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修了者の声 斎藤祥平(2014年度博士課程修了)
ミュンヘンにて札幌を思う
斎藤祥平(ルートヴィヒ・マクシミリアン大学[ミュンヘン大学]客員研究員/ 日本学術振興会海外特別研究員)
ドイツ・ミュンヘンに到着して二週間になろうとしている。私はスラブ・ユーラシア研究センターで学び、ポスドク研究をこうして始めることができた。スラ研で勉強できて、本当に良かったと思っている。指導教員のウルフ先生や副指導教員の望月先生を筆頭に、ここで私に関わってくださった、全ての方に感謝している。名前を挙げると、本当に全ての方になってしまうので、大変恐縮ながら割愛させていただくが、スラ研の先生、研究員、事務員の方々、大学院の先輩、同輩、後輩には、様々な形で助けていただいた。さらに、多くの研究会が開かれ、北海道にいながら国内外の研究者と知り合う機会があった。他方で、研究報告や研究調査のための出張をさせていただいたが、それを可能にする大学院生への補助制度もあった。こうして得た知縁は、これから研究を続けていく上でも大きな財産だ。
私の進路に関すれば、世界の一線で活躍する先生や研究員、諸先輩の背中を見ていたことに加え、ITP(インターナショナル・トレーニング・プログラム)など外国語での研究報告を支援するプログラムや外国人研究員制度が備わっていたことが大きい。在学中も、北大の交換留学制度でモスクワ大学、GCOE境界研究教育プログラムでウィーン大学、チェコ政府奨学金でマサリク大学に滞在したことから、卒業後の進路のひとつとして、海外でポスドク研究を行うことを自然と考えていた。なお、現在の受け入れ研究者のひとりは、チェコからアメリカに学会発表に行った際、空港のロビーで知り合った方である。
受け入れ先のミュンヘン大学大学院東欧・南東欧研究科Graduiertenschule für Ost- und Südosteuropastudienには、地元ドイツに加え、ハンガリー、ルーマニア、ポーランド、スロヴァキアといった近隣諸国から優秀な大学院生が集まっている。のみならず、ロシアやアメリカからも研究員を招いている。とても良い刺激を受けると同時に危機感もある。大学院での研究は終えたが、すでに新しい勝負が始まっている。ここでは、日本人としての立場や視点が激しく求められる。それがなければ、存在意義はないとすら思えることもある。そしてドイツでは、日本よりもゆったりと時間が流れているように感じる。そのぶん、何よりも「質」が求められる。この国が重厚な伝統によって培ってきた優れた学問環境に加え、政治と学問の微妙な問題に関する教訓ゆえかもしれない。
それに応えることができるのか。自分が持っているものをなんとか絞り出すしかないだろう。日本で教わったことが身にしみると同時に、この国から学ぶことは大きいと考えている。履かせていただいていた下駄は日本に置いてきてしまった。今はヨーロッパの固い石畳をひたすら歩くしかない。実際に足の裏にできているマメが、やがて固くなるように努めたいと思う。夢中になれるものを見つけることができたこと、それを続けることができること、それはとても幸せなことだ。私を送り出してくれた人たちに心から感謝したい。
(2015年4月12日)
[修了者の声index]
- 山田愛実(2023年度修士課程修了)
- ベクトゥルスノフ・ミルラン(2022年度博士号取得)
- 生熊源一(2020年度博士課程修了)
- 大武由紀子(2018年度博士号取得)
- 谷原光昭(2018年度修士課程修了)
- 秋月準也(2017年度博士課程単位取得退学)
- 服部倫卓(2017年度博士課程修了)
- 長友謙治(2016年度博士課程修了)
- 植松正明(2015年度修士課程修了)
- 真弓浩明(2015年度修士課程修了)
- 井上岳彦(2014年度博士号取得)
- 斎藤祥平 ( 2014年度博士課程修了)
- 野口健太(2011年度修士課程修了)
- 石黒太祐(2011年度修士課程修了)
- 宮風耕治(2010年度修士課程修了)
- 麻田雅文(2010年度博士課程修了)
- 高橋慎明(2009年度修士課程修了)
- 秋山 徹(2009年度博士課程修了)
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