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 研究員の仕事の前線

   京都大学・東京外国語大学とクロスアポイントメントを実施


    北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターは、人文社会系の地域研究に係る教育研究の活性化・強化のため、京都大学東南アジア地域研究研究所(CSEAS)および東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所(ILCAA)と、クロスアポイントメントに関する協定を締結しました。クロスアポイントメント制度は、研究者が複数の大学等と雇用契約を結び、各機関の責任の下で業務を行う仕組みです。


    2021年10月1日より、CSEASの村上勇介教授、ILCAAの黒木英充教授がクロスアポイントメント適用教員となり、北海道大学教授として教育研究活動を行います。また当センターの長縄宣博教授が、同様に東京外国語大学教授として教育研究活動を行います。エフォート率は、それぞれの本務校が90%、クロスアポイントメントによる所属先が10%となります。


    当センターは、2004年4月に発足した地域研究コンソーシアム(現在、国内の大学・研究機関など104組織が加盟)の設立メンバーとなるなど、CSEASおよびILCAAと共に長年にわたり日本の地域研究をリードしてきました。また、京都大学地域研究統合情報センターを前身の一つとするCSEASが東南アジアだけでなく、南米や中央アジアなどの地域研究もカバーしていること、ILCAAがイスラームや中東研究に強みを持っていることから、スラブ・ユーラシア地域の教育研究を担う当センターと共同研究しうる分野も少なくなく、これまでも3機関での連携を進めてきました。


    刻一刻と変化し予測が難しい世界的変動を読み解くためには、旧来の地域割りを超え、地域横断的に鳥瞰する総合的な研究力の強化が求められています。今回、当センターは両研究所との人材交流も含めた共同研究体制を組み、このような時代の要請に積極的に対応することにしました。


    北海道大学教授としてお迎えする村上教授は、ラテンアメリカ政治研究の第一人者であり、比較政治の分野でも学界をリードしており、当センターの強みでもある中東欧との比較および境界研究(ボーダースタディーズ)との接合など、地域研究の広域化への貢献が期待されます。また、黒木教授は中東・イスラーム学の著名な専門家であり、スラブ・ユーラシア地域におけるイスラーム研究、中東とロシアを結びつけた国際政治の分析など新しい視座からの貢献が期待されます。東京外国語大学教授として勤務する長縄教授も、ILCAAのイスラーム学の研究にスラブ・ユーラシアの知見を加えることで、当該分野の地域研究に厚みを持たせる貢献が期待されます。


    3名の教授はそれぞれ国際的な研究活動の経験も豊富であり、クロスアポイントメント制度を通じて、当センターはCSEASおよびILCAAと共に、日本の地域研究の国際的な発展のためにさらに努めていきたいと考えています。


    北海道大学プレスリリース


    黒木英充教授 村上勇介教授 長縄宣博教授

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