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お知らせ

 木村汎先生のご逝去によせて

     北海道大学の名誉教授で、本センターの功労者でもある木村汎先生が2019年11月14日の朝、他界されました。先生は長年、「ミスター・スラ研」と言われるほどに本センターの顔として活躍され、わが国の対ロシア外交研究の第一人者として学界を牽引されてこられました。先生は、とくに北方領土問題にかかわる研究や提言で知られており、日本の対外政策決定にも少なからぬ影響を与えてこられましたが、ロシアの対中、対米関係にも造詣が深く、とくに交渉とは何かという観点から外交を省察されておられました。近年はプーチンの政治の研究に労力をさかれ、大著を次々と刊行され、先生のパワフルなお仕事ぶりに私たちは日々、圧倒されるのみでした。


     先生の葬儀は17日に、ご自宅近くの西宮で営まれ、弔辞は盟友ともいえる袴田茂樹先生が読まれました。センターからは副センター長の田畑が代表して参列しましたが、北大の笠原理事ほかセンター内からも複数の花輪が届けられていました。木村先生は,センターが1970年代、80年代に国内的にも国際的にも発展していくそのプロセスに大きな貢献をなされた方ですが、30代から50代の貴重な時期を先生はセンターで過ごされており、そのお仕事が何よりも常にセンターとともにあったことを改めて感じました。一同、心よりご冥福をお祈りします。

    (田畑伸一郎・岩下明裕)

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