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[スラブ・ユーラシア叢書 13]

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 紅い戦争のメモリースケープ
――旧ソ連・東欧・中国・ベトナム

 
「スラブ・ユーラシア叢書」第13巻の刊行


編著:越野 剛・高山陽子
2019年5月
北海道大学出版会 (出版社のページへ)
ISBN 978-4-8329-6845-5
定価 3200円 + 税

目   次


序 論 紅い戦争のメモリースケープ―ソ連・東欧・中国・ベトナム 高山陽子 1
1.紅いノスタルジア   1
  2.紅い戦争と社会主義リアリズム   4
  3.紅い戦争から見えるもの―抑圧された記憶と周縁化された身体   10
  4.紅い戦争の記憶の行方   13
  5.本書の構成   16
       
第Ⅰ部 抑圧された記憶と周縁化された身体―
第1章

ロシア・ベラルーシの戦争映画における敵のイメージ
  ―アレシ・アダモヴィチ原作の映画を中心に

越野 剛 23
  はじめに   23
  1.3つの物語   25
  2.外なる敵―ドイツ兵のイメージの変遷   29
  3.内なる敵と英雄の脱神話化―コラボレーターとパルチザン   35
  おわりに   41
第2章 封印された戦争の記憶―ベトナムにおける中越戦争の記憶 今井昭夫 45
  はじめに   45
  1.食い違う中越戦争像   47
  2.プロパガンダ合戦から語られぬ戦争へ 49
  3.状況の変化―南シナ海情勢の緊迫化   54
  4.小説『わたしと彼ら』における中越戦争   57
  おわりに   62
第3章 ソヴィエト・ロシアのプロパガンダにおける女性図像と象徴性
  ―社会主義国家の建設から総力戦体制へ
前田しほ 67

 

はじめに 67
  1.プロパガンダポスターのジェンダー秩序 70
  2.家族の再定義と女性像の象徴性 73
  3.総力戦体制とプロパガンダ 79
  おわりに 89
第4章

「救国の妓女」を描く中国映画

  ―社会主義文化における女性の身体と国家の想像

田村容子 95
  はじめに 95
  1.日中戦争期における「救国の妓女」 97
  2.対抗的な表象 100
  3.「救国の妓女」の空白期 104
  4.『南京!南京!』と『金陵十三釵』に見る「救国の妓女」 110
  おわりに 116
     
第Ⅱ部 紅い戦争の記憶の行方―
第5章

紅い刑事ドラマとチェコスロヴァキアの社会主義

  ―テレビによる同時代史の構築

福田宏― 125
  はじめに 125
  1.「正常化」時代におけるテレビドラマの重要性 126
  2.1950年代の描き方―宿敵ブラーハ中尉との戦い 131
3.1960年代の描き方―より高度な謀略と集団ヒステリー 135
  おわりに 140
第6章

中国における紅い英雄

  ―メモリースケープとしての烈士陵園の分析を通して

高山陽子 145
  はじめに 145
  1.武装蜂起と烈士の称号 147
  2.烈士のイメージ 150
  3.社会主義文化における烈士 155
  4.烈士の再定義 162
  おわりに 164
第7章

記憶の展示

  ―パノラマ・ジオラマによるメモリースケープ

向後恵里子 171
  はじめに 171
  1.パノラマ・ジオラマによる記憶の展示と「見る」体験 172
  2.パノラマ・ジオラマの展開と社会主義リアリズム 176

 

3.戦争のリアリティ 181
  4.傷つく人びとの表象 189
  おわりに―記憶と歴史の往還,「再演」をめぐって 197
第8章

記念碑の存在論

  ―ポスト・ソヴィエト・ロシアのメモリースケープを望んで

平松潤奈 201
  1.動く記念碑 201
  2.記憶レジームと記念碑 204
  3.テロルと戦争―ポスト・ソヴィエト・ロシアの二つの記憶 209
  4.社会主義リアリズム文化における記念碑の存在論 213
  5.不死の連隊―ゾンビのポスト・ソヴィエト・ランドスケープ 220
     
  あとがき―メモリースケープをめぐる旅 229
  事項索引 235
人名索引 239
執筆者紹介 240

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