スラブ研究センターニュース 季刊 2010 年冬号 No.120 index
『ペルシャ語が結んだ世界:もうひとつのユーラシア史』(森 本一夫編著)が北大出版会から「スラブ・ユーラシア叢書」シリー ズの一つとして刊行されました。現在では日本ではなじみの薄 い国々で使われる「マイナー」な言語にすぎないペルシャ語は、 かつてインドを何世紀にもわたって支配したムガル帝国の正式 な言語であったほど、広域にわたって通用していました。本書 はそうしたペルシャ語の通用で結び付けられた世界の姿を解明 しようとするものです。
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序章 森本一夫
ものを書くことから見たペルシア語文化圏:その面的把握をこえて 第1部 文献ジャンルから見たペルシア語文化圏 第1章 近藤信彰 ペルシア語詩人伝の系譜:韻文学の隆盛と伝播 第2章 矢島洋一 ペルシア語文化圏におけるスーフィー文献:著述言語の変遷とその意義 第3章 磯貝健一 イスラーム法とペルシア語:前近代西トルキスタンの法曹界 第2部 地域から見たペルシア語文化圏 第4章 菅原睦 中央アジアにおけるテュルク語文学の発展とペルシア語 第5章 川口琢司 18 世紀クリミアのオスマン語史書『諸情報の要諦』における歴史著述:ペルシ ア語文献からの影響を中心に 第6章 中西竜也 清代の中国ムスリムにおけるペルシア語文化受容 第7章 真下裕之 南アジア史におけるペルシア語文化の諸相 |