアジア」(原担当)、「ロシアへのまなざし」(望月担当)の三グループがセッションを持ちます。
初日の日本語セッションの後、2日目と3日目が国際シンポです。こちらもCOEプログラムによる研究成果が基礎になっています。スラブ・ユーラシアをめぐ る地域研究の新しい方法論、ロシア政治、ルーマニアを軸とした東欧地域論、そして中央ユーラシア、とりわけコーカサスを取り上げたセッションなど、さまざ まな視点と地域について議論が展開されます。中央ユーラシア関連の二つのセッションでは現在スラブ研究センターに滞在中の長期外国人研究員ワース氏とシュ ニレルマン氏の両氏も研究報告をおこないます。 今回の国際シンポにはもう一つの眼目があります。それはオックスフォード大学ロシア・ユーラシア研究センター長、アレックス・プラウダ氏による講演です。 同センターとスラブ研究センターは今年の3月に学術交流協定を提携し、今回の講演にはその記念講演という意味が込められているのです。同センターは昨年、 それまでのロシア・東欧研究センターを改称し、いっそう東へのまなざしを強めようとしています。そのようなことも背景にあり、両センターは相互に研究や教 育面で持ち味を生かしあってゆこうという趣旨で協定が締結されました。
以上のように新しい試みが盛り込まれています。多数の皆様のご参加をお待ちしております。なお、個別セッションについてのお問い合わせはセッション企画担 当者(ロシア・セッションは松里、中央ユーラシアの2セッションは宇山、記念講演、方法論およびルーマニアのセッションは家田)にお願いします。暫定的な プログラムは1~2ページに掲載してあります。

[組織運営担当:家田・山村]

  ◆ 第2回国際若手研究者ワークショップのプログラム決定 ◆
冬期国際シンポジウムに付属して、きたる12月11日(土)、スラブ研究センター大会議室(423)において国際若手研究者ワークショップが開催されま す。日本側報告者公募の結果、下記のプログラムが決定されました。

12月11日(土)

9:00-11:00
第1セッション: 「コミュニ ティーと宗教」
報 告者:
ヴォロデーメル・クシュニレンコ(キエ ヴォ・モヒラ・アカデミー大学、キエフ/ウクライナ):

「北西コーカサス諸共和国のイスラム」

須田将(北海道大学):

「東洋型デモクラシー? ウズベキスタンにおけるマハ ラとNGO」」

井上まどか(東京大学):

「政教関係再考:現代ロシア公立学校における宗教教 育」

11:15-13:15
第2セッション: 「民族形成の政 治学」
報 告者:
秋山徹 (北海道大学):

「シャブダン・ジャンターエフの再解釈:クルグズ氏族 による歴史の読み方」

荒井幸康 (一橋大学):

「『言語』の統合と分離:1920年から1940年に かけてのソ連とモンゴルにおけ るモンゴル語政策間の関係」

スヴェトラーナ・パイチャゼ (北海道大学):

「ロシア亡命者第一世代による学校建設」

14:15-16:15
第3セッション: 「ロシア文学へ の学際的アプローチ」
報 告者:
リサ・リョーコ・ワカミヤ (フロリダ州立大学/米国):

「いつ亡命者は帰郷するのか:トランスナショナリズム とこんにちのロシア文学」

毛利公美 (北海道大学):

「ロシア亡命文学における写真の使用」

金子えつこ (四国学院大学) :

「プーシキン散文文学の統語論におけるガリシズムにつ いて」

16:30-17:50
第4セッション: 「世界経済とロ シア経済」
報 告者:
セルゲイ・アフォンツェフ (世界経済国際関係研究所、モスクワ/ロシア):

「関税率統一の政治経済学:ロシアの事例」

大野成樹 (北海道大学) :

「石油、ガスとロシアの銀行セクター」

 国際若手研究者ワークショップは、21世紀COEプログラム「スラブ・ユーラシア学の構築」の一環として、日本在住の若手研究者が国際的な場で研究発表 し、英語で討論する能力と度胸を育てること、海外の有望若手研究者を若いうちから親日家にしてしまうことを目標にして、冬期シンポジウムに付属して昨年度 から実施されています。第1回ワークショップについては、その報告ペーパーの大半がスラブ研究センター発行の英文論文集やACTA SLAVICA IAPONICA誌上において近刊されることに示されるように、国際シンポジウムの本体にも劣らない水準でした。しかし、東京大学のようないわゆる有名大 学からの応募が少ないことに示されるように、このワークショップの趣旨が日本のスラブ・ユーラシア学界において浸透しているとは言えません。上記のプログ ラムに示されるように、第2回ワークショップも刺激的なものになることは間違いありませんから、多くの研究者の参加を呼びかけるものです。

[松里]


2004年度夏期国際シンポジウム開かれる

 7月14日から16日にかけて、スラブ研究センター夏期国際シンポジウム「21世紀のシベリア・極東:『アジア共同体』のパートナー」が、ルネッ サンス札幌ホテルで開催されました。このシンポジウムは21世紀COE研究教育拠点形成プログラム「スラブ・ユーラシア学の構築:中域圏の形成と地球化」 (代表:家田修)の主催のもと、科学研究費補助金基盤研究B「ポスト冷戦時代のロシア・中国関係とそのアジア諸地域への影響」(代表:岩下明裕)の研究グ ループの支援を受けて、企画されました。

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セッ ション2のようす

今回のシンポジウムはシベリア・極東という道内でも関心の高いテーマであることを考慮し、一般参加者の便宜のため、会場を北大から街なかのホテルに移し、 またロシア語・英語に日本語を加えた3ヵ国語の同時通訳を準備しておこなわれました。シンポジウムは、シベリア・極東の一線の専門家を招請し、韓国・中 国・米国・日本の一級の研究者との議論及び対話の場を設けることで、シベリア・極東が、形成されつつある「アジア共同体」の一員たりうるかどうか、現状と 展望、さらには困難と課題を多角的検証しようとするものでした。シンポジウムは、シベリア・極東において数少ない科学アカデミー正会員であるヴァレリー・ クレショフ氏の「21世紀最初の数十年におけるシベリア・極東の経済統合」、プリンストン大学のギルバート・ローズマン氏の「ロシア極東をめぐる日本と中 国の競争」の2つの講演を皮切りに、地域経済統合、国際関係、エネルギー、漁業、文学、歴史などの様々なテーマを掘り下げて議論しました。


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ル ネッサンス札幌ホテルの会場

シンポジウムの報告者は、計20人、その内訳は外国人(ロシア7、韓国2、中国2、米国3)と日本人6人でしたが、その構成はバラエティーにとんで いまし た。ロシア人に関しては、あえてモスクワからは報告者を招請せず、ノボシビルスク、ハバロフスク、ウラジオストク、サハリンから各2人づつ(うち1人は討 論者として招請)の構成とし、シベリア・極東の専門家の視点を重視しました。中国人に関しては、ハルビン、北京、上海から(うち1人は討論者)、韓国人も イギリスやシンガポールで活躍中の研究者を招請するなど、多様なコミュニティからの顔ぶれを招請することで、議論の広がりを持たせました。
国内の専門家のみならず、マスコミや一般市民によるシンポジウムへの注目度も極めて高く、総参加者数は300人、どのセッションも常に100人を越える盛 況ぶりでした。道内や東京のシンクタンク、行政関係者、企業らシベリア・極東の実務に関わる方々も、多数、参加されました。また北海道新聞・朝日新聞・読 売新聞がシンポジウムの開催や成果を第1社会面、2面などで報道し、NHKと北海道テレビが初日のオープニング・セッションを、札幌テレビが最終日の漁業 セッションを、番組のなかで大きく取り上げました。


これまで先端的研究機関としては内外に広く知られていたセンターですが、今回のシンポジウムを通じて、北海道や札幌での認知度を著しく高めることができた のではないかという意味において、あえて「街なか」で開催した今回のシンポジウムは成功であったといえます。今回のシンポジウム開催にあたり、ご協力とご 支援をいただいた関係者のみなさまに心よりお礼を申し上げます。
[岩下]




「2004年北東アジア次世代ワークショップ」開催される

7月17日(土)から7月19日(月)の3日間、21世紀COE研究教育拠点形成プログラム「スラブ・ユーラシア学の構築:中域圏の形成と地球化」 (代表:家田修)の主催する「2004年北東アジア次世代ワークショップ」が、センター大会議室を会場に開催されました。このワークショップは今年が初め ての試みで、上記のCOEプログラムでいう「中域圏」の一つであるシベリア・ロシア極東と、その周辺地域である北東アジア諸地域でフィールドワークをおこ なっている、あるいは今後おこなおうとしている若手研究者や、NGO職員などを主な対象としておこなわれました。なお、今回のワークショップの使用言語は 日本語で、外国人講師の講義は日本語に逐次通訳されました。
ワークショップのカリキュラムは第1日目(7月17日)が「北東アジア(ロシア極東)におけるフィールドワークの経験」で、都市形成史の立場から 「1905年~45年の南樺太における都市の形成:豊原の場合」(井澗裕氏・スラブ研究センターCOE非常勤研究員)、言語学の立場から「サハリンの消滅 の危機に瀕する諸言語をフィールドワークする」(白石英才氏・オランダ・フローニンゲン大学文学部助手)、朝鮮人ディアスポラ研究の立場から「ソウルに集 う:ポスト・ソヴィエト社会における『朝鮮』の越境」(山下亮氏・在ユジノサハリンスク日本総領事館専門調査員)、日ロ経済協力史研究の立場から「シベリ ア・極東における日ロ経済協力の歴史」(杉本侃氏・日本経団連日ロ経済委員会参与)の講義がおこなわれました。
2日目(7月18日)は「歴史の視点から」をテーマに、ロシア科学アカデミー・シベリア支部経済産業組織研究所のシルベルストフ副所長による「シベリア・ 極東の地域経済の発展:歴史的アスペクト」、サハリン国立大学のヴィソコフ歴史学部長の「ロシア東部の中央部への統合と通信手段の発展」、スラブ研究セン ターの原暉之教授による「住民形成と商品流通の歴史から見たロシア極東」の3つの講義がおこなわれました。
最終日には、「北東アジアのエネルギー資源と安全保障」を共通テーマに、ロシア科学アカデミー極東支部経済研究所のカラシニコフ主任研究員による「北東ア ジアにおける安全保障とロシアのエネルギー資源」、ウラジオストク経済大学のセヴァスチャノフ教授による「北東アジアにおける安全保障とロシアの役割」の 2つの講義がおこなわれました。また、同日には、ロシア科学アカデミー会員であり、シベリア支部経済産業組織研究所長であるクレショフ氏が「21世紀にお けるシベリア・極東経済の発展」をテーマに最終講義をおこないました。
週末と休日の3連休であることに加え、休憩を挟みながらも午前10時~午後5時というハードなスケジュールでしたが、3日間の延べ出席者は48名に上りま した。その主な内訳は北大および他大学の大学院生が17名、大学等の教員が7名、民間研究機関・NGO職員が5名、民間企業職員が3名等でした。
 いずれの講義も、長年にわたるフィールドワークや歴史研究に裏打ちされた高度な内容のもので、多数の質問が寄せられ、活発な質疑応答がおこな われました。

[荒井]




国際シンポジウム 「地位法症候群」の開催

 21世紀COEプログラム、スラブ研究センター、そしてハンガリーの三つの研究機関(法学研究所、少数民族問題研究所、テレキ・ラースロー研究 所)が共催して「地位法症候群:ポスト共産主義の国民形成それともポスト近代の市民権 The Status Law Syndrome: Post-Communist Nation-Building or Post-Modern Citizenship?」と題した国際シンポジウムが10月14-16日の日程でブダペストにおいて開催されます。詳しいプログラムは以下に掲載したと おりです。
この国際会議はスラブ研究センターの専任を中心にしておこなわれてきた科研費研究「東欧の地域社会形成と拡大EUの相互的影響に関する研究」(研究代表: 家田修)での研究成果を出発点とし、2001年にハンガリーで制定され東欧そして欧州で国際的な議論を呼び起こした「隣国に住むハンガリー人に関する地位 法」についての国際共同研究が下地となって準備されました。この共同研究の成果は近くスラブ研究センターから21世紀COEプログラムの英文出版シリーズ Slavic Eurasian Studiesの第4巻 The Hungarian Status Law: Nation Building and/or Minority Protection[ハ ンガリー地位法:国民形成それとも少数民族保護]として刊行されます。
今回の会議ではハンガリー系少数民族をめぐる地位法に留まらず、東欧や旧ソ連の国外同胞問題、いわゆるディアスポラ問題が政治、社会、文化、法律など多岐 にわたる学際的な観点から議論されます。参加する研究者もインド、アメリカ、日本、トルコ、イギリス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、オランダ、ルーマニ ア、ハンガリー、以上の11ヵ国に及びます。
欧州統合、国民統合、そしてディアスポラという欧州が直面する複雑で多層な問題群に焦点があてられます。詳細は家田mail:ieda@slav.hokudai.ac.jpまでどうぞ。

14-16 October 2004
International Conference
The Status Law Syndrome: Post-Communist Nation-Building or Post-Modern Citizenship?

At the Institute of Legal Studies (HAS), Budapest, I. Országház utca 30."Jakobinus" hall
Thursday, 14 October 2004
10:00-
Opening Remarks: Osamu Ieda (Hokkaido University, Sapporo)


Session 1. The Status Law and nation Politics (Chair: Osamu Ieda)
10:15-10:30
Brigid Fowler (University of Birmingham): The Status Law in European Context
10:30-10:45
Zoltán Kántor (Teleki Institute, Budapest): The Uses (and misuses) of the Concept of Nation in the ECE 'Status Laws'
10:45-11:00
Maria Kovacs (Central European University, Budapest): Autonomy and Double Citizenship
11:00-11:15
Stephen Deets (Miami University of Ohio): The Hungarian Status Law and the Spectre of Neo-Medievalism in Europe
11:15-12:00
Discussion Time


Session 2. International Approaches (Chair: Viktor Masenkó-Mavi, Institute of Legal Studies, HAS, Budapest)
12:15-12:30
Walter Kemp (Office of the Secretary General of the OSCE, Vienna): The Triadic Nexus: Lessons Learned from the Status Law
12:30-12:45
Judit Tóth (Minority Studies Institute, HAS, Budapest): Kin-Minority, Kin-State and Neighbourhood Policy in the Enlarged EU
12:45-13:00
Herbert Küpper (Institute for East European Law, München): From the Status Law to the Initiative for Dual Citizenship: Aspects of Domestic Hungarian and International Law
13:00-13:15
Balázs Majtényi (Institute of Legal Studies, HAS, Budapest): Utilitarism in Minority Protection (Status Laws and International Organizations)
13:15-14:00
Discussion Time


Session 3. Comparative Aspects (Chair: Dimitras Panayote, Greek Helsinki Monitor)
15:00-15:15
Sherrill Stroschein (Weatherhead Center, Harvard University, Cambridge MA): Weber, Territory, and the Status Law: Time for New Assumptions?
15:15-15:30
Zsuzsa Csergo and James M. Goldgeier (George Washington University, Washington D.C.): Virtual Nationalism in Comparative Context: How Unique Is the Hungarian Approach?
15:30-15:45
Iván Halász (Institute of Legal Studies, HAS, Budapest): Models of Kin-Minority Protection in Eastern and Central Europe
15:45-16:00
Amitabh Singh (Jawharlal Nehru University, New Delhi): Hungarian Status Law: A Model for Kin-Minority Protection in Post Communist Societies
16:00-16:15
Natsuko Oka (Institute of Developing Economies, Chiba, Japan): Kin-Minority Protection in Central Asia
16:15-17:00
Discussion Time


Friday, 15 October
Session 4. Socio-Cultural Implication of the Status Laws (Chair: George Schöpflin, University College London)
10:00-10:15
Osamu Ieda: Ideological Background of the Status Law Controversy in Hungary
10:15-10:30
Tjeerd de Graaf (Frisian Academy, Ljouwert/Leeuwarden, The Netherlands): The Specific Situation of Ethnic Minority Group in the Soviet Union. The Mennonites and Their Relation with the Netherlands, Germany, Poland and Russia
10:30-10:45
Nigel Swain (The University of Liverpool, Liverpool): The Innocence of Article Eighteen, Paragraph Two, Subsection E.
10:45-11:00
András László Pap (Kodolanyi College, Székesfehérvár, Hungary): Minority Rights and Diaspora Claims: Collision and Interdependence
11:00-11:45
Discussion Time


Session 5. The Status Law and the EU (Chair: László Szarka, Minority Studies Institute, HAS, Budapest)
12:00-12:15
George Schöpflin: Beyond the Status Law: Hungary and the EU
12:15-12:30
Gabriel von Toggenburg (European Academy, Bolzano/Bozen): What Status for 'Status Laws' in the Postnational EU Market?
12:30-12:45
Balázs Vizi (Minority Studies Institute, HAS, Budapest): Cross-border Minority Protection and European Integration
12:45-13:00
Helge Hornburg (Faculty of Law, Technical University, Dresden): The Relationship of Kin-State/Kin-Minority Legislation and European Community Law, Especially the Prohibition of Discrimination
13:15-14:00
Discussion Time


Session 6. 'Status Laws' in Europe and Beyond (Chair: Zoltán Péteri, Institute of Legal Studies, HAS, Budapest)
14:45-15:00
Constantin Iordachi (Central European University, Budapest): Dual Citizenship and National Policies in Post-Communist East-Central Europe: A Comparison between Hungary, Romania, and the Republic of Moldova
15:00-15:15
Özgür-Baklacioglu Nurcan (Faculty of Political Science, Istanbul University): Migration, Dual Citizenship and Nation-Building in Post-Cold-War Bulgaria and Turkey
15:15-15:30
Gábor Kardos (ELTE, Budapest): Prospect for Kin-States?;
15:30-15:45
László Szarka (Minority Studies Institute, HAS, Budapest): Slovak Reactions to the Hungarian Status Law
15:45-16:30
Discussion Time


Saturday, 16 October

Closed Workshop




2005-06長期外国人研究員決まる

 2005年度の長期外国人研究員の正候補3名が以下のように決まりました。この3名は、計64名の応募者の中から2ヵ月以上に及ぶ慎重な審査の上 で選ばれました。

M.D.ドルビロフ(Dolbilov, Mikhail Dmitrievich)(ヴォロネジ国立大学歴史学部/ロシア)
研究テーマ: 大改革期における辺境地域:ロシア帝国北西部における 「国家建設者」としての官 僚制 1855-1881年
滞在予定期間: 2005 年7月1日~2006年3月31日
E.M.グチノヴァ(Guchinova, Elza-Bair Matsakovna)(ロシア科学アカデミー民族学・人類学研究所/ロシア)
研究テーマ: ジェンダーの視点から見たソ連期のカルムイク人強制移 住 1943-1956年
滞在予定期間: 2005 年6月1日~2006年3月31日
M.E.レノー(Lenoe, Matthew Edward)(ア サンプション大学歴史学部/米国)
研究テーマ: ソヴィエト文化、政治統制、プロパギャンダの枢軸時代  1917-1941年
滞在予定期間: 2005 年6月1日~2006年3月31日

[山村]



2005-06 21世紀COE外国人研究員の募集開始

 2005年度21世紀COE外国人研究員若干名の募集がまもなく開始されます。募集期間は2004年11月15日~12月24日、滞在期間は 2005年6月~2006年3月の間の1~3ヵ月間。条件その他くわしい要綱・応募用紙(英文)はセンターのホームページに掲 載されています。

[松里]



研究会活動

 ニュース98号以降の北海道スラブ研究会およびセンター研究会の活動は以下の通りです。

[大須賀]
7月9日 第7回北海道大 学-ソウル大学ジョイントシンポジウム分科会
"The Crossroad of Historiographies of Imperial and Soviet Russia: Dialogue among Russian, Korean and Japanese Historians"

I. ルコヤノフ(ロシア科学アカデミー歴史学研究所/サンクトペテルブルグ/センター外国人研究員)


"Korean Policy of Russia at the Turn of the 19-20th Centuries"

N.キム(ソウル大/韓国)


"The Changing Labor Conditions of the Leningrad Metalworkers Between the Late 1920s and Early 1930s: Improvement or Deterioration?"
7月29日-30日 第5回「ロシアの中のアジア/アジアの中のロシア」研 究会

M.イシチェンコ(サハン国立大、ロシア)


「19世紀後半-20世紀初頭におけるサハリン島の人 口(ロシア語)」

天野尚樹(北大・院)


「『ロシア』の範囲:19世紀後半におけるロシア人の サハリン認識」

麓慎一(新潟大)


「19世紀後半における日露関係と樺太問題:幕末・維 新期を中心に」

倉田有佳(北大・院)


「Kh.P.ビリチの生涯:20世紀初頭のロシア極東 と日本」

井潤裕(センター)


「ユジノ-サハリンスク:その都市史論的予備考察」

板橋政樹(日本ユーラシア協会)


「日露戦争と樺太『残留ロシア人』」

池田裕子(北大・院)


「1930年代の樺太における実業教育:樺太庁拓殖学 校を中心として」

三木理史(奈良大)


「1930年代の樺太石炭業と拓殖計画」

竹野学(北大・院)


「戦時期樺太における製糖業の展開」
7月31日 第3回東欧中域 圏研究会

中澤達哉(学術振興会特別研究員)


ハンガリーの『王国の王冠』『王国の共同体』『王国の身体』:前近 代の『レスプブリカ』と『地域』の再考」
8月23日 (センターセミナー)

V.カルポフ(ウクライナ軍中央博物館)


「第二次大戦後のサハリン・クリル諸島からの日本民間 人・軍事捕虜の本国送還(ロシア語)」

M.ヴィソコフ(サハリン国立大、ロシア)


「第二次大戦後サハリン州の経済発展:ロシアの島嶼植民地領域にお ける社会主義のモデルの成立、開花、そして崩壊(ロシア語)」
8月31日 第6回「ロシア の中のアジア/アジアの中のロシア」研 究会

左近幸村(大阪大・院)


「20世紀初頭のロシア極東における『ロシア化』政策」

O.バトバヤル(北大・院)


「日本の一次史料から見たモンゴル情勢とロシア・モンゴル関係 1911-1915」
9月22日-24日 「史料から見る中央ユーラシア」研究会

森本一夫(北大)


「[紹介と批評] B. Fragner著 DiePersophonie: Regionalistat, Identitat und Sprachkontakt in der Geschichte Asiens. Berlin, 1999」

西村淳一(九州大)


「アラビア語・ペルシア語地理書中の wilaya:『諸道と諸国の書』における用例の分析を中心に」

真下裕之(京都大)


「南アジア・中央ユーラシア・ペルシア語文化圏」

秋山徹(北大・院)


「歴史の中のマナプ像:中央アジア遊牧民社会史の再構 築に向けて」
9月30日 「ロシアへのまなざし」研究会


A. チュダコーフ(ロシア科学アカデミー世界文学研究所/作家)


「ロシア文化の特徴に関するチェーホフ的視点(ロシア 語)」
10月8日 ロシア・東欧学 会、スラブ研究センター、北海道スラブ研究会共催特別シンポジウム

E.パワシ=ルトコフスカ(ワルシャワ大、ポーランド)


「日露戦争とポーランド」

S. エセンベル(ボガジチ大、トルコ)


「日露戦争とトルコ」

稲葉千晴(名城大)


「日露戦争とフィンランド」

N. ムハリャーモフ(カザニ・エネルギー大、ロシア/センター21世紀COE 外国人研究員)


「ヴォルガ地方のイスラム:未完の政治化、それとも遅れてきた政治 化?」

R. ガリャーモフ(バシコルトスタン農業大、ロシア)


「イスラム指導者:社会学的背景と人脈」
10月13日 第4回「地域研究と中域圏フォーラム」研究会

松里公孝(センター)


「地域研究と歴史学:帝国への空間的アプローチ」


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