Eurasia Unit for Border Research (Japan)

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What's New Archives

2017.09.11

【関連イベント】「外国人若手研究者が考える日露関係」が根室市で開催されます!

根室市で開催されます「外国人若手研究者が考える日露関係」のお知らせです。

報告者1:ファベネック・ヤン(北海道大学)

「ロシア海域における流し網漁禁止の原因 「漁業」を中心に見るカムチャッカ地方--サハリン州--北海道の近隣関係、及びロシア極東の水産界が抱える構造問題の分析」

報告者2:アリベイ・マムマドフ(北海道大学)

「北方領土での日露共同経済活動が領土問題解決のためのカギなのか--ロシアにおける議論を中心に--」

コメンテーター:本間浩昭(毎日新聞社)

日 時:2017年9月21日(木)18:30-20:00

場 所:根室市、北海道立北方四島交流センター(ニ・ホ・ロ) MAP

イベントの詳細はこちらでご覧ください。

2017.09.07

スラブ・ユーラシア研究報告集 No.9 "Positioning Asia and Kyushu in Shifting Global Politics" の刊行

スラブ・ユーラシア研究報告集 No.9 "Positioning Asia and Kyushu in Shifting Global Politics" が刊行されました。

2016年12月17・18日に北九州国際会議場で行われた国際シンポジウム「流動する北東アジア ~紛争か、協力か~」の基調講演と第一セッションを成果としてまとめたものです。本シンポジウムは、人間文化研究機構ネットワーク型基幹研究プロジェクト「北東アジア地域研究推進事業」北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター拠点と、公益財団法人九州経済調査協会が主催したもので、とくに12月17日は九州経済調査協会創立70周年記念事業として行われました。こちらから全文をダウンロードいただけます。ぜひご参照ください。

2017.08.31

斉藤マサヨシ氏による写真集『サハリンに残された日本』刊行のお知らせ

 斉藤マサヨシ氏による写真集『サハリンに残された日本』が、このたび北海道大学出版会より刊行されることとなりました。2017年9月13日発売予定です。

 当境界研究ユニットは、斉藤マサヨシ氏にこれまで何度もご協力いただいており、先日告知を行いました「国境観光」展示でも、メイン・コンテンツ「ボーダー・ツーリズム小笠原」をご担当いただきました。

 このたび刊行されます『サハリンに残された日本』には、かつての日本の面影とともに、現在暮らしている人々のことが身近に感じられるようないきいきとした写真が納められています。取材はサハリンの各地に及んでおり、なかなか行くことのできないその土地について知るためにも貴重な一冊となるでしょう。

 北海道大学出版会で注文を受け付けております。詳細につきましてはこちらをご覧ください。また、注文をご希望の場合は2枚目の注文票をお使いください。

(文責:斎藤慶子)

2017.08.14

【開催レポート】第8回ボーダースタディーズ・アジア太平洋セミナー(2017年8月14日)

2017年8月14日に、九州大学西新プラザ多目的室にて "The 8th Asia-Pacific Border Studies Seminar on [Trans] Border Security" が開催されました。本セミナーには、本年6月~8月にかけて北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター外国人研究員として来日されていたヤロスワフ・ヤンチャク氏が講師として参加しました。




開催レポートをこちらからご覧いただけます。(英文)
>>> Report on the 8th Asia-Pacific Border Studies Seminar

2017.08.02

[Call for papers] Association for Borderlands Studies (ABS) 2nd World Conference will be held on 10th - 14th July 2018

Association for Borderlands Studies(ABS) の第二回世界大会が2018年7月10-14日にウィーンとブダペストで開催されます。

★ABS 2nd World Conferenceの公式ウェブサイトはこちらです。[Click]

★Call for papersの詳細についてはこちらをご覧ください(締切:2017年8月15日)。[Click]

2017.08.02

北大総合博物館「国境観光」展示リニューアルのお知らせ

 国境観光境界研究ユニット(UBRJ)は、北海道大学総合博物館(2階スラブ・ユーラシア研究センター境界研究ユニットのブース)にて行っている展示内容をリニューアルしました。

メインコンテンツは、稚内市在住の写真家(兼学芸員)斉藤マサヨシ氏による小笠原諸島の風景写真です。目に染みるような青い色の海、色鮮やかな鳥たちの姿など、たいへん夏らしく、明るい太陽光が印象的な作品の数々をご覧になれます。

 岩下明裕・ユニットリーダーが監修した国境観光についての解説パネルには、中露国境と、根室への旅の報告が加わりました。

 また、「美の外交官:ボリショイ劇場バレエ団」と題したミニ・コーナーも設けました。今年、初来日60周年を迎えたボリショイ劇場バレエ団と、日本との文化交流を記念した展示です。

 総合博物館は、月曜を除く毎日10時から17時まで(6~10月の金曜は21時まで)開館しております。ぜひお立ち寄りください。

https://www.museum.hokudai.ac.jp/


(斎藤慶子)


ボーダーツーリズム小笠原


斉藤マサヨシ氏(右から2番目)と展示担当スタッフ


「美の外交官:ボリショイ劇場バレエ団」

2017.07.28

SRC夏期国際シンポジウム「中国とロシア・北東アジアの断層線:百年にわたる競争的協力」開催報告

2017年7月13日(木)・14日(金)の二日間にわたり、スラブ・ユーラシア研究センターで夏期国際シンポジウムが開催されました。今回のシンポジウムの課題は、グローバル・レベルでも北東アジア地域においても益々プレゼンスが高まりつつある中国とロシアの関係を多面的に検討することでした。センター内外からの参加者は、二日間で延べ153名に上りました。本センターは、2016年度から始まった「人間文化研究機構(NIHU)北東アジア地域研究推進事業」の全国6拠点の一角を占めており、今回のシンポジウムは当該事業の一環として位置づけられます。国内の報告者はNIHU北大拠点および科学研究費「中露関係の新展開:『友好』レジーム形成の総合的研究」(代表:ディヴィッド・ウルフ)のメンバーが中心的役割を果たす一方、海外からの報告者はカナダ、中国、英国、ロシア、モンゴル、インド、メキシコ、ポーランドなど多様な地域から集まりました。

 内容面では、本シンポジウムの目的と意義を提示するオープニング・セッション(「沖合に中国とロシアを眺めて」)に続き、テーマ別に5つのセッションが設けられ、最後に全体を総括するディスカッション・パネル(「中露関係再考」)を行うという構成でした。初日の第一セッションは「東を向くロシア・西へ進む中国:外交と安全保障政策」と題し、若手のロシア研究者と中国研究者が軍事ファクター、パワーバランス、非対称な依存関係の観点から中露関係の現状に関する報告を行いました。討論者からは、中露関係の本質がより複雑な依存関係にあるという指摘のほか、地域協力の深化のために何をなすべきかという視点が必要ではないかという問題提起がされました。第二セッション「地域大国と北東アジア地域:歴史と理論の観点から」では、冷戦期全体のインドの立ち位置に影響を与えたネルー政権期の北東アジアとの関係、ロシア革命の経験が中露境界地域での接触を通じて中国の発展に与えた影響、1950年代の北東アジア諸国の同盟形成の理論化という三つの報告を通じて、過去から現在へのインプリケーションが提示されました。また、第三セッション「ロシア極東と中国・ロシア国境地帯」では国家レベルの友好/対立に境界地域の接触がどのように左右されてきたか、あるいはされなかったかが議論されました。ここでは、現在のロシア極東地域開発における先進経済特区の意義、1960-70年代の中ソ間のイデオロギー・軍事対立が国境地域の接触に及ぼした変化、そしてユダヤ自治州、アムール州の主要輸出品である大豆の生産を事例に、中国との土地取引による相互依存の実態が論じられました。

 二日目の第四セッション「競合と補完の狭間:中露関係のトランスナショナル・フロー」では、石油・ガス供給からみた北東アジアにおけるロシアの役割、貿易と直接投資の観点からロシア全体と極東(Pacific Russia)における中国の役割の比較、中国から見た中ロ経済関係の脆弱性、一帯一路の枠内でいかに両国の国益を追求できるか等の論点が     検討されました。第五セッション「中露関係の遠近法:モンゴル・インド・メキシコから」ではタイトルにある三つの国の研究者がそれぞれの視点で中ロ関係について議論しました。

最後のディスカッション・パネルでは、シンポジウムのタイトルである北東アジアの「断層線」について、中露間にあるのではなく日本海にあるのではないかという問題提起がなされるなど、北東アジア地域の捉え方について率直な議論が交わされました。

 本シンポジウムでは、歴史と現在、国家間関係と国境地域の接触、人とモノの移動、当事者の視点、近い地域、遠い地域からの視点など、多様な観点から中露関係を検討し、その動向が北東アジアに及ぼす意義について活発な議論が行われました。また、もう一つの重要な試みが世代を超えて「歴史」と「現代」を考察するということでした。中露関係研究の第一世代、第二世代、第三世代が一堂に会して議論を交わしたことも、研究史の理解を深め、さらに発展させていく上で大きな意義があったと思います。

(文責:加藤美保子)

2017.07.24

ボーダースタディーズ・サマースクール終了

 グローバルCOEプログラム「境界研究の拠点形成」以来の蓄積を誇るUBRJのサマースクールが2017年度も北大サマーインスティチュートの枠組みで開催されました(2017年7月18・19日、於スラブ・ユーラシア研究センター大会議室)。本スクールは公共政策院大学院とスラブ・ユーラシア研究センターのコラボで実施されており、UBRJのメンバーが中心となって学生の募集や講義などを運営しています。今年は北東アジア地域研究プロジェクト(NIHUの北大スラブ研拠点)との共催でもあり、北東アジア地域とボーダーに焦点をあてる講義も多く組み込まれました。

 池直美、デイヴィッド・ウルフ、岩下明裕(以上、UBRJ)、堀江典生(富山大・NIHUスラブ研拠点)、エドワード・ボイル(九州大CAFS)、ヤロスラフ・ヤンチェク(スラブ研客員教授)らに加え、ABS(Association for Borderlands Studies)会長を始めとし、メキシコシティ、ミュンヘンから来日した国際色豊かな教授陣が講義しました。世界各国から延べ(公共とスラブ研の双方)で30名を越える学生や若手研究者の参加もあり、熱心な議論が続きました。サマースクールにかかわってくださった皆さま全員に心よりお礼申し上げます。 

(岩下明裕)

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2017.07.10

ボーダーツーリズム推進協議会の設立総会が羽田空港で開催

かねてより本ユニットが推進してきたボーダーツーリズム(国境観光)ですが、観光業界が中心になって推進協議会が設立されました。

会長はANA総研の伊豆芳人氏、副会長は稚内・サハリンのボーダーツーリズムを仕掛けてこられた北都観光の米田正博専務、対馬・釜山、八重山・台湾などのツアーを造成されてきた九州経済調査協会の島田龍氏です。
理事としてはこれまでこの新しいツーリズムを盛り上げてきた方々が多数、加わっています。
総会には50名近い参加者があり、関連セミナーも盛況でした。

会議の後は、らしく東京湾クルーズ。
川崎工場群の夜景や飛行機の離着陸を海上から堪能しました。

羽田でレクチャーをやり、ここから海外の国境越えを楽しむツアーの造成も期待されます。
なおビジネスが中心となる協議会ですが、産学連携の観点から、本ユニットも推進協議会の正会員として先陣を切って入会する予定です。 

(岩下明裕)
ボーダーツーリズム推進協議会 https://www.border-tourism.com/ 

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2017.07.07

【エッセイ】阿寒湖畔に遊ぶ(視察報告2017年6月末)

早朝の阿寒湖水上。風を切りながら遊覧船は進む。右手に雄阿寒岳、左手に雌阿寒岳、その両方を同時に見られるのは阿寒湖を走る遊覧船からだけなのだと添乗の語り部が言った。この日はあいにくの曇り空で雌阿寒岳は雲に隠れていたが、雄阿寒岳は太陽を背負いながらその雄大な姿を見せた。行先は、阿寒湖にぽっかり浮かぶチュウルイ島。阿寒湖でまとまった数のマリモを見られるのは、この島にあるマリモ展示観察センターだけなのだ。

展示観察センターはけして大きな施設ではないが、いくつもの水槽が並んでいてマリモの成長過程を実物で見られるようになっている。岩に生えた苔のような状態から、まんまるい形へ、そして最後は内側から崩れていた。直径約30センチを超えると崩れ、ふたたび丸くなる過程に突入するそうだ。完璧な丸が一部崩れている様子は、予期していなかっただけにちょっとした衝撃だった。

もう半世紀以上前のことになるが、日本のバレエ学校に招聘されたソヴィエトのバレエ教師たちが、マリモにまつわる創作伝説を題材にしてバレエを創った。愛し合う2人のアイヌの悲恋物語だ。教師たちは阿寒湖畔と旭川を訪れて、古式舞踊を8ミリカメラに収めるなどして取材し、出来上がった作品には民俗舞踊がふんだんに利用されていた。

彼らが阿寒湖を訪れたのは1961年。ちょうど、水質汚染が原因で減少していたマリモ保護のため、チュウルイ湾への遊覧船乗り入れ自粛に伴い、島にマリモ観察施設ができた年だった。それまでは遊覧船に乗ったまま、湖の水中のマリモを観察できるようになっていたそうだ。ソヴィエトの教師たちがマリモを見たのが水中なのか、水槽だったのか、それはわからない。

ただ、水槽の中の動かないマリモを見ながら、私は思い出したことがあった。ソヴィエト教師たちの作ったバレエ『まりも』でヒロインのセトナを演じた鈴木光代さんに数年前にお話を伺ったときのことだ。鈴木さんが主宰するバレエ教室で、石井歓作曲の『まりも』の音源をかけさせていただいた。すると、鈴木さんは私の目の前で踊り始めたのだ。

ゆらゆらと美しく揺れる鈴木さんの腕は、水中のマリモはきっとこんなふうにゆらめくに違いないと思わせる説得力があった。音楽に心を寄り添わせて無心に踊る鈴木さんの姿の後ろに、阿寒湖の景色が広がっているかのような錯覚を覚えた。ソヴィエトの教師たちは波に揺れるマリモたちを見たのだろう、と今ではそう思われる。

斎藤慶子

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