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修了者の声   野口健太(2011年度修士課程修了)

2年間の激闘

野口 健太(在ロシア大使館専門調査員)

 大学院の入試を受けにきた2010年2月、スラ研の試験会場に入ると日本人は私ただ一人、まわりに同期となるロシア人とカザフスタン人の女性がいました。 また試験の面接では全教員10名前後が私に視線を向けてきました。この時から「とんでもないところに来てしまった」と思いました。

 この予感は現実のものとなりました。莫大な量の予習、経済学理論習得のための数多くの授業、 将来のキャリア形成を考えた上で履修した授業、私の報告後の指導教員である田畑先生の苦笑い、・・・などなど。 ただこれらを含め大学院でやってきたことひとつひとつが、自分の肉となり血となったことには言うまでもありません。 特に修士論文提出を前にして田畑先生との毎週火曜日の20分発表、その後の時には60分近く続く討論は非常に有意義なものとなりました。 このように多くの時間を私のために割いてくださった田畑先生を始めとするスラ研や経済学部などの先生方、研究員の方々、 事務・スタッフの方々、大学院の先輩・同期・後輩の方々にはご指導ご鞭撻をいただき、このたび無事修了することができました。 この場をお借りして御礼申し上げます。

 この2年間は充実した環境の中で勉強することができたので、この経験は今後の専門調査員としての仕事や、 それ以降のキャリアにも役立つものと思います。私の経験から言えることは、修士の2年ないし3年を充実した時間とするのは自分次第だと思います。 たしかにスラブ研究センターには世界で活躍される先生方がたくさんおり、資料もかなり豊富にあり、院生室の環境も相当充実しているので、 その中だけで何かに一生懸命取り組むことも大変有意義かと思います。 ただそこから自ら一歩踏み出し、別の環境下で新たな視点を得ることも大変有意義でした。 私の場合、北海道大学の他学部で自身の研究や今後のキャリアに活かせるような授業に参加してみたり、 海外に行って現地調査を行ってみたりなど、多くのことにチャレンジしてきました。2年間が終わり、相当疲れましたが、 やってきたことに間違いはないと言い切れる自信があります。

 今後もスラブ・ユーラシア地域に関心を持った多くの後輩がスラブ社会文化論に入学してくれることを望んでいます。 その中で先輩としての私の経験を、彼らのスラブ研究センターでの勉学とキャリア形成に役立ててもらえると嬉しいです。


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