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【大学院共通授業科目】 (集中講義)

「スラブ・ユーラシア学 環オホーツク海地域の経済と環境」

日時: 2014年2月6日(木)〜2月10日(月)
場所: スラブ研究センター4階大会議室(403)
趣 旨: 環オホーツク海地域,とくにロシア極東地域の経済発展がどのような状況にあり, それがこの地域の環境にどのような影響を及ぼしているかについて,学際的な視点から講義する。 また,この地域を題材に,持続的な経済発展という考え方について講義する。
成績評価: 授業への出席率、内容の理解度、討論への参加度によって評価する。
問合せ: 田畑(E-mail : shin<at>slav.hokudai.ac.jp 、<at>は@ に変換してください)

2月6日(木)

9:00〜12:00

 田畑伸一郎(北大)
  環オホーツク海地域の経済発展

要 旨 環オホーツク海地域,とくにロシア極東の経済の動態と現状について,その経済発展が持続可能なものであるのかという観点から講義する。ソ連崩壊後の20年間において,ロシア極東地域は,ロシアのなかでも,もっとも大きな変化を経験したと言える。この変化の意味を考察し,この地域の将来像を検討する。
参考文献 田畑伸一郎「環オホーツク海地域の経済発展」田畑伸一郎・江淵直人編著『環オホーツク海地域の環境と経済』北海道大学出版会,2012
田畑伸一郎「ロシア:エネルギー政策と気候変動政策」亀山康子・高村ゆかり編『気候変動と国際協調:多国間条約の行方』慈学社出版, 2011
堀江典生「ロシア極東地域」吉井昌彦・溝端佐登史編『ロシア経済論』ミネルヴァ書房, 2011
13:30〜16:30

 白岩孝行(北大)
  アムール・オホーツクのエコシステム

要 旨 世界でもっとも生産生の高いオホーツク海や親潮という我が国の近海は,その生産性の高さの一要因をアムール川が輸送する溶存鉄に依っている。この大陸と外洋を結ぶ物質・生命連環は,アムール川流域の各国で進行しつつある大規模な土地利用変化や全球規模の気候・環境変化によって大きく変容しつつある。この巨大魚附林(うおつきりん)とも呼ぶべきエコシステムの最下流に位置し,水産資源という形でシステムから利益を享受する日本は,いかにしてこのシステムの保全と持続可能性に寄与できるのか,その方策を紹介する。
参考文献 白岩孝行『魚附林の地球環境学』昭和堂, 2011
白岩孝行「アムール・オホーツクコンソーシアムの設立とその意義」桜井泰憲・大島慶一郎・大泰司紀之編著『オホーツクの生態系とその保全』北海道大学出版会, 2013
白岩孝行「オホーツク海の命運を握るアムール川」田畑伸一郎・江淵直人編著『環オホーツク海地域の環境と経済』北海道大学出版会, 2012
16:45〜18:00

 討 論


2月7日(金)

9:00〜12:00

 山村理人(北大)
  ロシア極東の農業問題

要 旨 本講義では,ロシア極東の農業問題に焦点をあてて論じる。ロシア極東は,農業においても,ソ連崩壊後の20年あまりの期間にロシア全体のなかでもっとも劇的な変化を経験してきた。それは,生産の急激な落ち込み,土地利用の大きな変容,隣接諸国からの農業進出拡大などを伴うものであった。この地域の農業の中核を占めてきたアムール流域地域を中心に,農業の動態と現状,その背景について考察し,自立的な再生と発展の可能性を検討する。
13:30〜16:30

 田畑 朋子(北大)
  ロシア極東の人口問題

要 旨 ロシア極東では,ソ連崩壊後の20年間に人口が2割減少した。 この地域の人口減少は,欧露部をはじめとする他地域への人口流出によるものである。 極東からの人口流出は1990年代に著しかったが,2000年代に入っても続いている。 ロシア極東では,2000年代における連邦政府の多額の投資資金の投入により, エネルギー開発を中心とした未曾有の経済発展が生じている。そのようななかで, 依然として人口減少が続いているというパラドクスについて,2010年国勢調査の結果を踏まえて考察する。
参考文献 田畑朋子「ロシア極東の人口問題」田畑伸一郎・江淵直人編著『環オホーツク海地域の環境と経済』北海道大学出版会,2012
田畑朋子「ロシアの出生率改善要因」『ロシア・東欧研究』第39号,2010
E.L. モトリチ「ロシア極東の人口再生産におけるマイグレーション」『東アジアにおけるロシア極東地域と日本』日ロ極東学術交流会,2013
16:45〜18:00

 討 論

2月10日(月)

9:00〜12:00

 本村 眞澄(JOGMEC)
  ロシア極東・東シベリアにおけるエネルギー開発

要旨 ロシアの石油ガス開発の歴史において,ロシア極東,東シベリアは後発地域であるが, 資源立国ロシアの立場を維持するために,今後の主要探鉱地域と一つとして,積極的な投資が続けられている。 資源開発に平行してパイプラインという輸送インフラの建設も大規模に展開され, その輸出先である北東アジア諸国との関係も国際的に議論されるテーマとなっている。 ロシアの北東アジアにおける影響力の将来像と,これに影響を与える新しいエネルギー供給の動向を考察する。
参考文献 本村眞澄「ロシア・極東東シベリアにおけるエネルギー開発」田畑伸一郎・江淵直人編著『環オホーツク海地域の環境と経済』北海道大学出版会,2012
本村眞澄『石油大国ロシアの復活』アジア経済研究所,2005
本村眞澄『日本はロシアエネルギーをどう使うか』(ユーラシア・ブックレットNo. 187)東洋書店,2013
13:30〜16:30

 徳永 昌弘(関西大)
  環オホーツク海地域の環境問題

要 旨 環オホーツク海地域における持続的発展の問題を考えるために,ロシアにおけるシベリア・極東開発の歴史および現状と,その環境面の影響を中心に講義する。同地域の開発と環境のあり方をめぐり注目された事例として,サハリン沖石油・天然ガス開発(サハリン2)や極東漁業におけるMSC認証ラベル導入などを取り上げる予定である。
参考文献 徳永昌弘「エコラベルはロシアの水産資源を救うか」『ユーラシア研究所レポート』(オンライン),2013
徳永昌弘:書評 田畑伸一郎・江淵直人編著『環オホーツク海地域の環境と経済』(北海道大学出版会,2012)『比較経済研究』第50巻第2号,2013
徳永昌弘『20世紀ロシアの開発と環境:「バイカル問題」の政治経済学的分析』北海道大学出版会,2013
徳永昌弘「開発と環境」吉井昌彦・溝端佐登史編著『現代ロシア経済論』ミネルヴァ書房,2011
16:45〜18:00

 討 論

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